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    青い文学シリーズ 第10話 「走れメロス 後編」 感想

    ★★★★★★★★★★(10:素晴らしい!)

    走れメロス (新潮文庫)走れメロス・おしゃれ童子 (集英社文庫)
    「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。
    間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。
    私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。」

    (太宰治:「走れメロス」より)

    メチャクチャ良かったです。脚本、演出、作画、声優さんの演技、
    どれを取っても文句なしに素晴らしかったなあ。感動した。

    内容的には、劇作家の主人公高田が、
    親友に裏切られた過去の経験に苦しめられつつも
    「走れメロス」の台本を書き上げるという話なのですが
    原稿書いている机の上でメロスが盗賊と大立ち回りしたり
    高田自身が語り部や客として劇中劇に登場したりと
    現代と過去、劇中劇と妄想願望を交錯させながら観せていく
    構成、演出が実にダイナミックで引き込まれます。
    話の内容は原作と全く違うのに、
    原作を読んだ時と同じような力強さと疾走感を感じました。

    そして、ディオニス王と同じように一度はメロスを
    嘘吐きと罵倒した高田が、親友の窮地の為に
    劇中のメロスとシンクロしながら走りだすシーンは美しくも感動的。
    「待つ方がつらいか、待たせる方がつらいか」という
    先週からの問いかけに対して、
    新たな切り口で締めるラストの余韻も心地よかった。

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    by たかはら  at 19:50 |  .2009年冬終了アニメ 青い文学シリーズ |  comment (0)  |  trackback (4)  |  page top ↑

    青い文学シリーズ 第9話 「走れメロス 前編」 感想

    ★★★★★★★★☆☆(8)

    走れメロス (新潮文庫)走れメロス・おしゃれ童子 (集英社文庫)
    「待つ方がつらいかね。待たせる方がつらいかね。」
    今回は許斐剛先生キャラ原案で描く太宰治の「走れメロス」。

    熱血とか友情物に弱い私は勿論この作品が大好きで、
    スタッフがどう料理してくるのか楽しみにしていたのですが、
    過去の事件で友情を信じられなくなった劇作家の描く
    劇中劇として登場する構成に。
    ダイジェスト形式になっているのはあれだけど
    芝居がかった原作の台詞をそのまま使っても
    違和感無いような仕掛けになっていたのは良かったなー。

    高田の物語は原作のように
    友情をテーマにした物になっているようだが、
    高田の立場が「待つ方」になっているのがポイントなのだろうか。
    劇中劇のメロスと高田の話がどういう風に
    シンクロしていくのかに注目したい。

    あと、映像的には許斐剛キャラ原案といいつつも、
    「魍魎の匣」の関口と榎木津の絵に近いように感じた。
    ほのかに漂うBLテイストは許斐ワールドだったけども。

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    by たかはら  at 09:30 |  .2009年冬終了アニメ 青い文学シリーズ |  comment (0)  |  trackback (1)  |  page top ↑

    「青い文学」シリーズ1時間SP 「こころ×DEATH NOTE」 感想

    ★★★★☆☆☆☆☆☆(4)

    こころ (集英社文庫) こゝろ (角川文庫)
    むーん・・流石にこれを2話でやるのは無理があったんじゃないかな。
    今週は1時間SPという事で、夏目漱石の代表作「こころ」を先生視点で
    描いた「こころ 夏」と原作に無いK視点で描いた「こころ 冬」の二本立て。

    視点を変えて見せるやり方自体は悪くないと思んですけどね。
    最初Kの体が異様にデカ過ぎるだろうとビックリしたけど
    あれは先生がKに対して抱える劣等感故にそう見えているという事ですよね。
    あと雨の坂道をすれ違うシーンでのお互いの見え方の違い等
    アニメという媒体を生かして映像で色々表現しようと
    しているように感じられたのは良かったと思います。
    ただ展開が速すぎて話その物が薄味になっている感は否めなかったかな。

    あとご存知の通り「こころ」は上中下の三部より成り立っているのですが
    アニメの方は下に当たる「先生と遺書」の一部分だけを抜き出しているので
    見終わった後の印象が小説とかなり違っていて戸惑った。
    お嬢さんが実はKの方に惚れていたり、Kの自殺の理由が失恋の為といった
    原作には描かれていない描写は、独自の新解釈というよりは
    あの時間内でまとめる為の苦肉の策に思えたんだが実際はどうなんだろう。

    ちなみに題名が「こころ×DEATH NOTE」となっていますが、
    内容と全然関係ない「DEATH NOTE」の名前を使う意味がわかりません。
    「こころ×小畑健」でいいじゃない。

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    by たかはら  at 00:44 |  .2009年冬終了アニメ 青い文学シリーズ |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑

    青い文学シリーズ「桜の森の満開の下」 第1話 感想

    ★★★★★★★★☆☆(8)

    桜の森の満開の下 (ビッグコミックススペシャル) 堕落論 (集英社文庫)
    文字通りの水樹奈々オンステージに吹いたわ(笑)
    青い文学シリーズ第2弾は久保帯人キャラ原案で「桜の森の満開の下」

    監督他スタッフも別なので当然といえば当然なのだが
    「人間失格」とは全く違った雰囲気になってるのにまずは驚いた。
    映像的には流石マッドハウスという感じで圧巻だったのだが
    ジャジーなOPにしゃべるイノシシ、ipod聞いてガムを噛む山賊に
    SDキャラを使ったコメディ演出等、色々とやりたい放題な内容だったなあ。
    未読の私が見ても明らかに原作から逸脱してるだろという
    シーンもいくつかあったのだが、これはキャラデザだけでなく
    作風も久保帯人コラボレーションということなのだろうか。
    いや、個人的にはとても楽しかったし、
    こういうのどんどんやって欲しいと思うんだけど
    原作イメージと掛け離れすぎと拒否感示す人も多そうだ。

    堺雅人さんの声はまだ葉三のイメージが残ってるので
    どうしても線が細く感じてしまったのだが
    後半の彰子の美しさに狂わされていく所とかは良い感じだった。
    あと水樹奈々のドSな演技はその筋の人にはたまらん内容だったと思う。

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    by たかはら  at 13:32 |  .2009年冬終了アニメ 青い文学シリーズ |  comment (0)  |  trackback (1)  |  page top ↑

    青い文学シリーズ 第3話 人間失格 「世間」 感想

    ★★★★★★★★☆☆(8)

    人間失格 (集英社文庫) こころ (集英社文庫)
    「どうして世の女性たちはみんな僕に優しいんでしょうか」
    ※ただしイケメンに限る

    仮面を被らずには他者と接することができない自己の在り方とか
    「世間」との間に埋められない隔絶を感じるくせに
    それでも人間に依存せずにはいられない不器用な生き方であるとか、
    人間誰しもが普遍的に持っている弱い部分や鬱屈した感情を
    実直に描いている所が、この作品が世代を越えて
    読まれ続けている理由なんだろうなあと思うものの
    ギャルゲの主人公ばりに会う女会う女、フラグを
    立てまくってる葉蔵にいまいち共感しきれないのが悲しい(笑)

    と、まあ個人的なやっかみは置いといて
    今週は能登さん演じるタバコ屋の娘さんと
    雪の中で出会うシーンがとても美しくて印象に残ったなあ。

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    青い文学シリーズ 第1話 人間失格 「鎌倉心中」 感想

    ★★★★★★★★☆☆(8:期待!)

    人間失格 (集英社文庫) こころ (集英社文庫)
    「恥の多い生涯を送って来ました――。」
    2009年秋アニメ第9弾は「青い文学シリーズ」
    文豪の名作を人気漫画家によるキャラデザでアニメ化するという企画で
    第一弾は太宰治の「人間失格」を小畑健のキャラデザ、
    制作:マッドハウス、監督:浅香守生の布陣で挑む模様。

    ちなみに原作小説は中学生の頃に一読した記憶はあるものの
    殆ど詳細を覚えていないので、まっさらな状態で視聴。
    1話は反社会的活動に身を寄せる葉蔵が逃亡の果てに
    女中と出会い心中を図るも自分だけ生き残ってしまう所まで。
    原作では先に子供時代の話があったような気がしたが
    この辺は構成を入れ替えているのかな。

    全体的なイメージとしては冒頭の真っ赤な空や、
    入水自殺時の青など、鮮やかな色使いながら
    どこか退廃的で毒々しい雰囲気を醸し出していたのが印象的。
    小畑健×マッドハウスという事で「DEATHNOTE」を思い出しがちだが
    どちらかというと「魍魎の匣」の方が近いかも。
    その他、人物の書き込みや演技等も申し分なく
    アニメーションのクオリティはかなり高かったなあ。
    ナビゲーター&主役の堺雅人さんの声も違和感無く受け入れられました。

    原作小説の表紙を小畑先生が描いてバカ売れした時は
    人気漫画家の絵で釣るようなやり方が批判される事もあったが
    このアニメを見る限り、そういったミーハー的な思惑やあざとさは無く、
    名作文学に真摯に挑もうとしている姿勢が感じられた気がする。

    今後は以下のようなスケジュールで放送されていく模様。
    どの作品もあまり映像化が想像つかないので興味深い。
    しかし流石に荒木先生の「伊豆の踊り子」は無理だったか(笑)
    太宰治  「人間失格」× 小畑健 / 第1話~第4話
    坂口安吾 「桜の森の満開の下で」× 久保帯人 / 第5話~第6話
    夏目漱石 「こころ」× 小畑健 / 第7話~第8話
    太宰治  「走れメロス」× 許斐剛 / 第9話~第10話
    芥川龍之介「蜘蛛の糸」× 久保帯人 / 第11話
    芥川龍之介「地獄変」× 久保帯人 / 第12話


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    by たかはら  at 11:18 |  .2009年冬終了アニメ 青い文学シリーズ |  comment (0)  |  trackback (11)  |  page top ↑
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