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ビル・ゲイツのインタビューを取り上げてみる(2) - 中国・インドについて

学生を不安にさせたビル・ゲイツ氏のコメント

(中国・インドとの競争激化について)「この現象がゼロサムゲームと捉えられていることに少し怖さを感じる。これは一方が勝ち、もう一方が負ける戦いではない。中国とインドはこれから先、大きな変革を起こす動力源となる。われわれがそれを受け入れ、その状況における自分たちの新しい役割を理解することで、道は開けていく」


全くそうだね。中国やインドの台頭はゼロサムゲームじゃない。中国とインドは将来にわたって世界に対し膨大な付加価値を創出していくはずだ。
生物学や遺伝子工学、ナノテクなどの21世紀に重要になる産業において、これら2つの国はこれらの発展に大きく貢献してくれると思う。
それは先進国の人間も含め、全ての人に恩恵をもたらすはずだ。
そのことを考えれば、先進国の中流階級の所得水準の低下なんて、世界にとっても当事者(先進国の中流階級)にとっても取るに足らない問題のはずだ。

コンピュータサイエンスと生物学を二重専攻すれば、将来的に素晴らしいキャリアが約束されるとも同氏は強調した。


コンピューターサイエンスもそうだ。コンピューター関連の部品もムーアの法則に従って急速に高性能化、低価格化している。光ファイバー、無線LANなどネットワーク周りで重要な物についてもそうだ。地球全土にコンピューターネットワークが張り巡らされるのも時間の問題だ。
繰り返しになるけど、21世紀において重要な産業は例えば、生物学、遺伝子工学、ナノテクに関連したものだ。他にも宇宙関連もそうだと思う。
そういう意味では、ビル・ゲイツのいう「コンピューターサイエンスと生物学」の二重専攻というのは結構賢い選択だと思うよ。


学生を不安にさせたビル・ゲイツ氏のコメント
ゲイツ氏がカルフォルニア大学で行った定期講演は、国外アウトソーシングや中国・インドのエンジニアの増加といった就職口に関する学生たちの懸念を解消しなかったようだ。(IDG)

 「コンピュータサイエンスを専攻して道を誤ることはない」――米Microsoftの会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏は10月1日、カルフォルニア大学バークレー校の学生を前にこう語った。だが、就職口をめぐる中国、インドとの競争激化についての同氏の答えには、満足のいかない学生もいたようだ。

 ゲイツ氏は次のように説明した。「この現象がゼロサムゲームと捉えられていることに少し怖さを感じる。これは一方が勝ち、もう一方が負ける戦いではない。中国とインドはこれから先、大きな変革を起こす動力源となる。われわれがそれを受け入れ、その状況における自分たちの新しい役割を理解することで、道は開けていく」

 しかしゲイツ氏が定期的に大学で講演を行うのは、コンピュータサイエンスという分野を“伝道”するためだが、これに対し一部の学生は、中国やインドなど労働賃金の安い国へのアウトソーシングやこれら国々のエンジニアが増えていることへの懸念に、ゲイツ氏は応えてくれなかったと感じたようだ。

 同校で電気工学とコンピュータサイエンスを専攻するアナトリ・スモルキン君は、「ゲイツ氏は巧みに言い抜けた感じだ。一企業の会長として、従業員をどこから雇用するのか気にならないのだろうか?」。インドや中国との競争の末、就職口は海外に移動し、コンピュータサイエンティストやエンジニアの収入は低下するだろうとスモルキ君は言い添えた。

 別の学生、アリ・エル-アナン君は、ゲイツ氏のコメントを聞いて少し不安を感じたと言う。「ちょっと驚いた。こちら(米国)の雇用を維持したまま、向こうで雇用を創出することなど無理だ。学生の間ではかなりの懸念を呼んでいる」

 ゲイツ氏は、米国政府は保護主義政策ではなく「メリット」で中国とインドに対抗すべきだと語った。この競争において大学が果たす役割は大きく、また大学への助成金は保護されるべきだという。「(Microsoftを)革新の中心に据えてくれているのは、まさに大学機構であると強く信じている」(ゲイツ氏)

 ゲイツ氏は壇上で、カリフォルニア大学工学部長のリチャード・ニュートン氏から質問を受けるとともに、学生からの質問にも答えた。コンピュータサイエンスについては、まだ多くの課題が残されていると語った。コンピュータサイエンスと生物学を二重専攻すれば、将来的に素晴らしいキャリアが約束されるとも同氏は強調した。

 「今日のPCを見ると、『使い勝手』という点ではまだコップ半分程度しか達成されていない」と同氏。ストレージと音声の統合技術など、データ保管とユーザーインタフェースが進歩すれば、PCは将来もっと改善されるという。人工知能とグラフィックスも革新における重要な分野だと同氏は加えた。

 将来展望として、ゲイツ氏は生物学をコンピュータサイエンスと「姉妹関係のサイエンス」と見据えている。「多くのブレークスルーは、生物学とコンピュータサイエンスを学んだ人々の手で実現されることだろう」

 同氏は定期的に大学訪問を行っており、今年2月には全米トップ5の大学を1週間かけて歴訪した。今回のバークレー校の講演では、PC産業が環境に及ぼす影響についての難しい質問や、Microsoftの反競争的行為に関する質問が学生から飛び出した。

 ある学生は、「ここにいる皆さんの中で、違法な商行為に及び、顧客の選択肢を制限し、公衆を欺いたとして有罪判決を受けた企業に就職することに不安を感じている人はどれくらいいますか?」と質問した。聴衆は静まり返ったままで、手を挙げた学生は1人もいなかった。

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