4月が始まり日本各地では新年度、新学期がスタートした。投信業界でも4月1日に住信アセットマネジメントと中央三井アセットマネジメントが合併し、新会社の三井住友トラスト・アセットマネジメントが誕生した。
名称変更とともに信託報酬を引き下げたSTAMシリーズ
新会社が設立されただけでは正直、投資家にとってはあまり関係ないが、低コストのインデックスファンドとして人気が高かったSTAMシリーズ(住信アセットマネジメント)とCMAMシリーズ(中央三井アセットマネジメント)がそれぞれSTAM(スタム)→SMT(スマート)、CMAM→インデックスe(CMAMの名称が削除)に名称を変更。さらにSMTは4月20日付で信託報酬を引き下げると発表した。投資家にとってはビッグニュースといわねばなるまい。
旧STAMシリーズは2010年7月にも8ファンドの信託報酬を引き下げており、今回の引き下げは2回目となる。SMT各ファンドの引き下げ後の信託報酬と、旧STAMとインデックスファンドの双璧だったeMAXIS(三菱UFJ投信)との比較は下表のとおり。
上表をみると2つのことに気が付く。ひとつはインデックスe(旧CMAM)の4ファンドと同じ資産クラスのSMTの信託報酬が同じになったこと。ふたつめはeMAXISに比べてSMT各ファンドの信託報酬は同じかそれ以下になったことである。
信託報酬は積み立て投資の場合に重要なポイントとなる
インデックスファンドを毎月積み立てる場合、信託報酬が資産残高に大きな影響を与えることから、「少しでも信託報酬が低い」がファンド選びの重要なポイントとなっている。
ちなみに、これから「TOPIXのインデックスファンドを買おう」という場合、信託報酬の低さならSMTかインデックスeとなるが、解約時にかかる手数料「信託財産留保額」はインデックスeが0%。その点ではインデックスeに軍配が上がる。
SMTシリーズは、SBI証券、マネックス証券、楽天証券、カブドットコム証券、SMBC日興証券などで取扱いしている。もちろん毎月の積み立ても可能。将来の資産作りとして、この機会に少額から始めてみるのもいいだろう。
三井住友トラスト・アセットマネジメントでは前出以外にも「ネット証券専用ファンドシリーズ アジア新興国株式インデックス」の信託報酬を0.6825%から0.63%に、「世界経済インデックスファンド」も0.63%から0.525%に引き下げている。
インデックスファンドは個人投資家の関心が高い商品。eMAXISを組成している三菱UFJ投信はブロガーミーティングを開くなど個人投資家の意見を取り入れることに積極的なことで知られている。これからもさらなる信託報酬の引き下げ合戦があるのか、また同じ運用会社のSMTとeの「ファンドの統合」などもあるのか、今後に注目していきたい。
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