某150mヒッターさんのブログで気になったことがあったので、自分の整理の意味も込めて書きます。
あれだけTwitterでキーボード叩いてるのに、連続して打つとすぐ手が痛くなる。
メイプル
アジア原産のイタヤカエデと北米原産のサトウカエデがある。樹液がメイプルシロップとして食用されるのは後者。ハードメイプル、ロックメイプルと言われる硬くて弾きの良い物もサトウカエデ。寒冷地の高地で自生していたものがバットとして高品質と言われている。特に木目が細かいものが好まれる。散孔材なので板目を打撃面にすると本来の曲げ強度が発揮できるため、堅さによる弾きの良さと折れにくさが上昇する。最近は軽量なバットが良く出回る。北海道産のイタヤカエデも国産青ダモのように貴重で価格が高めになる傾向がある。
青ダモ
メイプルが主流になる前、ヤチダモの圧縮バットが禁止された後の主流になった木材。木の生長が遅いために貴重。堅くかつ粘りが強いため、バットにするとしなりが出る。打感もメイプルより柔らか目なので好んで使う選手もいる(エンゼルスのビッグフライオオタニサンもそう)。国産は貴重で価格も高いが、安い中国産もある。環孔材なので通常の柾目打ちをしないと折れる。あまり木目が詰まったものは逆にもろくなってしまうためバットに適さない。
ホワイトアッシュ
アメリカで主流だった木材。メイプルや他の木材の台頭で使用者が減ってしまった。青ダモと近種(どちらもモクセイ科トネリコ属)なために木目がよく似ていて、見分けがつかない。表面の堅さを持ちながらしなりも併せ持つハイブリッド木材。耐久性に難があり、頻繁に打撃を行うと木目が剥がれていき本来の堅さが低下し反発力が半減してしまう。木目の剥がれを防止するために焼き加工(Burn)や骨で研磨(Bone Rubbing)をする。
イエローバーチ
日本名キハダカンバ。樺の木の一種。北米産のバットとしては新素材で、メイプルとホワイトアッシュの中間にある木材。打感は青ダモのようにマイルドながら、メイプルライクな弾きで打球速度も速い。メイプルよりも比較的軽いので軽いバットを作るのに適す(メイプルで軽いバットを作ると密度が下がる→堅さも低下する)。最近は日本のメーカーでもバーチでバットを作るところが増えてきた。散孔材なので板目打ち推奨。メジロカバ(日本産)やユーラシアバーチ(ロシア産)などの近種でバットが作られることもある。個人的にお気に入りの木材。
ヨーロピアンビーチ
ヨーロッパで自生するブナの仲間。SSKがラミバットの芯材として使っていたが、一本木のバットとしては新しい存在。MLBでは使用する選手が少なからずいる。メイプルを超える曲げ強度を持っているため高耐久が期待できるバットである。ただし表面は柔らか目なため打撃面がへこむこともある。打感はメイプルのそれより重く、しなりも強い。アメリカでは取り扱うメーカーが多いが、日本での試合用として使えるバット(BFJマーク付き)はまだ少ない(ASICS、ヤナセ、KT1)。散孔材にて板目打ち推奨。逆に柾目打ちだと打撃面がケバ立ちやすい。
シデ
メイプルよりも甲高い打球音と絶妙なしなりを持つ(らしい)木材。ここ数年日本でバットとして使われだした木材。まだ取り扱うメーカーが少ない。
ビーイーブランドにてバットオーダー済み。早く実打撃してみたいです。
タモ(トネリコ、ジャパニーズアッシュ)、ヤチダモ
いずれも青ダモやホワイトアッシュの近種で日本原産。青ダモのように寒冷地で降水量が少ない地域の木がバットに適している。一部のタモは青ダモをしのぐしなりと粘り強さを持つらしい。試合用バットにすると重たすぎる木材はトレーニングバットとして作られることもある。以前ヤチダモは圧縮バットとして広く普及していたが、圧縮バットが禁止されて以来少量が軟式用バットとして製造されるだけにとどまる。
竹
竹を細く切り出し、それを集成材としてバットにする合竹バット。公式戦では使用できないラミバットの一種(高校野球では使用が認められている)で、トレーニングバットとして作られている。一本の木材から作られていないので木の品質に左右されにくく、価格が非常に安く耐久性も高いコストパフォーマンスの良いバット。打球音も抑えられるため夜間の練習にも向く。芯を外して打つと手に強烈な衝撃が加わるため、芯に当てる打撃が身に付く。ただし芯を外した時の痛みを恐れてスイングが小さくなってしまう可能性もある。
早くシデのバット来ないかなぁ。