あるSEとゲーマーの四方山話 [RSS]

同人ゲーム作りをモチベーション下げずに完成させる方法


<てるや>
まずは問題編。
現場の声。
スケジュール管理の薦めというお話。
スケジュール管理のお話-サカナノベル

■無計画シミュレーション雑感


今回はたまみちゃんがスーパーモード持ちなので間に合った感があります。
スーパーモードに移行できない人もいますので、
その場合は間に合わないという結果になったはずです。
けいこちゃんが責任感が強いのも良い結果に結びつきました。


たまに腰の弱いひとがいて、逃げる、連絡不通になる、
終わってから出てくる
という仕打ちを受けることがあります。
はるみちゃんが偉いように感じますが、
音楽ブロックは独立なのでわりとこういう事があります。
逆に他のメンバー関係なく不調になることもあり得ます。



堕落の連鎖。ハッスルの連鎖。人選びは重要というお話。
スタッフ間の連絡-サカナノベル

■コミュニケーション作業
多人数作業の場合は、
個々のスタッフが勝手に作業をすると大混乱になってしまうため、
総責任者を決め作業指示を出さねばなりません。
少人数なら口頭で色々指示できるのですが、
三人を越えると書類での指示が必要となってきます。
書類を作ると、言った言わないのトラブルが減りますし、
出来上がりの確認にも使えます。


■むやみに人を増やさない
人の集団には士気と言う物があります。
集団が大きくなればなるほど全体の士気を高めるのは難しくなります。
10人編成以上のサークルともなると、
どうしても死ぬほど忙しい人と暇な人がでてきます。
むやみに忙しいスタッフほど、暇でぶらぶらしてるスタッフが目障りになります。

「私がこんなに忙しいのに、なんであの子はぶらぶらしてんのっ! キーッ!」
てな感じになりがちです。
怠け者で役に立たないスタッフほど、回りを堕落連鎖に巻き込んでしまいます。


シナリオ系と画像系、音楽系でそれぞれ作業量がちがい、
また、忙しくなるタイミングも違いますので、ときどき手が空くのは仕方がありません。
ですが、企画とか監修とか言って、
横から口を挟むだけの職務の人はスタッフに入れるべきではありませんし、
やめてもらいましょう。


■ハッスルする人は貴重です
やる気がある人は、実務の腕があまり良くなくても、
サークル内に居ると利益があります。
ハッスルは伝染するからです。
堕落が連鎖するように、ハッスルも連鎖します。


やる気があって、自ら前進するようなスタッフは貴重です。
「あまり腕が立たないから、腕の立つグラフィッカーと交換するかな」
とか考えてはなりません。
ハッスルする、ちょっと落ちぐらいのグラフィッカーと、
やる気が無くて腕が立つグラフィッカーが居たばあい、
ハッスルグラフィッカーを選びましょう。
熱意の無形の貢献は思ったより大きいものです。


ハッスルする人と似ているのですが、空転する人がいます。
見た目よく似ていますが、こちらは迷惑な人です。
自分勝手に暴れ回り、サークル内をバラバラにしてしまうことがあります。
どう見分ければ良いのでしょうか。

ハッスルする人は、自分の出来る事に邁進します。
空転の人は回りの情況を変化させようとします。
自分の仕事をあまりやらないで、人のやってることに口を出したり、
もう決まっている企画を気に入らないからと、
根回し無しで変えようする人は空転の人です。
やめてもらいましょう。

最大の課題。どうしてもおこるモチベーション低下の問題。
サークル内トラブル-サカナノベル
 
■一番多くて一番困るトラブル
 åŒäººã‚²ãƒ¼ãƒ ã‚’作っていて、一番多くて一番困るトラブルは、
 ã‚„る気がなくなる。です。
どのサークルにも、もれなくやって来る危機で、かなりの強敵です。

■モチベーション(やる気)トラブル
ゲーム開発という趣味は完成するまでに時間が掛かるので、
達成感を得る事がなかなか出来ません。
中編のノベルゲームでも半年、長編になると、
二年三年の開発をしているサークルも少なくありません。
同人ゲームサークルは雨後の竹の子のように幾つも結成されます。
この中で、ホームページをたて、企画作業を済ますサークルは70%ほどかと思います。
(ホームページのない企画倒れサークルは水面下なのではっきりした事はいえませんが)
企画段階から体験版などのα版、開発プロトタイプ版を製作出来るのが30%程度。
ハーフ版と呼ばれる、1、2ルート開通版まで出来るのが5%程度。
完全版と呼ばれる、全ルート開通した版を作れるのが1%切っている情況です。
モチベーションが保てないという理由でかなりのサークルが中断、解散しています。

多人数でやっている場合、全員がモチベーションを維持しなければならないので、
これが顕著に出ます。
しかも、多人数だと、他ブロックの作業に気持ちが引っぱられてしまいます。
「グラフィッカーが絵を出してこないから、シナリオも進まないんだよ」
と、人間弱いものですから、他人の責任にしがちです。
モチベーション枯渇には色々と理由があるのですが、
一番多い理由は見積もり不足です。

・思っていたよりでかい

・思っていたよりおもしろくない


■モチベーション対策
ゲーム開発への報酬というのは、
プレイヤーの感想と達成感にあると思われます。
そこでモチベーションを維持するためには。

・小規模の作品から作り始め、スタッフの錬度を上げながら、開発負荷を上げていく。
・短めのスパンでマイルストーンを置き、
開発プロト版をネットや即売会で頒布しプレイヤーの感想を求める。
・大型の作品を製作する場合、一本の長い話にするのではなく、
連作短編に区切って制作をし、バラで頒布する。
・大型作品と並行して、同じ世界観の短編を作り一定期間でネット頒布する。
・一週間に一度、スタッフ会議を行う。
・一ヶ月に一度スタッフを集めて宴会をする。
・ホームページなどで大口を叩き、背水の陣を引く。(注:お勧めしません)


■人的トラブル
 ã‚¹ã‚¿ãƒƒãƒ•é–“の大げんか、スタッフが逃げる、
などの人的トラブルに見舞われ分解するサークルも多々あります。
先に人柄が解っている同じ学校の仲間で集まったサークルなどは良いのですが、
ネットなどでスタッフ募集をして集まったサークルではありがちです。
対策としては、チャットなり、オフ会なりで、
良く知り合った上で中核スタッフとして入れるようにしましょう。
難しいのは、世の中には、何も出来ない癖に出来ると勘違いしている人と、
凄く仕事は出来るのだけど、性格的に人と共同作業ができない人が居ることです。
仕事を一緒にしてみないと、これだけは解りません。

・スタッフ間大げんか
ゲーム製作は共同作業なので、
自分は良いと思った成果物を良く判らない理由でリテイクされたとか、
俺ばっかり忙しいとか、色々な感情の行き違いがあります。
このあたりのもめ事は顔をつきあわせて喋るだけで問題が解決することがあります。
総責任者の仕事として、感情的な問題を発生させないように気を配る。
発生したら冷静に解決する。などがあります。

・スタッフが逃げた
精神的に腰が弱いというか、追いつめられると逃げちゃう人がたまに居ます。
スタッフが追いつめられるような現場の状態ですから、
製作が佳境に入ってる時期が多く、逃散による被害は壊滅的だったりします。
ふんばれない人に特徴は無いので外から見ても解りません。
気の強い人弱い人、仕事が出来る人、出来ない人、
どんなタイプの中でも逃げる人はいます。
逃散の事実はなかなか発覚しないのも、また、やっかいです。
二三日連絡が取れないな、と思っていたら、メールアドレスは解約されているわ、
ホームページは閉鎖されているわで、そこまで行ってやっと逃散したと解ります。
特にネットで知り合って、住所などを知らない場合には対処のしようもありません。
スタッフが逃散すると、
目の前が真っ暗になって絶望の二文字が目の前にうかびますが、
冷静に対処しましょう。

まず、中核スタッフ(シナリオ、CG、音楽)であった場合は、
その中核スタッフの作った成果物は著作権の問題で使用できなくなります。
代替スタッフを入れたら、期日までに完成するかどうかの判断します。
完成の可能性があるなら、代替スタッフを捜します。
代替スタッフ入れてもまず間に合わないほどの穴があいているなら、
潔く延期をしてスケジュールを作り直します。
同人の場合、告知した期日を繰り延べしても、金銭被害はでませんので、
柔軟に対応しましょう。 被害といえば告知広報していた場合、
お客さんへの信用が落ちるぐらいです。

人が集まればトラブルは発生します、
トラブルが起こったら不運だったなぐらいの気持ちで冷静に対処しましょう。 。

僕は同人ソフトを作った事ないのですが、
なぜ、手に取るように状況が想像できるのでしょうかw

面白かったのでちょっと長い前置きでしたが、事件の概要はわかりました。
なぜこんなことにおちいるのかといえば、
ゲーム製作の取り組み方が根本的に間違ってるからにほかなりません!

さあ、ここから本番の解決編です!!

▽解決編スタート!!


いきなり核心から。
「ゲーム作りのモチベーションが下がるのは、
当初の理想から各個人の才能の最大公約数にまで縮小してしまうため」
におこるどうしようもない現象です。

つまり絵にしろ、シナリオにしろ、プログラム、サウンド、
そういった本来理想としたゲーム像の枠と、
各個人の才能の枠が一致せず、実に無難な所に着地しないといけない、
それはパリ・ダカールを走れる車をもってして、
全員の協調を取るため3速ギヤで
オールラウンドを走りきらないといけないという
とんでもない苦痛です。
6速にギヤを上げれないのなら、
フルにやりたいことができないのなら
それは逃げますし、ケンカもします。
出来上がるゲームがたいして面白くないのも当然です。



▽「だから、管理して理想を大きくもたず、まずは小規模な作品でいけと?」


ノン ノン ノン。(* ̄ー ̄)ノ
小規模な作品は否定しませんが、
管理するとはまったく逆。
むしろ各個人ほったらかしで、好き放題に作ってもらいます!



▽「みんな勝手に好きな作業はじめたら、上の例であるように大混乱じゃないか!!
それじゃあゲームなんて作れるわけがない!!」



それができちゃうんですw
ほんの少し製作のルールをいじるだけで、
みんなが納得し、しかも数十倍面白いゲームが。



▽「そんな都合のいいルールがあったらとっくに採用されてるよ!」


まあ、このルールが発見されるためには
ちょっとインフラの整備が必要だったんでね。。。

では具体的に説明しましょう。
なぜ、モチベーションを下げずに、
ゲームを完成させることができるのか?


まず、各個人それぞれが最大限のスキルを発揮してもらう事を目標とします。
必然とそれは企画したゲームにそわないものとなるでしょう。
でもいいんです!!
グラフィッカー、プログラマー、シナリオライター、サウンドクリエーター、
彼らには自分のお気に入り作業で最大限の力をまず発揮してもらいましょう。

そして、ゲームにならないでも各個人で作品として完結するようにします。
グラフィッカーなら、絵の集合で一つのストーリーや作品となるように。
ただの立ち絵にも、背景や絡みキャラがいていいんです。
(ゲーム企画とはかけ離れていってもかまいません)

プログラマーなら、線や記号だけでも面白いゲーム(やエフェクト)になるように。
自分でてきとうな絵やシナリオ付け加えて小さな作品を完成してもいいでしょう。

シナリオライターなら、シナリオだけで完結するように。
絵がカバーするはずの丁寧な描写を書き込んでもOKです。

サウンドクリエーターもいわずもがな。
元々独立性が高いので、ガンガンやっちゃったらいいんです。

そして、
これらは、ブログやホームページなどで作ったそばから公開していきます!
ちゃんと読者、視聴者の反応を見るわけです。



▽「サウンドはともかく、勝手に作った物は同じゲームとしてくっつかないぞ。」


チッチッチッ (* ̄ー ̄)ノ
実はいるのですよ、この素材を見事にくっつけれる人材が。。。



▽「なにいってんだい、元の企画から外れてりゃプロにだって無理だよ」


例えば、YouTube。
ここで神と呼べるMAD、、2次創作作品を見た人は多いはずです。
いや、編集の達人といってもいい。
MAD作品の量からすると、この人材はいたるところに埋もれてます!



▽「素性も知らん奴なんぞ勝手につれてくるわけにはいかんぞ。
しかもゲームとは違うだろ!」



いたるところ。
というのは、つまりあなたのサークル、製作メンバーの誰かということですよ。
プログラマーか、グラフィッカーか、企画や進行係かもしれない。
そういった編集の達人が確実に埋もれてます!



▽「埋もれてたら、それなりの神作品がもっと出ててもおかしくないだろ!」


いやいや、これまではとてもじゃないがその達人が腕を振るう状況はなかった。
編集ディレクターというのは、素材が揃ってないと腕を発揮できない!!
締め切りギリギリまで素材が上がってこない同人では
編集する作業時間なんぞあるわけがないのです!!!



「な、、なんだってーーーー!!!」
(男塾ふうに)


だから素材が揃ってるYouTubeでは、腕が振るえても
同人となると、コミケ当日近くまで素材が出揃ってこない。
編集にこそ莫大な時間が必要というのは、
”エヴァンゲリオン”が通常アニメの5倍の編集時間を取ったという
予算と制作時間オーバーな無茶から理解できるかと思います!



▽「し、、しかし、素材や時間が取れたとして、シナリオと、
グラフィックの齟齬(そご)はどうするのだ?」



達人ともなれば、それを噛み合わせるのは造作もないこと。
シナリオや、グラフィックはそれだけで完結しているのです。
企画にあわせて1から作り上げていくより
完成品をそこに落とし込む方が楽なのは、
2次創作をなりわいとする、あなた達の方がよく理解してるはずだ!!!


「うぎゃあああああああ!!!」(やられたらしい)


要は、”何をメインとするか?”です。
シナリオをメインとするなら、グラフィックはあくまで添え物。
衣装をちょこちょこっと変えたり、
原画を切り貼りしたり、
あくまでイメージの補完ですから、”ぼかし”たっていいわけです。



▽「そ、それでは、グラフィッカーはだまってないぞ!!
勝手に人の絵を改ざんするとか!
ぼかしをいれて、せっかくの描き込みをダメにするなんて
許されるわけがない!!!」



ですから、
グラフィッカーは心ゆくまで、自分のブログなりで自分の作品を完結させます。
そこから、どう改変して組み合わせるかは全て編集ディレクターまかせ。
編集ディレクターは今ある素材から一番面白い組み合わせで
ゲームをくみ上げていくのです。

この場合、メインとなるのはシナリオとも限りません。
”一番完成度の高いパートがメインとなります”

例えば、グラフィックが一番完成度が高かった場合
もちろんグラフィックを最優先させ、
それにそって、シナリオに大幅な修正を加えます。
シナリオのネタや、セリフ、言い回し、
グラフィックに使える物は全て補完のためにごっそりいただきます。

プログラムが完成度高い場合。
まあ、これはノベルゲームじゃない場合でしょうが、
グラフィックやシナリオをゲームに合うよう落とし込みます。
デフォルメキャラのアニメーションパターンを膨大に作るというのは論外ですが
ゲームの面白さのキモはアニメーションパターンの量じゃありません。
必要最低限のグラフィックを落とし込み、
カット絵にたくさんの原画を流用し、
シナリオのおいしいとこをいただきます。

サウンドがいい場合。
もちろん音楽を前面にだします。
後ろに流れるのが絵と、シナリオと、プログラムによるエフェクトです。
サウンド編集を最優先させ
それを補完するために、絵とシナリオとプログラムを利用します。

これらのどれをメインに選ぶかは、編集するディレクター次第!!!
編集に莫大な時間がかかるとしたら、
コミケ2ヶ月前。少なくとも1ヶ月前には決定しないといけません。
クリエイターたちは、サークルのメイン素材の座をかけて
自分の能力の300%以上をかけて戦う、大激戦を繰り広げねばならんのです!!!



「そ、、それはまさに天下一武道会!!!」(そうか?)


そう、同じサークル内にいながら、「宿敵」と書いて”とも”と呼ぶのです!!!

これは、先の例であったハッスルの連鎖とも似ています。
それぞれが、毎日素材をアップし、ブログやホームページを更新する。
お客さんの反応もみながら、
お互いに刺激しあいながら、、、、

そう、、物づくりはおしゃべりで全員の妥協点を探すことではない!!
自分の最高の作品で語りあうべきなのだ!!!!


「ガーーーーーン!!!!!!」(くどいw)



さて、(とりあえずおちつけ)もう少し補足して
作品のアップは例えば自分のブログ以外に、
メンバー共有のホームページとかにも同時アップしたらいいでしょう。
そうすれば、ディレクターは早い段階で素材をいじり始めることができます。
もちろんディレクターも、いじって組み上げたのを毎日ネットにアップします。
(それは、メンバーパスワードでしか見れなくてもOKですし、
終盤さえみせなければ、開発途中まで公開してもOKです。)



▽「それでも作業の遅れが出た場合はどうする?」


確かに、、企画通りに作る物と比べて、
クリエーターがそれぞれ自分だけで完結する作業は
逆に作業量が多くなるかもしれません。
が、モチベーションの意味では多少量が増えたところで
結局好きなもの作ってる方が完成が早まるでしょう。

従来のシステムとこのシステムの差は
スランプと、スーパーモードぐらいの差がありますので、
作業量増加よりも充分なお釣りがきます。

そして、例えできあがらなくても、
それ以上プレッシャーをかけてもしょうがありません。
個人でできる最大限のことはしてるでしょうから
他人から無駄に思えても当人としては必要な作業でしょうし、
完結してなくても、ディレクターはそこで区切るべきです。

つまり、連載途中のマンガだとしても、コミケにあわせて
ディレクターが勝手に結末を作るわけです。
この責任は、完結できなかった素材クリエーター側にあるので
参加当初から納得してもらいます。
(それが嫌なら最初から間に合わせろとw)

もちろん、自分のブログで続ける作品に関しては納得のいく結末まで
続けたらいいのです。

ですから、シナリオが完結してなくても、グラフィックが揃ってなくても、
プログラムができあがってなくても、
コミケ2ヶ月前あたりからはもってる素材にメドをつけて、
編集作業にかかります。

ラスト一ヶ月は、完結できてなくてもディレクターの意向にそって
全員で編集作業を手伝います。
そこだけは、きちんと仲間としての責任を果たしましょう。
これまでのモチベーションが下がるやり方より
何十倍もいいものが出来るはずです。

もちろん、激しくも楽しいクリエイティブ競争で、
期限内に自分のパートを完結してれば、
編集作業も楽しく出来ますw



▽毎日が完成品という開発サイクル


さらに!
ネットにアップするからには、毎日区切りをつけるクセをつけときましょう。
週間マンガのように、引き、や、4コママンガのように1話完結とか、
毎日の小さな完成品を積み上げて大きくしていくほうが、
モチベーション的にも
経過を見てるお客さんとしても、
大規模創作としても、
経験を積み上げるうえでも、
非常に有効です。
そのうえ、編集ディレクターもすぐに仕事にとりかかれますし。



▽ネットワークシステムでは量が武器に変わる


もうひとつ!!!
何も、編集ディレクターが1人じゃなくてもいいわけです。
2人のディレクターがいれば、
1人はシナリオメインのゲーム編集。
1人はグラフィックメインのゲーム編集。
と、2バージョンあってもいいわけです。

さらに切りのいいところで、素材クリエーターが作業を終了し、
ラスト2ヶ月から編集ディレクターに転向してもいいわけです。

もちろん時間が取れたらの話ですが、
編集には膨大な時間と作業が付きまとうので、
最終的にはどちらか完成度の高い方に合流して、
もう一方はネット販売なり、次のコミケにまわすなりします。

これは、プログラマー、グラフィッカー、シナリオ、サウンドにもいえて
それぞれ複数いて、誰が主体でなくてもいいんです。
みんなそれぞれのブログで、
自分の作品を完成させることに目標を置いて
最終的にディレクターが、その素材の組み合わせをチョイスする。

だから、数がいればそれだけ豊富な素材を組み合わせることができます。
このシステムだと、何もしない奴、何も出来ない奴は、
自然と居場所がなくなります。
みんな自由に最大限の力を発揮しようとするのですから、
口を挟める場所がないのです。



▽頑張ってもネットワークにあまり入れなかった人は?


せっかく頑張ったけど、ディレクターにあまり素材を採用されなかった
という人も出てくるかもしれません。
それはそれで、自分の素材を主体に
仲間のシナリオ、グラフィック、プログラム、サウンドを貸してもらいましょう。

コミケ終了後は、CC(クリエイティブ・コモンズ) にのっとり
素材は全て著作者と、サークルの共有財産とします。
ですから、そこからは自分の素材を補完するために
他人の素材を採用して自分のブログの完成のために彩るのです。
これも、このシステムのルールの一つ。
もしや、その作品の方が大反響になるとも限りません。



▽実は管理がほとんどいらないシステム



このシステムなら、大人数でも
統括責任者や、進行係といったものは不要です。
サークルメンバーそれぞれの進行具合によって、
自動的に最適な場所へ人が集まり、
最適なプロジェクトが優先されます。

大サークルでも、
作品規模と人数が自動的に最適化されるでしょう。
形式上で、メインの編集ディレクターが代表で構わないと思います。



▽かつてないアマチュアパワーの時代へ!


さあ、君達の扉はこれで大きく開かれました。
同人から市販品をゆるがす大反響を起こしたのは近くでは
「月姫」と「ひぐらし」だけです。(実はあんまりしらないw)

しかし、クリエイターの卵である莫大な同人人口で
眠ってる才能がそれだけのはずはありません。
これまでのシステムでは、
モチベーション低下によって才能が殺されてたのです。
才能をつぶされず1%を切る小数点の可能性で突破できたのが
「月姫」と「ひぐらし」。

このブログエントリーで門は大きく開かれたのです。
みんなの眠ってる才能を満開に咲かせてください!!!



足りないと思うルールはさらに補完してみてね(〃 ̄▽ ̄〃)
でも、逆行はしないように。
このシステムの元の背景哲学はGoogleのソフト開発手法なのだよ。



「グーグルというのはどんな会社かね?」「はい、わが社と違って賢いプロジェクトが選ばれる会社でございます。」 - あるSEとゲーマーの四方山話


どんな企業でも Web2.0化して利益を倍増させるコロンブスの卵が発見された!! - あるSEとゲーマーの四方山話
ルールに修正加えるなら、ここらへんの哲学理解しといたほうがよろしい。



▽「もしうまくいったら?」という補足。



上の例では出てこなかったんだけど、
こういうのうまくいったとしたら、次に出てくる問題は
お金の件。
だとおもうんだよね。

今までは打上げ飲み会で清算されてたけど、
意外と儲かった場合、、、
これがイザコザの原因ともなりかねない。
サークルのルールがあるんだろうから、
まあ横からあえていうことないかもしれんけど、
一応ね。



▽貢献度の評価に明確な物差しはない!


いわゆる、「誰がどこまで貢献したのか、どうやって計るのか?」
実はこれに明確な基準はないんだ。

メイン素材が偉いのか、
編集した奴が偉いのか、
長く頑張った奴が偉いのか、
共有ネットワークの中で些細な発言が全ての解決となったのか、
どこまで素材が使われて、
誰が一番、雑務をこなしたのか、、
どの物差しを使っても、公平にはならない。



▽例えば「年功序列」と「多用な報酬制度」


この辺、例えば任天堂や、未来工業なんかでは「年功序列」を貫いてる。
人間は他人のことは見えないので、どこまでも給料には不満が出てしまう。
だから社員には最高の環境と自由な発想で
クリエイティブの場を与えることによって、
精神的な満足を計り、
賃金のルールは年功序列だけで決める。
製品はクリエーター、営業、サポートセンター、社長や工場の人達
誰が欠けても成り立たなかった。
だから、誰かを「ヒーロー」に祭り上げるということはしないんだそうだ。
(宮本茂だけは対外的な顔として例外か?w)

もひとつ、未来工業とGoogleには、さまざまなインセンティブ(報酬)制度がある。
海外社員旅行、無料食堂、アイディアボーナス、クリエーターランキング、
社内グッズ、特典休暇、超福利厚生、、あまり詳しくはないが
なにかするたびに、何かもらえるぐらいたくさんの給料とは違う報酬がある。

グーグラーに言わせると、「ここまでしてもらったら、会社に恩返しせずにはいられない」
ほどらしい。



▽サークルで意外と儲かった場合



で、サークルの場合は
やはり均等に割りカンとする。
ディレクターもサウンドも関係なく。
作品に素材か編集で少しでも関わったら、権利があるわけ。
素材クリエーターは、自分のブログで作品を完結させるわけだから
そこにアフィリエイトもつけたらいい。
自分が使った道具や資料とかも解説して、アマゾンアフィリエイト経由で紹介だ。

僕が思わずクリックしたくなるアフィリエイト広告 - あるSEとゲーマーの四方山話
アフィリエイト参考記事はこちら。ブログ立ち上げたら読んでみて。



▽完成したときの本当の報酬


少しでも関わったらといったが、
ほんとにちょっとだけであれば自ら辞退する謙虚さはもとう。
権利はあっても、それで仲間の雰囲気壊しちゃだいなし。

それにはまず製作初めに
「一番の報酬は、自分達のスキルを上げられること!」
これを全員で認識するところからはじめる。
(それこそお金には変えられないうえ、お金を産み出す元だから
この経験の積み重ねこそが後の何百万、何千万を産み出すのさ)



▽お金とは別の形での還元


さらに、配分する報酬は利益の30%から分割とする。
この成功は次回作へつなげるステップでもあるから
もう30%は次回作へのサークル費用にあてる。
残り40%は、みんなの道具を買う。

クリエイティブする道具は一流の物を使うべきだ!
0.1秒の作業短縮に5万つぎ込んだって高くない。

というのも、質の高いクリエイティブには
膨大な量のトライアンドエラーが必要になる。
その量をこなすためにはスピードが必要なのだ。
0.1秒の積み重ねが5年10年と成長加速スピードに差が出てくる。

だから道具は最高の物を使うべきだし、
常に最速で量をこなせるよう工夫していくべきだ。

高解像度のモニター
打ちやすいキーボード、
インテュオスタブレット、
機能と使いやすさが両立したソフト、
紙、
ペン、
ADSLでもスピードがでない環境改善、
サークルの室内環境、
イス、
机、
こだわればどこまでも出てくるはず。

貧乏な仲間がいるだろう?(失礼なw)
そのうち、とんでもない効率の悪い道具を使ってる人から順に
儲かった費用で新しい道具をプレゼントしよう。
選ぶ基準は「安い費用で効果の高い改善道具」だ。
そうやってサークルの限界をどんどん超えていく。

特にプレゼントをする必要のない人は、
現金報酬にちょっとだけイロをつけるとか、
それでバランスを取ったらいい。



▽高い買い物もちょっとまった!


ただし!
ローンとか借金での道具購入はだめだ!
その利息はたいてい自分の成長速度より速い。
あくまで出来る範囲で購入する、
古い道具でも 使い方を工夫すれば かなり速度を改善できる。

その上で、時間はお金より大切なのだから
(いつ死ぬか誰もわからんよw)
余裕のあるお金は全て未来の時間を買う道具につぎ込もう。

とまあ、ここらへんは参考意見ね。


同人の話はここで終わりなのだが、
実はこの話、
むしろ本職のゲームメーカーのほうが当てはまるんじゃないかと思う。



▽ゲームメーカーこそ、自社内でくすぶってる才能の発掘を!


なにせ社内にあれだけのクリエーターを抱えてながら、
みんなそれぞれのやりたいことを我慢したまま、
一所懸命作品に個性を投影させてるわけだ。

社内でもクリエーターの赴くまま
ガンガン高級な素材を溜めてもらって、
それをディレクターが組み合わせたらいいんじゃないだろうか?

これは想像でしかないが、
企画が通って、それを社内クリエーターに素材依頼をしても
必ず「斜め上」をいったものが返ってくるでしょ?
自分が想像したものと一致するのが返ってくるのは100回に1回ぐらい。

続編であれば、すでにイメージ共有ができてるから
そんなずれもないのだが、
新規の企画は誰もイメージ共有できてないから、
思ったとおりの絵やシナリオが上がってくるのに
ずいぶん苦労するはず。

であるなら、
最初から、クリエーターには好きなもの作らせといて
社内に高級な素材を溜めて、
それを後から、「もう少しこういう風に加工して欲しい」と組み合わせたり
自分でいじってみたりするほうが、なにかと手っ取り早く、
しかもたくさんの組み合わせやアイディアを試せるのではないだろうか?



▽例えばGoogleLabという実験作品群


社内のそれも、クリエーター1人で完結するものを作らせといて、
会社のホームページ素材として使ったり
Googleラボのように、実験作としてユーザーの反応を見てみる。
確実に反応があるところから、優先してゲームにディレクションしていけば
もうゲーム販売は博打商売じゃなくなる。
続編ばっかりで縮小再生産しなくてもいいわけ。

ゲームの開発は1年以上かかるし、かといって
お金のかかるゲーム開発をあれこれ乱発するわけにもいかない。
そういうシステムだと社内で自分のやりたいことができずに
くすぶってるクリエーターは相当多いと思うよ。



▽やりたい放題に見えるFinalFantasy7


その例で言えば
ファイナルファンタジー7 なんかは、
相当クリエーターがやりたい放題の感じを受けた。

あの時は3DRPGの文法がまるでなかったので
模索しながらも、みんなが好きなだけ新しい技術と演出を
青天井で突き詰めたようにみえる。
だからあれだけツギハギなRPGでも、
メチャクチャパワーがあった。
(もちろんそれをよくまとめてるよFF7はw)

CG部門も、ミニゲームも、キャラデザインも、シナリオも、イベントも、BGMも
各パートの担当者は楽しかったと思う。
(整合性とるのはきつかったともおもうw)

そういう、、企画や、締め切りの枠から逸脱した開発も
ありだと思うんですけどねえ。
(FFが締め切り守ってないとはいわない)


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  3. |2007/03/26
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コメント

<hamasta> 

FF7、懐かしいいい、、、
あれのおかげでゲームの世界から現実に帰りました。
スクウェアさんありがとうってなもんです。
エアリス殺しやがってちくしょー

、、、はっ、取り乱してしまった。

にしてもこのエントリ、かなりの大作ですね。
書くのに2時間以上はかかっているような?


  1. #Zu6GYWc2
  2. [編集] |
  3. 2007/05/02

<てるやん> 

時間はもっとかかりましたw

ほんと、手法やシステムを追求していくと哲学にまで発展します。
一流のスポーツ選手、クリエーター、経営者はみんな哲学者ですからね。
  1. #XCrtMn7Q
  2. [編集] |
  3. 2007/05/03
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心の琴線にふれる記事というもの

心の琴線にふれる記事というものがあるようだ。つか、なんか知らないが、サカナ本家のノウハウコーナーのサークル運営管理の記事があちこちの人の心の琴線をかきならしている模様であります。もともとあの記事はNScripter本の没記事なんすな。(だからたまみのぞみなんす)
  1. 2007/05/16|
  2. サカナ・ノベル分室

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