大内伸哉『労働時間制度改革』
大内伸哉さんから新著『労働時間制度改革』(中央経済社)をお送りいただきました。毎度ですがありがとうございます。
感情論が先行しがちなホワイトカラー・エグゼンプション導入の是非。三六協定や割増賃金ではなぜだめか、という複雑な現行制度の問題点からわかりやすく説き起こします。
大内さんとは意見が合うところと合わないところがありますが、労働時間法制についてはおおむね似たようなご意見の持ち主だと感じています。
それは、労働時間規制としては、普通の労働者のための絶対的上限規制ないしインターバル規制こそが必要で、割増賃金ばかりで規制するのはよくないというところです。
本書は、そもそも労働時間規制とは?というところから説き起こして、日本の労働時間規制は労働者の健康保護に役立ってきたのだろうか?(いうまでもなく反語)、欧米の労働時間規制はどうなっているのか、日本の労働時間規制のどこに問題があるのかを、わかりやすく解き明かしていきます。
私の『新しい労働社会』では第1章の半分くらいでそそくさと論じたテーマを、じっくり一冊をかけて論じている本で、文章も読みやすく、時宜にも適している本です。
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