総務省は9月19日,「ネットワークの中立性に関する懇談会」の第8回会合を開催した。同懇談会では昨年11月から,インターネットのコスト負担の公平性や,NGN(次世代ネットワーク)の利用の公平性などについて,そのあり方を議論してきた。今回は,最終段階の報告書案を確認しながらの議論を行った。
総務省は6月22日に報告書案を公開し,一般からの意見を募集。寄せられた意見を踏まえて報告書案を修正し,今回の会合に提出した。寄せられた意見が多く,最も多く修正したポイントは,インターネットのヘビーユーザーに追加課金することの是非について記述した個所だった。
ヘビーユーザーへの追加課金について,修正後の報告書案ではおよそ次の通りになっている。まずヘビーユーザーによる帯域の占拠と,コンテンツ・プロバイダによるリッチ・コンテンツの配信は別の話と分けた。
そしてヘビーユーザーへの追加課金に関しては,受益者負担である観点から合理的根拠があるとする一方,合理的な料金格差の設定方法を一義的に決めたり追加課金を一般論として是としたりするのは難しいとしている。追加課金は個別に判断するべきで,ユーザーへの十分な説明が必要とまとめている。
コンテンツ・プロバイダによるISPへの追加料金の支払いは,両者の交渉により競争的に料金が設定できていると考えられ,追加料金の支払いを原則とするのは適当ではなく当事者間の協議に委ねるべきとしている。
総務省は今回の会合で指摘された個所を修正して,報告書を近日中に公開する予定である。