この世の全てはこともなし : 何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが? 2　出井愛　MF文庫J

「今回はMF文庫Jの『何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが? 2』を取り上げたいと思います」

「著者は出井愛氏。カクヨムからの書籍化して2巻で複数の重版がかかっている人気シリーズとなっている」

「打ち切り作品が多い新作の中で重版かかるのは割と珍しいケースです」

「著者の方とtwitterで相互フォローしているんだけど、宣伝活動がすごい。ラノベブログ垢という特性上、様々な情報が入ってくるんだけど、この人ほど積極的に自著を紹介している人を見たことがない」

「現在のライトノベルを取り巻くシビアな環境を考えると、著者の方が取っている方策は間違ってないと思います。ただ、作品執筆と並行してやるのは大変なんじゃないか、とは思いますが」

「作品の方は前巻に引き続き、地の文がないライトノベルとなっている」

「会話と思考だけでストーリーが進んでいきます。基本はかなり軽い感じのラブコメですね」

「それも、おっさんが読むには胸焼けするくらいの甘いラブコメが繰り広げられるんだけど後半になってくると割と真面目にラブしてた気もする」

「演劇を通じて主人公のヒロインに対する想いと、自信が無いゆえにその先の明るい未来を想像できないという不安、ヘタレな童貞男子にありがちな悩みを上手くストーリーに絡めてましたよね」

「そして、怒涛の展開で3巻へと続くというのも良かった。後書きによれば『書籍版『何故かの』はここからウェブと話が分岐します』というマルチというかパラレルなことになるという驚きもあったし」

「よく考えますよね。最近、揶揄されるような長文タイトルでストレスレスな作品と言えなくもないですけど、全体を見てみるときちんと工夫を凝らして作られているのがわかります」

「軽めでよくできたラブコメを読みたい人にオススメしときます」

「では、今回はこんなところで」

「それじゃあ」

この世の全てはこともなし