今日ほど Windows Defender が役に立たないと実感したことはない。
役に立たないどころか有害ですらある。
率直に言って、Windows Defender はマルウェアと同等だ。
仕事で利用するファイルを作成するために自分でスクリプトを書いて実行したところ、少し経つと必ず "Permission Denied." というエラーとともにファイル作成に失敗してしまう。失敗するときは "Permission Denied." 以外のメッセージやダイアログは表示されない。
それに、通常アクセス権がないために書き込みに失敗する場合は「しばらく経ってから」ではなく「すぐに」エラーになるはずなのだ。「また Vista の役に立たない新機能か?」と思いつつも一応設定を見直してみることにした。
わたしが操作をミスってフォルダのセキュリティ設定を変えてしまったのかもしれない。ファイルを作成しようとしているフォルダは %userprofile% のツリーの下にある。 %userprofile% の ACL ( Access Control List ) をみるとフルコントロール権限があることが確認できた。ファイルを作成しようとしているフォルダの ACL も確認したがこちらにもフルコントロール権限がある。セキュリティの設定はまったく問題がないようだ。
疑問は深まるばかりだが、仕事の締め切りが近い。仕方がないので権限を昇格して特権モードでスクリプトを実行したが、やはり "Permission Denied." で失敗してしまう。
四苦八苦していると、タスクトレイに見慣れないアイコンがあることに気づいた。城壁に ! マークがついたアイコンだ。
「え~~~と、確かこれは Windows Defender のアイコンだったはず。何かあるのだろうか」
疑問に思って Defender を開いてみたところ、要約すると「よくわからんプログラムが実行されているから、KILL した」というようなメッセージが。
最初のわたしの予感は正しかった。またしても Vista の機能が邪魔をしていたのだ。
セキュリティを高めること自体は悪くない。しかし、ユーザに一切警告を出さずに問答無用でプロセス KILL というのは文句なく間違っている。以前どこかでも書いたことなのだが、機械による判定は見当違いも少なくない。情報技術が格段に発展したといわれる現在であってもだ。実行する前にユーザに問い合わせることは必須であり、これがないならばセキュリティソフトとしては欠陥品と言わざるを得ない。
これが判明してすぐに Windows Defender を停止し、サービス一覧から削除したことは言うまでもない。
Windows Defender は Vista をセットアップしたらすぐに消すべきサービスのひとつといっても過言ではない。
セキュリティソフトなら他の、もっと実績があり信頼できるメーカーから選んだほうがいいということを痛感した出来事だった。