おひさしぶりです。ちょっと忙しくしておりました…
資 材 が 減 っ た ァ…
けれど!めがねっこでスク水ニーソな文学少女艦娘をわが鎮守府に顕現させるためならば、惜しい資材なんてない…ないんだッ…とつぶやきながらレア駆逐レシピを回す日々です。ええ、例のごとくに艦これです。スク水ニーソの威力ってこわいですね。
さて、今日は、臨海女子一年、サカルトヴェロ(グルジア)出身のネリー・ヴィルサレーゼちゃんについて。
猫耳っぽい帽子にサカルトヴェロの民族衣装とおぼしき赤と白の衣服をまとい、空まで飛んじゃうネリーちゃん。 お金が大好きで、なにを聞いてもお金に結び付けるネリーちゃん。どうもその背後に暗く複雑な事情を抱えていると思われるネリーちゃん。彼女はいったい何者なんでしょうか。
服のモチーフはサカルトヴェロ(グルジア)の国旗のように見えますね。赤と白で構成されていること、十字架が配されていること(十字架の色は異なりますが)が共通します。ただ、完全に一致するわけではないですし、ほかにもネタが仕込まれていそうな予感。
◆名前に注目しよう① 聖ヘレナの十字架発見◆
さて、このブログは『咲』キャラクターの名前からその元ネタや、いまだ明らかになっていない設定を無理矢理考えようとするもの。というわけで、とりあえず「ネリー・ヴィルサレーゼ」という名前に注目してみましょう!
……と意気込んでみたはいいものの、姓である「ヴィルサレーゼ」についてはよくわかりませんでした。ただ、「ネリー」という名前はどうも、「ヘレン」「ヘレナ」が元となったものであるようです。以下に掲げるサイトによれば、その由来はギリシャ語の「輝くもの」。(『進撃の巨人』の主人公である「エレン」も同じ系統の名前っぽい)
かなり怪しい人名事典―Helen
この名前をもつ有名な人物としては、まず、キリスト教の聖人である聖ヘレナが挙げられます。彼女はローマ帝国の皇后で、コンスタンティヌス一世の母。
wikipedia―聖ヘレナ
そして、彼女をめぐる伝説として有名なのが、キリスト教に改宗したのちイスラエルに巡礼し、ゴルゴダの丘で、キリストが架けられた十字架をはじめとする聖遺物を発見したというもの。つまり「ヘレナ(ネリー)」という名前は、十字架というシンボルとつよく結びついているのです。彼女の衣服の裾に十字架があしらわれていることは、この聖ヘレナの伝説とも関係するのではないでしょうか?とすると、おなじく十字架を身につけている有珠山との戦いがどんなふうに展開するのか気になるところ…。
◆名前に注目しよう②トロイヤ戦争と『ファウスト』のイメージ◆
また、この名前をもつ女性としてはほかに、トロイヤ戦争の元凶となった美女、ヘレネーがいます。巨大な木馬で有名なトロイヤ戦争ですが、これは彼女がトロイヤの王子であるパリスに心を捧げ、自分の夫や子を捨てて彼について行ってしまったことを発端として起きたものなのだそう。
Wikipedia―ヘレネー
で、このヘレネーの恋の相手であるパリスですが、実は出生時の名前を「アレクサンドロス」といいます。臨海監督の名前は、以前の記事でも言及したように「アレクサンドラ」さん。「アレクサンドロス」の女性形ですね。すると、ネリーにヘレネーのイメージも利用されている可能性は否定できないかも。
また、ネリーのモデルをこの「ヘレネー」と考えると、もうひとつ興味深い事実が浮かび上がってきます。
ヘレネーを登場させる作品はいろいろありますが、そのうちのひとつにゲーテの『ファウスト』があります。
『ファウスト』とは、ドイツの民間伝承に登場するファウスト博士の生涯を題材にとった戯曲で、ファウスト博士が悪魔であるメフィストフェレスと契約し、魂と引き換えに人生のすべてを体験することを求める、という内容。その第二部で、純朴な恋人・グレートヒェンを喪ったファウストは、現世に呼び出されたヘレネーの霊に恋をします。そして彼女を求めて「古典的ワルプルギスの夜」という古代ギリシアの神々や魔物が跳梁跋扈する世界に行き、ヘレネーを救いだして結ばれるのでした。ふたりのあいだには子供も生まれ、しばらくは穏やかな日々を過ごします。それは子供の死によって悲劇的な結末を迎えてしまうのですが…
注目したいのは『ファウスト』第一部に登場する、ファウスト博士の最初の恋人「グレートヒェン」。その本名は「マルガレーテ」。 真珠という意味の「マーガレット」を基にした名前であり、なんと、臨海副将・メガン・ダヴァンの名前である「メガン」と同一のルーツを持っています。
かなり怪しい人名事典―Margaret
アルカ茄子―メガン・ダヴァン 龍からの逃走が暗示する元ネタとは?
マルガレーテは『ファウスト』第一部でファウスト博士と恋仲になり、その子を身籠った末に、どうしたらいいのかわからなくて赤子を沼に沈めて殺してしまう。それが元で投獄され、死刑を宣告されるという人物です。ファウスト博士はワルプルギスの夜(前述した「古典的ワルプルギスの夜」とは別で、西洋の魔女などが遊びまわる場のことですね)において不吉な幻影を見、彼女のもとに駆け付けるのですが、グレートヒェンは彼に助けられることを拒否します。そしてその魂は天に上り、最終的にファウスト博士の魂を救うことになるのです。
以上のことから、臨海の副将・大将の名前「メガン」「ネリー」は、『ファウスト』においてファウスト博士の恋人となったふたりの女性「マルガレーテ」「ヘレネー」と同一のルーツをもつものであるということが見えてきます。
これを「なかなかの偶然ですね!」と片付けてしまっていいのでしょうか。『ファウスト』は数年前、『まどマギ』の元ネタとして注目を集めたりしましたが、もしかすると『咲』にも影響を与えているかもしれませんね。立先生、ドイツ好きっぽいし。
◆おまけ・ネリーが決勝に行ったら?◆
なんてことを考慮に入れると、ネリーの能力というのは
・十字架
・戦乱のイメージ
・魑魅魍魎の饗宴であるワルプルギスの夜
あたりと関係してくるのかな。各国のちょー個性的な選手を擁する臨海女子じたいが「ワルプルギスの夜」とつながるような感じもいたしますが。
そうだ、「ワルプルギスの夜」ってことばは『まどマギ』によって周知された感がありますよね…あの魔女の絶望的な感じ、よかったですよね。
魔法少女まどか☆マギカWIKI―ネタバレ考察/ストーリー ワルプルギスの夜
ところで決勝の大将戦では、淡ちゃんとシズが戦うわけですが、ネリーが勝ち上がってここに参加するとすれば……咲さんとは無関係なところで因縁の対決をする三人の姿が見えてきませんか……?淡ちゃんとシズが共闘してネリーを倒す展開だってあるかもしれない!
私的素敵ジャンク―淡穏とまどほむには声優以外にも繋がりがあるのかも
ネリーの名前の意味を拡大解釈すると、こんなふうにも考えられるってことで。まどマギと咲を結びつける風潮が苦手な方には申し訳ない結びとなってしまいましたが…。
コメント
コメント一覧 (5)
ヘレネーとパリスの関係がネリーと監督の関係に重ねられてたら面白いですね。
後は流れ操作能力とか、あの虚無を具現化したような瞳もヘレネーに由来するのか、別の元ネタがあるのか(フェイタライザーのセルフパロディーとか)、色々興味深く思えました。
はい!かな恵ちゃんで大丈夫です!
エルシィっぽい感じになるんでしょうね。エルシィといえば消防車。暑い夏の日に砂浜になるかちゃんを連れてゆき消防車で放水してあげたいです。
>ジャファーさん
「ほしいわ ちょっと」→トロイヤ戦争
監督がネリーを攫うように日本に連れてきたという感じなんですかね。このあたりの掘り下げを望みます。ほかのメンバーはともかく、監督だけはネリーのバックボーンを知っているようですし、ふたりの関係が気になります。
空を飛ぶところ、戦いたがるところなんかは、ヘレネーとファウストの子供であるオイフィーリンに似てるかなと思いますが、住吉のお膝下の姫松高校と戦う「外つ国人」というところからは八幡縁起の塵輪鬼っぽい雰囲気をも感じます。とりあえずははやく続きを読ませてくださいという感じですね…
現段階では、元ネタがある、と断言できるキャラクターと、そうでないキャラクターがいます。すべてのキャラクターに元ネタがある、とみる向きもあります。今後物語が進むにしたがい、より詳細な設定が明らかになるでしょうから、後者についてはそのときに考えてゆきたいと思っています。
全国編から登場するキャラクターは、その出身地の在地伝承などをモチーフにしていることが多いような気がします。アニメではそのあたりをしっかりフォローしている印象がありますね。