2011年の秋冬のスマートフォンの注目と言えば、LTE(Long Term Evolution)搭載のスマートフォンと、ソフトバンクモバイル、KDDIという2事業者から発売されたiPhone 4Sだろう。そこで通信面からこれらの最新スマートフォンに着目し、その実力を実地テストで比較してみた。データ通信でLTEの実力がうかがえたほか、iPhone 4Sでは両社での性能の違いが浮き彫りになった。
実施したテストは、LTE対応のNTTドコモ「GALAXY S II LTE」と、その対抗馬となるモバイルWiMAX搭載のKDDI「HTC EVO 3D」(台湾HTC製)による“LTE vs. WiMAXスマホ比較”と、ソフトバンクモバイル版「iPhone 4S」とKDDI版「iPhone 4S」による、“iPhone 4S比較”である(表1、写真1、写真2、写真3、写真4)。
前者の“LTE vs. WiMAXスマホ比較”では、LTEが下り最大37.5Mビット/秒(一部屋内は75Mビット/秒)、モバイルWiMAXが下り最大40Mビット/秒という理論値に対して、実際にどの程度のパフォーマンスを発揮するのかを調べた。具体的には、法人ユーザーが最も利用するシーンとして端末標準のブラウザーを使ったWebサイトへの接続時間をチェック。また両機種ともテザリングに対応しているため、無線LANテザリング時のスループットなども評価した。さらに、LTE対応スマートフォンは音声通話利用時に自動的に3G網へと切り替わる「CSフォールバック機能」を実装しているため、この使い勝手にも注目した。
後者の“iPhone 4S比較”では、同じくWebサイトへの接続時間や計測サイトを利用したスループットによって、ソフトバンクモバイル、KDDIのネットワークの品質を比較した。