映画「アイアンクロー」の感想
映画「アイアンクロー」の感想
鑑賞日/2024年4月25日
TOHOシネマズ海老名
一行感想。過去は変えられないが、それでも運命の分岐点はどこだったのか?と思う。
私は熱心なプロレスファンというほどでもないが、時々何かのきっかけてマイブームが訪れて、プロレス雑誌を買いこんだりして好きなレスラーの動向を追っかけた。エリック兄弟もまさにそれで、押入れの段ボール箱のどっか当時のプロレス雑誌があるかもしれない。(当時は活字情報が主)
だから、この映画に語られるエリック一家の物語は、見る前から最初から結末までわかっていた。この後どうなるのか、わかってて物語が進む。
でも、わかってても見た。私が胸をときめかせた、あの記憶を確認したかった。
それは神様が決めたことなのか?
ケビンを中心に、お話の流れはわりと淡々と進んでいく印象。そもそも実話であり、自殺などの難しい事件もあり、当事者関係者が実在するわけで、登場人物の内面に踏み込んでいくのは無遠慮なふるまいと、避けたのかもしれない。観客である我々は、いらぬ偏見を抱くことなく、表情やたたずまいから、この家族のありように寄り添って見る。そんな映画だと思う。
そして映画見終わっての感想は、やっぱり悲しい結末はどこに起因するのか?何がいけなかったのか?どこかで引き返せなかったのか?運命の分岐点はどこだったのか?
お話の序盤で、父と兄弟そろってアメフトを遊ぶシーンがある。美しい幸せな家族の形。これがいつまでも続くと、彼らは信じていたのだろうな。
どんな人生を選ぶのか、プロレス以外で最良の選択があったかもしれない。自らの意思で運命を軌道修正くらいはできたのではないか。
しかし、そもそも姉妹で生まれていたら、最初からまったく違う人生だったわけで。そういう意味で、これは神が決めたとしか……と、私はこの物語を見終えた。
父の呪い
呪われたファミリーとは、結局のところ、父の呪いという意味だった。
すべて父のせいなのか?父が悪いのか?
いや、私はそんなに簡単な話しでもないと思う。
劇中の家族のパーティの場面で、奥さんがフリッツと出会った頃を話す。この人は糟糠の妻であり、成功者フリッツの金や地位は後からついてきた、とわかる。奥さんとしてはフツーのサラリーマンでも文句はなかったんだろうが、フリッツはそうは考えなかったのだろう。文字通り体を張ってプロレスで稼ぎ、大きな屋敷と、プロレスの興行権?を得た。自分が苦労して積み上げてきたものを、息子たちにそのまま継がせようとするのは、古今東西王侯君主から億万長者まで、およそ父となった男ならみんな考えることだ。
この映画では夫人の動きがものすごく少ない。6人も子供産んで、5人死なせてしまった。亭主にもうちょっということはないのか?
リック・フレアなど懐かしい顔ぶれの再現度
さて、この作品はドキュメンタリー映画じゃないので、当然出演者は俳優。プロレスラー役をやるなんて、かなり勇者です。どこから見てもプロレスラー、にビルドアップしてて、撮影用に鍛えた程度ではこんな体にはならない。俳優もプロレスラーも体を張った大変な仕事なのだ。
エリック兄弟については、顔はそこまで似てるわけでもない。正直、ケビンは骨格から全然違うし。(私はレスラーは骨格で判別してることに今回気付く。)映画なので別に似てる必要もないけど。
映画見るまですっかり忘れていたけど、ああこんな人たちいたなあ(^_^;) 当時の試合映像や雑誌で見た人たち。リックフレアは、ああああああこんなかんじ。あれ、ブロディだよな。当時は地上波でプロレス番組やっていたからな。いっぱい見たなあ。みんな過去形だけどね。
映画の最後のシーンで出てきた、ケビンのお人形のようにかわいい息子たちは、成長してレスラーデビューしたらしいです。どっかで見れるといいな。
TOHOさんのチケットアプリで入場。