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2006/01/28

ゲーム内のアイテムに課税!?

オンラインゲーム内のアイテムへ課税だって?
わたしはこのアイテム課税問題を聞いたとき、 何で馬鹿げたことだろうと思った。

そりゃ、RMT ( ゲーム内のアイテムと現実世界の通過を交換する取引 ) を 行っている人に対して課税するならありだろう。相手が望むもの ( ゲーム内のアイテム ) を売ってその対価 ( 現金 ) を得るという立派な商売だ。 所得源として考えられるから課税することは不自然なことじゃない。

アイテムに課税ってことは持っているだけで課税ってことでしょ? RMT を行わない、つまり実世界の通貨と結び付けていないユーザも課税の対象になるのかい?

もちろん、新しいタイプのオンラインゲームのようにプレイ時間には課金せずに ゲーム内で使用するアイテムをサービス提供者から現実世界のお金で買うのならば、 そのアイテムは取引した現金と同等の価値があると考えてもいいかもしれないね。

オンラインゲームといっても、その中に存在するアイテムの位置づけは様々だ。 また、ユーザによっても違ってくるだろう。それらを十把一絡げにして 「アイテム持っているから税金払ってね」とすることには意義を唱える。

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2006/01/16

Cmag 休刊 / XML勉強中

C magazine 休刊

昨日友人から聞いたのですが、C magazine が3月号で 休刊になるとか・・・

インターネットが発達したとはいえ、いい情報の入手先は自分ではなかなか見つけられないもの。 わたしは大学では生物学を学んでいましたが、まわりは情報工学系に無縁だったので いいサイトやどんな技術が注目されているのか、どんな技術が開発されているのか といったことを知るためには雑誌のお世話になっていました。
それだけではなく、TIPS でこれは使えると思ったものは今でも使ったりしているわけで、 ちょっとしたテクニックを教えてくれた中のひとつが消えてしまうのが残念です。

C magazine と同じポジションのいい雑誌というのはない気がするのですが、 さてどうしましょうか( ´・ω・`)


XML 勉強中

XML parser すら知らなかったというダメッぷり。 SOAP とか XML-RPC とか、身近なところでは XHTML とかいろいろと 使われているわけで、知らないのは拙いなぁ。 危機感を覚えて現在勉強中。

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2006/01/14

"Hiring is Obsolete" と Yahoo の経営戦略

1/11, Yahoo は 設立前の Web2.0 企業を買収したと発表した。 これだけでなく、Yahoo は2006年中に2000を超える未設立の個人企業を買収するという。 一見すると、収益も出ていない、ビジネスプランも確定していない ベンチャーを買収することに意義があるのか疑いたくなる。

Yahoo がこのような行動をとった背景には、恐らく Paul Graham氏が指摘したことが 原因のひとつにあると思う。氏は自身のエッセイ "Hiring is Obsolete" の中で次のように 述べている。

Big companies are bad at product development because they're bad at everything. Everything happens slower in big companies than small ones, and product development is something that has to happen fast, because you have to go through a lot of iterations to get something good.
I think the trend of big companies buying startups will only accelerate. One of the biggest remaining obstacles is pride. Most companies, at least unconsciously, feel they ought to be able to develop stuff in house, and that buying startups is to some degree an admission of failure. And so, as people generally do with admissions of failure, they put it off for as long as possible. That makes the acquisition very expensive when it finally happens.
What companies should do is go out and discover startups when they're young, before VCs have puffed them up into something that costs hundreds of millions to acquire. Much of what VCs add, the acquirer doesn't need anyway.
意訳:
大企業は全てが下手だから、製品の開発もダメダメだ。大企業では全ての起こりが遅い。 製品の開発は、いい物を作るためには、何度も試行錯誤しなきゃならないんだから すばやく行わなきゃならないのに。
大企業による新興企業の買収はより盛んになっていくだろう。 しかし、ほとんどの企業は可能ならば自社のスタッフで開発するべきで、 新興企業を買収することは失敗を認めることだと感じている。この見栄が 最大の障害だ。人間が失敗を認めるときと同じく、可能な限り認めようとしない。 このことは、最終的に買収するときの費用をとても高いものにする。
企業がするべきは、外に目を向けてまだ蕾の段階の新興企業を見つけることだ。 出資家が目を付ける前ならば買収に何億円も必要にはならない。 出資家が新興企業にいろいろとくっつけるものは、買収する側は全くいらないのだ。

大企業は動きが遅いから自社で開発する能力がない。 将来性のある商品と開発力に優れた人材を得たいならばベンチャーを買収するしかない。 しかし、出資家が目を付けたベンチャーを買収することはかなり高くつく。 買収費用を低く抑えるためには、まだ花が咲かないうちに買収するしかないのだ。 と指摘しているのだ。

大企業から革新的技術が生まれにくいことは、The Innovator's Dilemma にも書かれていることである。 恐らく、Yahoo はこのことに気付き、Web2.0 という技術革新が進む中でもグローバルインターネット 市場で優位に立ち続けるために今回のような戦略に打って出たのだろう。

わたしもいくつかの「大手」といわれる企業で働いたことがあるが、 この指摘はもっともなことだ。わたしが思うに、大企業が魅力的な製品を開発するには 2つの方法があると思う。ひとつは小さな組織を作って独立させ、そこに人材を集めて 製品を開発させる方法。もうひとつはベンチャーの買収だ。

前者は目的の製品の開発に最適な人材が必ずしも見つからない場合がある。 また、新たに作った組織に資本を割かなければならないが、製品のプロトタイプすら できていない状況で企業のトップや株主を説得するのは難しいかもしれない。 企業内部から反発が出るかもしれない。

後者は、実績が確認された製品と既存の市場、その開発者を同時に手に入れられるという利点がある。 欠点は何十億という費用がかかってしまうことだ。

そして、今回の Yahoo がとった戦略は、恐らく、プロトタイプを評価して買収するというものだろう。 この方法では、ユーザが求めているサービスを推測しなければならないが、 買収にかかる費用は成功したベンチャーを買収する費用の1/10くらいに抑えられる。 そして製品を開発する最適な開発者と最先端の技術を手に入れられる。 ベンチャーにとっても数千万~数億が短い間で得られるのだから、 双方にとっていいことがあるのだ。


Hiring is Obsolete -就職は時代遅れ-

ああ、そうそう。"Hiring is Obsolete" で書かれている趣旨は 大企業がどうやって買収するべきかということじゃないよ。 「若いときに勇気を出して挑戦してみよう」ということを伝えている。 大学生・高校生にぜひとも読んでもらいたいエッセイだ。

中にはお金をためてから挑戦すればいいじゃないかという人もいるけど、 それは嘘だ。家族を持ってそれなりの地位を築いてしまった人が どうしてそれらを犠牲にしてまで新しいことに挑戦できるだろう? 失敗してもダメージが少なくてすむのは若いときだけだ。

え?お金がないって?
確かに工場を建てなければ参加できないような市場もあるけれど、 分野を選べばスタートアップ資金はほとんど必要のない市場もあるんだ。 氏が指摘するように、Webサービスだとかのソフトウェアもそのひとつだ。 これらを作るために必要なのは PC と開発環境、それにネットワーク環境だ。 PC は中古なら3万円くらいで買えるし、ネットワーク環境は月に1万円あれば用意できる。 開発環境は GCC とか Python を選べばタダだ。 食費とかを除けばスタートアップに必要な費用は10万~20万なんだ。

失敗したときのダメージは20歳とか18歳ならほとんどない。 若ければ若いほど少ないと思う。 わたしはこのことに気付くのが遅すぎたから結構な痛手を受けている。 あのときに挑戦しておけばよかったなって後悔している。

失敗しても痛くないなら、挑戦しないことは損なんじゃないかな?

Reference
Hiring is Obsolete ( May 2005, Paul Graham )
Yahoo! Announces Acquisition of Company Before Its Foundation ( Jan 11 2006, Greg Yardley )

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2006/01/09

Dilemma of Microsoft

Ozzie's Memo が発行された背景の話。 Microsoft はだんだんと影が薄くなっている気がする。 それはなぜだろうか?

IE が大成功を収めた後、保守路線に走ってしまったため、 それに失望した、挑戦的で技術をリードする Geek が抜けてしまった。 この結果、Microsoft はカジュアルマーケットにおいて大きなインパクトを与える 商品 ( サービスも含めて ) を生み出す力を失ってしまったのだ。

中島氏が指摘しているように、人事の失敗もことの原因のひとつであるが、 "10 rules for Web startups" に照らし合わせると Microsoft が ミスをしている他の原因も見えてくる。( このルールは「スタートアップ」とあるが 起業するときだけでなくその後の運営についても守るべき10ヵ条であると思う )

10 rules for web startups は以下の通り。
Be Narrow
Be Different
Be Casual
Be Picky
Be User-Centric
Be Self-Centered
Be Greedy
Be Tiny
Be Agile
be Balanced

わたしはこれに "Be Defiant ( 挑戦的であれ )" と "Be radical ( 攻撃的であれ ) を加えたい。一度成功したからといって、いつまでもそれに縋り付くようではダメなのだ。 Microsoft は Windows95 で大成功したが、その後の 98, Me は似たようなものだった。Windows2000 の登場は大きな転機といえるかもしれないが、その後続の XP は 2000とほとんど同じだ。細かいところは変わっていてもそれが広く受け入れられないようなものやあまり使われないようなものじゃダメなんだ。はっきりと「変わった」と認識できるもので、ユーザが役に立つと認めたものでなければユーザはお金を出して乗り換えようとは思わない。

Microsoft は OS に Office に Webサービス、それにゲームだとか家電まで手を出している。これじゃぁ "Narrow" とはいえない。"Be Narrow" とは、取り組むモノを決めてそれに全力で取り組もうということだ。とても大切なことだけれど、ゼネラリストでは分野のスペシャリストには勝てないんだ。あれもこれもそれも・・・という取り組みでは、それぞれの分野のスペシャリストに打ち負かされてしまう。Google を見てみよう。彼らはWebサービスに集中して取り組んでいる。彼らはWebサービスのスペシャリストだから ゼネラリストの Microsoft に勝つことができたんだ。

とある企業が大成功したからって、それを真似るだけでもダメだと思う。一番最初になにかを創り上げた企業は大きな注目を集める。でも、2番3番となっていくにつれて「あぁ、またか」と思われるだけで、ユーザの関心を集めるのが難しくなっていく。多くの人に注目されたほうが、サービスの利用者を獲得できる確立は高い。逆に言えば、全く気付かれなかったとしたらサービスの利用者はいつまでたっても0 ( ゼロ )。似たようなモノであってもなにかが違っていなければならない。たとえば、本を購入するためのサイトは Amazon 以外にもある。が、世界で一番よく知られているのは Amazon だし、利用率の高さもまた同じだ。Amazon は一番最初にインターネットで書籍の販売サービスを提供したわけじゃないし、なにか特別なものを扱っているわけじゃない。何が違うのだろうか?

違いは恐らくは "User-Centric" であるかどうかだとおもう。本を検索するとき、( 最近は減ってきたようだが ) 熱心に広告費用を払っている出版社の本だとか、自社で出版している本を検索の上位に表示するサイトは少なくない。それどころか、全く関係のない本を上位に表示してくれるサイトもある。しかし、Amazon はちがう。Amazon ではキーワードと関係のある本のうち、「もっとも売れている」本を上位に表示する。それだけではなく、ユーザーが作ったリストも表示してくれる。サンプルページ、ユーザーレビューとリストを合わせると、その本にどんなことが書いてあってそれが自分にとってほしいものなのかを知る手助けになるんだ。直接品物を見ることができないWebショッピングで、この点は正しく User-Centric であり、他社と Different だ。

Microsoft はどうだろうか?昔は酷かった検索 ( MSN Search ) はかなり改善されている。また、Google にはない、検索サービスについての意見をフィードバックする機能が追加されていることを見ると、検索では Google を超えられるかもしれない。

しかし、MSN Messenger のように Version が上がるごとに使いづらくなっていくものがある。他のサービスは Google の後追いのような感がぬぐえなかったりもする。これらのサービスは他が実装したから、同等のものを急いで作って無理やり付け足したような歪な感じがする。

OS や 、アプリケーションの Office を見れば解るようにリリースされるソフトはどんどん巨大になるばかりだ。肥大化したプログラムは、動作が重いし操作も複雑になる。なんでもかんでも最初から組み込んでしまうのではなくて、インストールは最小限の構成で行い、その後でユーザに必要な機能を追加インストールしてもらうべきだと思うのだ。不要なエフェクト ( アプリケーションが起動するときにクレイジーなスプラッシュスクリーンを表示したりだとか ) はもちろん実装するべきではない。ユーザはコンピュータを使って仕事をしするかあるいは遊びたいのであって、OS や アプリケーションの起動画面を眺めたいわけじゃない。

機敏性が失われつつあることも問題だ。10年前にGates氏は " The Internet Tidal Wave" というメモによってWeb-based Service の重要性を自ら主張した。このメモで喚起されたとおりに10年前から準備を進めていたなら、恐らく Web-based Service でも Microsoft が覇者となっていただろう。しかし、現状は Google に先行されている。Microsoft も似たようなサービスを追加してはいるが、先に述べたようにあまり注目されていない。

わたしが考えるに Microsoft は10ヶ条のうち半分もクリアしていないだろう。結局のところ、Microsoft が盛り返すためには保守的な会社の体質を改めなくてはならない。 Microsoft からは Visio などとても便利なツールが今でもリリースされているのだから、新しいものを生み出す可能性はまだ残っていると思う。あとはどれだけ挑戦的になれるかだ。

このまま Google の一人勝ちではあまり面白くない。Microsoft が、OS と同じく、Web-Based Service を独占してしまうことは避けるべきだが、健全な競争がある場になってくれればと切に願う。そうすればよりよいサービス、より刺激的で興味深いアイディアが生まれてくるに違いない。

Reference
・Ray Ozzieが「マイクロソフトのWeb2.0宣言」を書いた理由 ( ZDNet Japan, 2005/01/04, 中島聡 )
・「サービス化の波に備えよ」--ビル・ゲイツによる話題のメモを全文公開 ( CNET News.com, 2005/11/10 )
10 rules for web startups ( 2005.11.27. evhead )

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