米Googleは,同社傘下のビデオ共有サイト「YouTube」で,著作権保護されたコンテンツを自動識別するシステムの導入計画を進めていることを認めた。YouTubeの共同創業者で現在はGoogleの従業員となっているSteve Chen氏が米国時間6月14日に,Google公式ブログへの投稿で明らかにしたもの。
米英メディア各社(NYTimes.comやReuters)では数日前から,YouTubeがビデオ識別ツールをテストしているとの噂を報じていた。Chen氏はこれらの報道を見て,「われわれが現在行っていることをはっきりさせた方が良いと考えた」と語る。同氏によれば,Googleは数カ月前からコンテンツ識別技術の強化に取り組んでおり,「それほど遠くない将来,革新的な機能を発表できるだろう」(同氏)。
開発中の技術は間もなく自動システム上のテストを開始する。特定のビデオを検出および照合するためのもので,投稿されたビデオからカギとなる視覚的様相を抽出し,著作権保持者から提供された情報と照らし合わせる。「自動的に正確な情報の一致を判断するのはたいへん難しく,高度に調整したシステムが必要となる。正確性の次の課題は速度と規模だ。毎日数百万人にのぼるユーザーの利用に対応しなければならない」(同氏)。
テストには数社の大手メディア企業が協力するという。米CNET News.comの記事では,米Time Warnerと米Walt Disneyの名前を挙げている。
Chen氏は「アーティストができたての作品をすぐに世界中に配信する,あるいは大統領選立候補者が有権者と直接意見をかわす,といったYouTubeの自由で速い表現手段を損なわないよう配慮しながら,新たな識別技術を設計している」と述べた。