やっと出た『労働経済白書』
諸般の事情で発表が遅れていた『労働経済白書』が、本日ようやく発表されました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000iqmv.html
ここ数年、経済財政白書の発表にぶつけて、「経財白書VS労働白書」で話題をつくるというのが定着しかかっていたのですが、今年はかなりずれてしまいました。
石水さんの白書執筆もこれで5冊目ですが、今回の異動でも動かなかったので、来年は前人未踏の6冊目でしょうか?
今年は、第2章が「産業社会の変化と勤労者生活」、第3章が「雇用・賃金の動向と勤労者生活」。前者が競争力を備えた産業構造と労働生産性向上の関係を分析しているのに対し、後者では非正規雇用の増加と賃金格差の拡大について分析するという構図になっています。
とりわけ第3章における次のような記述は、石水さんの基本的な考え方が非常に明確に打ち出されています。(「概要」よりコピペ)
>○規格化された商品を大量に生産し、流通させ、消費することが「豊か」であると感じられた「工業化」の時代が過ぎ、現代産業社会は、「ポスト工業化」の時代を進んでいる。
>○人的能力の形成は一朝一夕にはできない。企業の人事方針も「即戦力志向」から「じっくり育成型」へシフトしてきており、能力評価システムについても、長期雇用慣行を基本に、個々の労働者の取組を適正に評価できるよう設計することが目指されている。
>○日本型雇用システムには、知識や技能の継承、人材育成などのメリットがあるが、これらはポスト工業社会の人事・労務施策として有効なものであると言える。
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