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乙女の部屋の守り手
2006/11/22 20:43:10 | 大航海時代の日記 | コメント:0件





乙女の部屋の守り手・・・
なんだかいい響きに思えるのは、僕もおじさんになってきたから?


さて、マルセイユ発「乙女の部屋の守り手」をやってまいりました。
本当は、違うクエストを探していたのですが、出てしまったものはしかたありませんw
このクエスト、ずっと前に何度か出たことがあったのですが、
その当時は、どれだけ頑張ってブーストしても宗教学が足りなくて、放置してきました。



このクエストをやってみて思ったことは、このゲームにはめずらしく掘り下げが殆どないこと。
そして、かなり脚色がなされていること。

確かに、アクロポリスのパルテノン神殿の内室には、鎧をまとったアテナ立像が安置されていました。
アテナ立像は高さが約10mほどあり、顔は象牙、鎧や兜は黄金でできていたといわれています。
その他にもパルテノン神殿に当初から安置されていた木製のアテナ像と、
アテナ・プロマコスの青銅像があったとされます。

ギリシャは、ローマ帝国が東西に分裂したあと、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)に属します。
この東ローマ帝国時代に、象牙と黄金のアテナ立像とアテナ・プロマコスの青銅像は、
コンスタンティノポリス(オスマン帝国後のイスタンブール)に移されます。

東ローマ帝国時代のギリシャは、東ローマ帝国に支配されていたわけではないので、
決してアテナ像は略奪されてしまったわけではありません。

その後、象牙と黄金のアテナ立像は、コンスタンティノポリスで火災に遭い消失してしまい、
アテナ・プロマコスの青銅像は、1204年の第四次十字軍がコンスタンティノポリスを占領した際、
破壊されてしまったといわれています。
ただし、象牙と黄金のアテナ立像は、紀元後3世紀頃ヘルリ人によるアテネ襲撃で、
略奪されたという説もあります。

コーエーさんは、この略奪による消失を、違う解釈で展開したのだと思います。
それはそれでいいですよ。楽しめますから^^


情報の中で、「現在はパルテノン神殿がモスクになっている」となっていることでもわかるように、
14世紀以降、オスマン帝国が勢力を伸ばし、15世紀末以後400年近く
ギリシャはオスマン帝国の統治下となります。
ゲームのことなので、どうでもよいことですが、
大雑把に言って、大航海時代が15世紀~17世紀(1400年~1600年)だとすると、
実はこの時代、アテネの街はオスマン帝国の統治下なんですよね・・・。



さて、掘り下げが足りないと思うことの一つに、
アクロポリス(パルテノン神殿)が出てこないことがあります。
遺跡も発見物もありませんし、寂しいかぎりです・・・。

それはさておき、このパルテノンという意味は、ギリシャ語で「処女・若い女性・未婚女性」です。
パルテノン神殿は、処女神アテナを祀っていることから名づけられたと言われています。
また、アテナ立像の安置された内室の壁を挟んだ反対側には、
「パルテノン(処女)の間」という部屋があり、
パルテノン神殿の名はこの部屋から由来しているという説もあります。
クエスト名はここからきているのでしょうか?

この処女神アテナですが、実は子供がいることをご存知でしょうか?
 アテナが炎と鍛冶の神ヘパイストスのもとへ武器を買いに行ったときのことです。
 ヘパイストスは、妻であるアフロディーテが、軍神アレスと不倫をしていることを知り、
 落胆していました。
 そこに妻に負けずとも劣らない、美しいアテナが訪ねてきたのです。
 ヘパイストスは、アテナの美しさに惹かれ、襲いかかります。
 処女神であるアテナは、ヘパイストスから逃げ出します。
 ヘパイストスは体の不自由な神ですから、俊敏なアテナにかなうはずもありません。
 そこでヘパイストスは先回りをしてアテナに追いつき、アテナに再度襲いかかります。
 このとき、ヘパイストスはアテナの足に射精してしまい、アテナはその隙に逃げ出します。
 何とか逃げきったアテナは、その場に落ちていた羊皮で、汚れた部分を丁寧に拭きとり、
 地面に投げ捨てます。
 すると、その地面が盛り上がり、そこからエレクトニオスが生まれました。
 エレクトニオスは、体の不自由なヘパイストスの精を受けた子であったため、
 下半身が蛇だったといわれています。
 エレクトニオスは、望んでもいないヘパイストスとの子供でしたが、
 アテナは大切に育て、エリクトニオスは成人後アテナイの王になりました。



アテナは、アテナイの街を守る軍神として、パルテノン神殿に祀られていますが、
同じ軍神として、軍神アレスと比較されることがあります。
防衛を目的とした戦いの神アテナと、城壁の破壊者とも言われる好戦的なアレス。
対照的な軍神とされます。

上でも触れていますが、アテナとヘパイストスの間に子供が産まれ、
ヘパイストスの妻アフロディーテとアレスの間にも、フォボスやデイモスという子供が産まれます。
ここでも、直接的ではないにしろ、アテナとアレスは交錯します・・・。

余談ですが、「論戦」では、アテナ像とアレス像でコンボが発生します。



ギリシャの神々は、勉強していくと驚くようなことがたくさん出てきます。
姉妹兄弟が交わり、子を産み、また交わるような、現代の倫理観では量れないものがあります。
アテナは、ゼウスとゼウスの最初の妻であったメティスとの子供ですし、
アレスは、ゼウスと正妻ヘラとの子供です。
もっと言うなら、ヘパイストスも、ゼウスとヘラの子供です。


長文になってしまいました・・・。ごめんなさい・・・。
今日はここまで~^^

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