朝日社説 漢字検定協会―まさか「私益法人」では : asahi.com(朝日新聞社):社説

 それにしても、どうしてこんなことがまかり通ってきたのか。元文化庁長官ら識者の名前が並ぶ理事や評議員はこの実態を承知していたのだろうか。もっと気になるのは文科省の姿勢だ。公益法人の監督については毎年提出される事業計画や事業報告で精査しているうえ、通常、3年に1回程度は立ち入り検査をしているという。

 知っていたのではないかな、たぶん。
 余談だが先日漢字検定の教科書を見たけど、なかなか優れているなと思った。これで上級をパスでできる人はかなりの教養人としか思えないな、俺にはかなわんと思った。

 パソコン全盛の時代に漢字の読み書き能力向上に果たした協会の役割は小さくない。たまにペンをとると驚くほど漢字を書けなくなっていることに気づく人も多かろう。
 漢字は日本文化の大切な土台だ。協会は身ぎれいになって出直す時だ。

 楷書というのは普通の人が手書きする文字ではないんですよ。あれは一種のプリンティングというか官吏の技能。日本では寺子屋で最初から書き文字は草書だった。だいたいが、ひらがなというのは草書なんですよ。草書が廃れたとき、漢字の文化は半分終わった。

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漢字と日本人 (文春新書): 高島 俊男
 森鴎外と森鷗外、書くときはどっちでもよいこと。
 略字を常用漢字という一種の正字にしたのもしかたがない。