それは、Webをビジネスに活用したいという企業担当者に「では、ブログをやりましょう」と提案した際に、ほとんどの場合に返ってくる「なかなか忙しくてブログを書いている時間はない」というのは、ただの言い訳でしかないなということです。
足りないのは時間ではなく、考える意欲や習慣でしょ
今回、瞬間的に仕事が集中して、ちょっとパニック状態になり、思考を仕事に集中させるため、あえてブログを書くのをやめたわけですが、そこで実際にやめたのは、仕事以外のことを考えることでした。それだけ思考を集中しなければ、納期があやういと感じたからです。とりあえずいまはそうやって思考を集中したおかげで、まだまだ作業は残っていますが、思考はほかに配分してもよいだろうという余裕はもてるようになりました。
そういうのを自分で体験してみて、「忙しくてブログを書いている時間はない」というのはまったくのウソだということに気づきました。もちろん、年に何度かは今回の僕のケースのように、本当に時間がなくてブログを書けないということはあるでしょう? でも、それが定常化している人なんて、相当あちことからひっぱりだこで、それこそ寝る間も惜しんで働いてる人か、単に仕事の要領が悪い人くらいでしょう。そんな人はほんの一握りのはずです。
で、多くの人はそうじゃないですよね。足りないのは時間ではなくて、ものを考える意欲や習慣なんじゃないですか? ようは考える仕事を怠って、それを単に忙しさのせいにしてるだけでしょ? それでビジネスがうまくいくはずはありません。それって単に仕事をサボってるだけですよね。
足りないのは時間ではなく、考える意欲や習慣でしょ
結局、時間がないというのは単なる言い訳です。ものを考えずに、それでいて「Webをビジネスに活用したい」なんておこがましいことを言ってるわけです。だとすれば、本気で「Webをビジネスに活用したい」と考え、それを望むなら、仕事の定義を変えなくてはいけません。
習慣的にものを考え、常に新しい考えをアウトプットするのを仕事のうちに含んでしまうことです。マーケティング目的であれば、そうやってブログなどを通じて得られた成果をきちんと測定して、それを各人の仕事の成果として評価すればいい。その意味でそれはブログを書くことになる人の問題だけではなく、会社の人事評価の問題でもあるわけです。
もちろん、それ以前に企業としてWebをいかにビジネスのために活用するのか位置づける戦略が記述されていることが必要です。
測定できないものは管理できない。
記述できないものは測定できない。ロバート・S・キャプラン 、デビッド・P・ノートン
『戦略マップ バランスト・スコアカードの新・戦略実行フレームワーク』
企業のミッションは価値を提供し続けることです。顧客に対して、社会に対して。そして、価値を提供することの一部には、価値を伝えることが含まれます。そして、伝えるためには価値を作り出さなくてはいけません。価値を作り出すのは、作業だけでなく、思考も必要なはずです。「忙しいから~」と言って、価値創造のための思考も、価値を伝えるためのアウトプットもサボっていて、それっていったい何の仕事が忙しいのでしょうか?
企業のWebマスターは各コンテンツオーナーに対して、そして、もちろん、自分に対して、ブログが彼ら(そして、あなた)の仕事のアウトプットであることを明確に伝え、その仕事(考えること、そして、ブログを書くこと)をサボらないことを義務付けなくてはいけません。
もちろん、アウトプットはブログでなくてもかまいません。ようはそれがWebに存在することが肝心なのですから。
さて、あなたは思考=仕事をサボってませんか?
「せめてこれだけ」の中に「考える習慣をつける」ことをリストアップして置いてください。
この記事へのコメント
K
tanahashi
出だしからちゃんと読んでもらえれば、いただいたコメントがまったく「つまり」=「要約」になってないのはわかると思いますよ。
だって、忙しいから止めてみたけど、忙しいからってずっと書けないなんてことはないのに気づいたってのが出だしの文ですから。
それから一時的に忙しくて書けないのは僕だって認めますが、それは僕がウソでしょと思う「常態的に忙しくて書けない」ということとは違いますし。
Kさんも揚げ足とってないで、ブログではなくてもいいので、前向きな価値提案ができるようなコミュニケーションだとか、自分自身の思考する時間にあてられてみてはどうでしょうか。
K
集中するために止めたと書かれていたので、なんで忙しいから更新止めた人の気持ちが分かるのかなぁっと疑問に思ったので。
tanahashi
このエントリーの数日前に忙しいので止めますというエントリーを残していて、このエントリーはそれを受けてのものです。
なので、忙しいから止めるということに関しては、僕もagreeですし、そもそもブログだけが価値提供の手段などとは毛頭思っていません。
>Webをビジネスに活用したいという企業担当者に「では、ブログをやりましょう」と提案した際に、ほとんどの場合に返ってくる「なかなか忙しくてブログを書いている時間はない」というの
が、それが価値提供のための仕事として位置づけるのなら「忙しい」は理由にならないでしょということです。
いうなれば、それは忙しいから仕事はしません、っていうことになっちゃいますから。