いよいよVim導入メモの連載も最終回となりました。
最後はVimスクリプトの紹介です。
VimはVimスクリプトと呼ばれるプラグインを追加することで、その機能を拡張してゆくことができます。
この拡張性の高さこそ、VimやEmacsが多くのプログラマに支持される最大の理由であるともいわれおり、非常に多種多彩なスクリプトが存在しています。
私もVim導入にあたり、ウェブや書籍からの情報を参考に沢山の便利なスクリプトを見つけました。
以下、各スクリプトについて簡単に紹介します。
Vimスクリプトの探し方
Vimスクリプトはそのほとんどが公式サイトのScriptsのページから配布されています。
ただ、掲載されている情報量は膨大で、初心者がここから一つ一つVimスクリプトをチェックしていくのは非現実的です。
私の場合はまず、以下のページを参考に使えそうなスクリプトを探していきました。
これらのページには詳しい日本語の解説もあり、大変分かりやすくなっています。
Vimスクリプト- 入力関連
autoclose.vim
「(,{,[,’,”」を入力した際、自動的に閉じ記号を補完してくれます。
閉じ記号が二重入力されないよう制御してくれたり、ちょっと気の利いた作り。
参考ページ
subtech - Pink Blossom Diary - 最近の vim.org
こちらの記事を参考に導入しました。
符号無し - Dis Communication - autoclose.vim on gvim
動作がおかしくなる場合もあるようなのでご注意を。
spiritlooseのはてなダイアリー - Vimで括弧/クォートを自動補完
似たようなことをキーマップで実現。シンプルな方が良ければこちらで。
EnhancedCommentify.vim
ファイルタイプに合わせて、選択範囲にコメント記号を挿入/削除してくれます。
コメントの挿入/削除とも、コマンドは「\x」。
参考ページ
commentout.vim : 名無しのVIM使い
同じくコメント挿入のプラグインですが、こちらはコメント種別ごとにコマンドが異なります。
yankring.vim
ペースト実行後に「Ctrl-P」と「Ctrl-N」で、貼り付けるテキストをコピー/削除の履歴を順にたどりながら選べるようになります。
Vimスクリプト- ファイル関連
favex.vim
お気に入りのファイル/ディレクトリを登録しておき、リスト表示して開けるようにしてくれます。
minibufexpl.vim
開いているバッファの一覧をエディタ上部に表示してくれます。
mru.vim
最近開いたファイルのリストを表示してくれます。
リスト表示するための「:MRU」コマンドは、ファンクションキーなどにマップしておくと便利かもしれません。
NERD_tree.vim
ウィンドウ左側にディレクトリとファイルをツリー表示してくれます。
こちらも表示をトグルするための「:NERDTreeToggle」コマンドをファンクションキーにマップしておくと便利です。
このようなエクスプローラ機能を実現するスクリプトは他にも幾つか存在するようですが、私が確認した範囲ではこれが一番便利そうでした。
project.vim
特定のディレクトリ以下をプロジェクトとして扱うための機能を提供してくれます。
ウィンドウ左側にディレクトリツリーを表示するほか、プロジェクト単位のgrepなどもできるよう。
参考ページ
VIM スクリプト巡り
こちらの記事を参考に導入しました。
monospace blog ? vimのprojectを導入してみました
基本的な使い方。
Yet Another KASE’s Page(仮): Vimプラグイン:project
使用上の注意など。
Twisted Mind
沢山のスクリーンショットと機能の紹介。
符号無し - Dis Communication - project.vimをトグルで使う
トグル表示がうまくいかないときの対処法(未確認)
Vimスクリプト- 表示関連
css_color.vim
CSSでカラーを指定する「#RRGGBB」の表記を、色づけして分かりやすくしてくれます。
Vimスクリプト- 内部関連
eregex.vim
Perl/Ruby流の正規表現が使えるようになります。
標準の正規表現記法はやたらとバックスラッシュが必要になるので、こちらを使った方が書きやすそうです。
おわりに
これにて3回にわたり続けてきたVim導入メモの連載は終了です。
ここ最近Vimについて調べてきたことは、これでだいたい書き出すことができました。
もっとも、現在も引き続きVimの使い方やスクリプトの調査は続行しています。
今後は実際に使用しつつ、その真価を確かめてゆきたいと思っています。
役立つ情報が見つかり次第、また書きます。
※記事中、おかしな点などありましたら指摘していただけるとありがたいです。
参考書籍
第1回の使い方編でも紹介しました。大変読みやすく、入門書としてお勧めの書籍です。
こちらは連載を書いている間に購入しました。今ちょうど半分くらいまで読んでいますが、なかなか細かい機能まで紹介されていて役立ちそうです。ただしamazonのレビューにあるとおり、いまいち内容が整理されていない感があるので、最初に読むには向いていません。
おまけ
- 諸君 私はviが好きだ
これはw
連載一覧
- ナレッジエース - Vim初心者的導入メモ 1/3 「使い方」編
- ナレッジエース - Vim初心者的導入メモ 2/3 「vimrc設定」編
- ナレッジエース - Vim初心者的導入メモ 3/3 「Vimスクリプト」編
Comments»
autoclose.vim
のリンク先が間違っているみたいです。
おぉ、本当だ。末尾の数字を一文字消してしまっていました。ご指摘ありがとうございます。修正しておきました。