米Microsoftが提案しているファイル・フォーマット仕様「ECMA Open XML File Format」について,米Googleが反対的立場を明らかにした。同仕様の承認をISO(国際標準化機構)が見送ったことを受け,Googleオープンソース部門のZaheda Bhorat氏が米国時間9月14日に,ISOの投票結果を歓迎するコメントを同社公式ブログに投稿したもの。
同仕様はMicrosoftのオフィス・アプリケーション向け標準ファイル形式「Office Open XML(OOXML)」をベースにしたもので,国際的な標準化組織であるEcma Internationalが2006年12月にEcma標準(Ecma standard)「Ecma-376」として承認(関連記事:標準化組織Ecma,オフィス・アプリ向けファイル形式「Office Open XML」を承認)。2007年4月に,ISOの国際標準化に向けたプロセスが始まり,国際標準として承認するかどうかを決める投票が9月2日に締め切られた(関連記事:Microsoftのファイル形式「Office Open XML」,国際標準化の投票段階へ)。
投票に参加したのは104カ国のメンバーで,ISOおよび国際電気標準会議(IEC)の合同技術委員会JTC 1の41メンバーが含まれる。承認を受けるには,ISO/IEC JTC 1の3分の2(66.66%)以上の賛成票を獲得し,反対票は全体の4分の1(25%)以下でなくてはならないが,投票結果は賛成票がISO/IEC JTC 1の53%,反対票が全体の26%だったため承認に至らなかった(関連記事:MicrosoftのOpen XML仕様,ISOの投票で承認得られず採用見送り)。
ファイル・フォーマット仕様については,すでに「OpenDocument Format(ODF)」が標準として認められている。さまざまなオープンソースのオフィス・アプリケーションで採用されており,Googleも「Google Docs & Spreadsheets」でサポートしているという。
Googleは,Open XMLに反対する主な理由として,ODFと互換性を持たないことを挙げている。「当社は,ひとつのオープンな文書フォーマットを支持し,業界メンバーに対してもODF上で協業するよう呼びかけていく」(Bhorat氏)。
そのほか,同社はOpen XMLの標準化案に対して主に以下の懸念を投げかけている。
- この規模の仕様としてはレビュー期間が不十分
- ドキュメント化されていない機能が,他社ベンダーによる実装を妨げる
- Microsoftの他のプロプライエタリなフォーマットへの依存や,技術的欠陥により完全な実装が困難