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2006/07/15

日本外交は中国に勝利できるのか?

北朝鮮のミサイル発射問題は、戦後、初めて日本が国連の舞台で主役を演じる契機となった。

今回の問題に対する日本の対応は、従来の姿勢からすれば、考えられないほど迅速なものであった。
ミサイル発射翌日の今月6日には、国連安全保障理事会(安保理)に「北朝鮮制裁決議案」を提示、米・英・仏の3常任理事国と非常任理事国9カ国(日本を入れると10カ国)の支持を直ちに取り付けたのである。
この時点で、安保理常任・非常任理事国15カ国のうち、反対は中国のみでロシアは
沈黙。が、その後、ロシアも反対に転じたので、安保理15カ国のうち13カ国が決議案に賛成、反対は2カ国のみという情勢になった。

日本が安保理に、米英などの7カ国と共同提案した「北朝鮮制裁決議案」の骨子は
次のとおりである。

①今回のミサイル発射は国際の平和と安全への脅威
②安保理は(経済制裁や軍事行動を認める)国連憲章7章のもとに行動
③今回のミサイル発射を非難
④北朝鮮は弾道ミサイルの開発、試験、配備、拡散を即時停止
⑤北朝鮮のミサイル及び大量破壊兵器開発への資金、物資、技術の提供阻止
⑥北朝鮮からのミサイル及び関連物資・技術の調達阻止
⑦北朝鮮に6カ国協議への無条件即時復帰を求める
⑧北朝鮮に昨年9月の6カ国協議共同声明の迅速な実行を要求

このうち、中・露が特に問題にしているのは、②の経済制裁や軍事行動を認める国連憲章7章が決議案に盛り込まれていることだ。これを認めれば、イランを始めとする反米的な国に対する同様の決議を、今後阻止できなくなる。
中・露、特に中国の友好国には、反米的で人権を抑圧している国が多い。
米国のコンドリーザ・ライス国務長官 が、昨年1月に「圧政の前線基地 」と名指しした
6カ国のうち、中国はキューバ、ミャンマー、北朝鮮、イラン、ジンバブエの5カ国と友好・協力関係にある(ちなみに、残りのベラルーシはロシアと兄弟関係)。
したがって、国連憲章7章を盛り込むことは、中国の国益を大いに損ねるのである。

中国は当初、1998年のテポドン1号発射時の前例にならい、最も効力の弱い「プレス
声明」で対応すべきだと主張していた。が、日・米の予想外の強硬姿勢に押される形でそれを「議長声明」に格上げした。その後、「議長声明」の内容をさらに強めた案を提示するまでになった。
が、それでも日本は強硬姿勢を貫いた。

すると、中国は「北朝鮮カード」を持ち出し、引き延ばしにかかる。
中国の回良玉・副首相(共産党政治局員)率いる代表団が10日、平壌入りし、「ミサイル発射の凍結や6か国協議への早期復帰」を説得する工作に入った。
また、李肇星外相は9日、安保理理事国のうち日・米・英・仏を除く11カ国や韓国と電話で外相会談を行い、安保理に提出された「北朝鮮制裁決議案」を支持しないよう協力を求めた。
が、「北朝鮮カード」は効果がなかった。回・副首相に同行した武大偉・外務次官は、「平壌からは何の反応もない。1回や2回の訪朝では解決できない」と述べ、王光亜・
国連大使も12日の安保理協議で、北朝鮮との交渉難航を率直に認めた。
また、李外相が協力を求めた12カ国のうち、中国を支持したのは安保理理事国ではない韓国のみであった。

今回、米国は背後に回り、日本を後押しする役に回ったように見える。「北朝鮮制裁決議案」も日本主導で作成。「中国の拒否権行使を恐れない」という発言も、米国ではなく日本から発信された。
中国が本気で北朝鮮の説得に乗り出さざるをえない状況を作ったことで、米国は既に相応の成果を得ている。自ら前面に出て中国と対決するより、「日本カード」を使った方が、今後再開される可能性のある「6カ国協議」を考慮すると有利と判断したのだろう。

※(注)
「国連憲章7章」とは、平和を維持するための安保理の権限などを定めている。
7章の冒頭にある39条では、安保理が「平和に対する脅威」などの存在を認定した上で、41条(非軍事的措置=経済制裁など)と42条(軍事的措置)に従っていかなる措置を取るか決定すると規定されている。
多国籍軍による武力行使については憲章に明文規定がなく、7章全体が根拠とされることが通例となっている。

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北朝鮮を説得できず、ロシアの反対姿勢にも100%の信頼を置けない(ロシアは15日から開催されるG8サミットのホスト国である)中国は、12日、「議長声明」をあきらめてロシアとともに独自の安保理決議案を提示してきた。
独自案の内容は、強制力を伴う国連憲章7章には言及していないものの、北朝鮮の核放棄やミサイル発射凍結、関連物資・技術の移転・調達阻止を求めるなど、日米などの「北朝鮮制裁決議案」と重なる点が多い(北朝鮮の核放棄やミサイル発射凍結は中国の国益にかなう)。

国連では、「追いつめられているのは中国ではないか」という声もあがっっているほどだ。
国連当局者も驚いた譲歩を中国が重ねたのは、日・米などが提案した「北朝鮮制裁決議案」が採決に持ち込まれ、単独で拒否権を行使して孤立する、というシナリオを避けたいからだ。
決議案に単独で拒否権を行使する事態になれば、「北朝鮮の行為を擁護した」と国際社会から非難されるのは必至である。が、制裁や武力行使を可能にする国連憲章7章を盛り込んだ決議を、(たとえ欠席という形であれ)容認することは、朝鮮半島情勢の
さらなる混乱を招きかねないという点でも容認できない。
つまり、今回の中国によるロシアを伴なった形の独自の安保理決議案提示は、苦渋の選択だったと言える。

この中・露の独自案提出を受けて、安保理は14日(日本時間15日)から非公式協議を開いた、日・米なども中・露の譲歩を受けて制裁決議案の修正案を正式に提出した。
国連憲章第7章は残すものの、第41条(非軍事的措置=経済制裁など)や第42条
(軍事的措置)は含まず、第40条に限定して制裁色をより薄めるというものだ。
さらに、中国が求めていた「朝鮮半島と北東アジアの平和と安定の維持への配慮」を
前文に加え、北朝鮮のミサイル発射が「国際平和と安全への脅威」とした表現を「地域の平和、安定、安全保障を危うくする」に改めた。

が、中国はなお拒否権行使を明言している。
第40条は、「強制措置」は義務付けないものの、「強制措置」の前段階である「暫定措置に従うよう関係当事者に要請することができる」と規定しているからである。関係当事者が「暫定措置の要請」に従わない場合は、安保理は「妥当な配慮」を払うことになる。

安保理議長のドラサブリエール・フランス国連大使は「まだひとつの条項をめぐる問題が残っている」と述べ、7章問題以外では合意が図られていることを示唆している。
中国の王・国連大使は、7章への言及が第40条に限定されたとしても、「第40条は第41条(非軍事的措置=経済制裁など)や第42条(軍事的措置)などへ移行しうる」という点を拒否権行使の理由として挙げている。そして、「1~2カ国が自分たちの立場に固執している」と日・米を批判した。

一方、米国のジョン・ボルトン国連大使は「7章の文言がなくても法的拘束力のある決議にするやり方はある」と指摘しており、日本もまた、7章が削除されても、安保理決議
そのものに拘束力があると考えているようだ。
たとえ、7章が決議案に盛り込まれなくても、日・米案、中・露案ともに、①北朝鮮のミサイル発射非難、②北朝鮮の核放棄やミサイル発射凍結、③関連物資・技術の移転・
調達阻止、④北朝鮮の6カ国協議への無条件即時復帰、⑤昨年9月の6カ国協議共同声明の迅速な実行などが含まれており、安保理決議案が採択されれば、①北朝鮮が次にミサイル発射などを強行した場合、中国は制裁決議に反対できなくなる②中国は北朝鮮を決議に従わせる実質的な義務を負う、と日本は判断しているからである。

今回の攻防のキープレーヤーは、日本、中国、米国の3カ国だった。途中から米国が
日本の背後に回り、事実上、日・中の対決だった。
日本は中国に勝利できるのか?
「今回、中国外交は失敗したと考えていいのか」という国連本部での記者団の質問に、ボルトン米国連大使は満足そうな笑みを浮かべた後、隣の大島賢三・国連大使に回答を譲った、そうだ。

北朝鮮がテポドン1号を発射した1998年は、議論に2週間を費やしたあげく、「プレス
声明」だけで終わった。
これを考えれば、たとえ国連憲章7章が盛り込まれなくても、実質的に北朝鮮を拘束し、その拘束を守らせる義務を中国に負わせることができる「北朝鮮非難決議案」が安保理で採択されれば、日本の勝利と言えるのではないか。

なお、今回の問題で、中国共産党機関紙・人民日報は13日、「日本の過激な反応には多くの狙いがある」と題する論文を掲載し、「北朝鮮に対する優位を占め、外向型軍事システムを構築し、米国に媚び、安保理常任理事国入りで巻き返すことこそ日本の
狙いだ」と断定、日本を非難している。

つまり、日・中関係がうまく行っていないのは、小泉純一郎首相の「靖国神社参拝」が理由ではない。
日本が中国を前にして「膝を折らない」からだ。
日本が当たり前の「国益を主張する」ようになったからだ。
日本が自ら「安全保障を考える」ようになったからだ。

加藤紘一自民党元幹事長は昨年、「小泉首相が靖国参拝をやめれば日・中間の問題の7割は解決する」と言った。加藤氏は、今回の中国の言動を、どう説明するのだろう???
こういう人物は、政治家としての「見識」以前に、その「資質」を疑わざるをえない。加藤氏や古賀誠元幹事長のような政治家が推す人物を、総理・総裁にするようなことは絶対に許されない。

また、今回、韓国は中国と足並みをそろえて日本を非難。「北朝鮮制裁決議案」に
真っ向から反対した。今年の末には、国連事務総長と日本の安保理非常任理事国の任期が切れる。
韓国は今、その両方の後釜を狙っている。そして、臆面もなく日本に協力を要請して
きている。
もし、今回、「日本が安保理にいなかったら」、そして「韓国が非常任理事国だったら」と考えるとゾッとする。ましてや「国連事務総長に現在の韓国外相がなる」なんて、もう
悪夢でしかない。
北東アジアの平和と安定を損ねるだけだ。

日本政府も、そこまで「お人好し」とは思わないが、韓国には絶対に協力してはならない!!!

参照1:[北ミサイル]ドキュメント 日中の新たな火種に
     (2006年7月14日 讀賣新聞)
参照2:対北安保理決議案 「7章」削除容認へ
     (2006年7月14日 讀賣新聞)
参照3:北ミサイル中露決議案 日米中、着地点探る
     (2006年7月14日 讀賣新聞)
参照4:日米、修正案を提示 第7章はそのまま
     (2006年7月15日 朝日新聞)

【特記】
コメント及びTBを許可制にさせていただきました。
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北朝鮮&拉致問題」カテゴリの記事

コメント

国際情勢、日本の置かれた状況から進むべき方向は明らかです。
エントリーは明瞭に本質を突き、指標を与えています。

クライン様の所でも素晴らしい分析が紹介されていますが、共通する部分も多いですね。
Y~氏の北朝鮮分析 http://www2.diary.ne.jp/user/119209/

勝手で申し訳有りませんが、朝日歌壇鑑賞会様で。
『シベリア抑留10年の記録』復刊リクエストを募集しています、私も読みたい貴重な資料です。
http://blog.livedoor.jp/asapykadan/archives/50017714.html

投稿: MultiSync | 2006/07/15 21:48

北朝鮮ミサイル問題に於ける日本の国連外交は良くやっていると評価できると思います。
今回の決議案がどんな文言になるにせよ北朝鮮に対して安保理決議案(しかも日本が主導して)採択されることは画期的と言って良いと思います。

民主主義国の日本と共産党一党独裁の中共では根本的な価値観が異なります。
日本と中共とがあらゆる面に於いて意見の一致を見るなんてあり得ないのです。
勿論、ただ単に敵対すれば良いと言うものでもありません。
日本は日本の国益に即した主張を粛々とすれば良いのです。
小泉首相が靖国参拝を継続することにより日中関係は大いに改善されたと捉えるのが正しい見方だと思います。

投稿: yuki | 2006/07/15 22:06

こんばんは、坂様。

今回の将軍様ご乱心(?)の対応に一番苦慮しているのは中国でしょうね。中国にとって一番重要なメンツを潰され、怒りのあまり金政を権崩させても、その後の難民対応などを考慮すると頭が痛い。我が日本としては、そんな中国に対し、全く同情することなく、北を守ろうとする中国を、世界中のならず者支援国家(北はミサイルだけでなく、麻薬、偽札、拉致など、本物のならず者国家であり、それを支援する国家はならず者支援国家)として貶めることに努力するべきでしょうね。

とはいっても、中国も誰かさんとは違い、バ○ではないのであらゆる手段を使って、時間稼ぎをしていますね。また、今回のミサイル発射に対し、台湾を想定して、簡単に非難できない、という評論家の方もいらっしゃいます(今回、中国がミサイル発射に非難すれば、自分が台湾に向けて使ったとしても同様な事になるから、簡単に非難できない、とい評論される方もいらっしゃいます)。まぁ、中国がミサイル発射に非難できないのであれば、台湾・インドなどの試験も同様ですので、頭が痛いでしょうね。

今回の件に関しても、やはりというか、マスゴ○は正しく報道もしないようですね。そもそも、軍事に疎いマスゴ○が選ぶ評論家ですから、その人選も推測されます。
日本外交が中国に勝つ云々以前に、こういう○○派の口を黙らせる(というか、正しい事実のみ報道させる)ことこそが、国内の世論をまとめる上で、早急の課題ではないでしょうか?

(日本案を非難する、中露韓ともに、日本の領土・領海を侵犯しているとう、変な共通点もあるのも興味深いですが、それに対するマスゴ○の対応といえば、、、。)

投稿: Mars | 2006/07/15 23:04

 坂さんの、真偽混ざった情報・報道を明晰に分析され、勇気付けられる論調、感謝します。日本がヘタレなければ(今回は大丈夫と思いますが)、胸のすくような対中外交戦勝利となりますネ。

 問題は第2、第3の矢を射って、勝利を拡大することです。第2矢として、日本単独でも対北鮮経済制裁を行うことです。金融・貿易・通商などなど、締め上げることです。国連決議が否決されても、直ちに、大々的に(宣伝的に)行うことです。第3の矢として、巡航ミサイルの開発・配置です。敵基地(先制)攻撃論です。更に第4の矢として、憲法改正などがあります、次々と叩き込む必要があります。

 中共・北鮮、云う事はでかいが、中味(経済力・民度・科学技術力など)は空っぽです。日本の真の実力は圧倒的です。日本内部の敵(サヨク一派)が黙れば、彼奴らを圧倒できます。頑張りましょう。

投稿: よっちゃん | 2006/07/15 23:44

>今回、米国は背後に回り、日本を後押しする役に回ったように見える。「北朝鮮制裁決議案」も日本主導で作成。「中国の拒否権行使を恐れない」という発言も、米国ではなく日本から発信された。

テポドン2の発射が失敗か、どうかは別にして、今回のミサイル発射がアメリカに差し迫った脅威なり、威嚇の効果があったとは思えない。それに対して、日本の場合には弾頭に何が実装されるかは別にして、何をするかが予測が困難な北朝鮮なだけに、多くの日本国民に、即、実戦発射を予感させうる差し迫った脅威をもたらした事態だと思う。その意味からすれば、日本が非常任理事国であったことが幸いし、国連安保理の場で前面に躍り出る形で事態を動かしたことは久々に「日本外交の成熟」を予感させる思いであった・・・まぁ、このような事態の推移を、日々、重大な関心をもって眺めているところで、またもや民主党の小沢代表のもっともらしげなコメントが癪に障った・・・
>民主・小沢代表、日本の影響力疑問視
>「米国は、日本には北朝鮮への強硬論を言わせながら、中国やロシアと何とか着地点を探ろうとしているのではないか。日本は、米国からも本当のところの話は全然、聞かされないまま、議論が進んでいるのではないか」との見方を示した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060715ia21.htm

まぁ、小沢一郎は、国会の本会議にも出席できないほどの健康状態であるから、あまり日々の報道にも目を通していないのかもしれないが・・・・「日本は、米国からも本当のところの話は全然、聞かされないまま、議論が進んでいるのではないか」というような判断は、どのような筋の情報から導けるのか?摩訶不思議である・・・

投稿: 疑問符 | 2006/07/16 00:32

もし、中共に言論の自由があれば、「わが国はなんであんな国の肩を持つんだ」という世論も盛り上がるはずだとおもいます。いくら「反日」「反米」だからって、「親北朝鮮」が正しのか、そういう矛盾にも気づく人も多いはず。

韓国ではもう少し言論が自由ですから当然保守派が息を吹き返して「騒ぎすぎ」という発言に反論していますよね。

>国連事務総長に現在の韓国外相がなる

そうなったら、国連から脱退して欲しいです(汗)。妄想を歴史と呼んで、反日を国是としてる国の外相ですからね。

投稿: ゆみこ | 2006/07/16 00:32

坂さん、こんばんは。
 坂さんが指摘し続けてきた中国共産党の崩壊が、追い詰められた北朝鮮の引き起こした世界情勢の緊迫を契機に カウントダウンに入ったということでしょうか。ここ数日のエントリー記事は圧巻でした。世界情勢を評価し見通しを立て、それを説得力をもって伝えることに「凄み」を感じるなどめったに経験できません。
 ところで、一つ気になる事があるのです。北朝鮮のミサイル発射直後、専門家が盛んに北朝鮮の思惑について解説していました。その中で「ミサイルの実演販売」だということが何度か指摘されていましたが いつも尻切れトンボのままで 肝心の「誰に売るのか」まで踏み込みません。
 私程度の者でも消去法で買い手は「イラン」しかないと解ります。核開発を止めるつもりのないイランがテポドン2を欲しがり、先軍政治の北朝鮮が韓国の50万トンの米よりも欲しいものが石油だということも理解できます。
 この「イランと北朝鮮によるテポドン2と石油のバーター取引」が事実ならば、その阻止に失敗した世界を想像するだけで身の毛もよだつ思いです。この事は 当然坂さんの視野の内だと思います。ご所見を伺えれば幸いです。
 

投稿: 武井 | 2006/07/16 01:18

>つまり、日・中関係がうまく行っていないのは、小泉純一郎首相の「靖国神社参拝」が理由ではない。
>日本が中国を前にして「膝を折らない」からだ。
>日本が当たり前の「国益を主張する」ようになったからだ。
>日本が自ら「安全保障を考える」ようになったからだ。

 まさしくそのとおりだと思います。日本は、これまでの卑屈外交、ことなかれ主義的外交から脱却して、普通の国家として普通に発言、行動するようになった。中国や韓国は、そのことが自国の国益にそぐわないと考えているのでしょう。
 彼らの発言を重視し行動の自粛を求める日本の親中派には、国益というものを再考してもらいたい。

投稿: プライム | 2006/07/16 09:20

7月13日人民日報、日本を非難
日本国は「北朝鮮に対する優位を占め、外向型軍事システムを構築し、
米国に媚び、安保理常任理事国入り」を狙っている。けしからんと。

政冷の原因は小泉首相の「靖国神社参拝」ではなかったのだ。

日本が中国を前にして「膝を折らない」からだ。
日本が当たり前の「国益を主張する」ようになったからだ。
日本が自ら「安全保障を考える」ようになったからだ。
(上三行当ブログより引用)

中共に脅され懐柔された日本マスゴミの主張
「首相の靖国参拝さえなければ政熱になる」は
中共の不実な宣伝であった。
反日侮日の挙句、この日本国を属国扱いしようとする中共の策略破れたり。

投稿: docdoc | 2006/07/16 09:37

いつもながら、坂さまの分析は鋭いですね。今回の国連安保理での外交戦の様子が、もつれた糸を解きほぐすように良く分かりました。
今回の北鮮ミサイル事件に対する日本政府の対応は、現段階で望みうる最上のものだったと思います。阪神大震災や前回のノドン発射事件の時の情けない対応とは全く比較できません。小泉首相は、この5年間で日本を大きく良い方向に動かしてくれましたね。
ニュースで、自民党の古賀氏が中国へ朝貢に赴く旨が報じられていました。小泉政権の5年間で、完全に過去の政治家になった一人です。

投稿: おやじ | 2006/07/16 14:57

外交は取引である。日本政府(安倍グループ)は、このことを如実に目の前で痛快に見せてくれた。日本は一番最初に、一番高いハードルを強烈に示し、そこから取引をはじめた。取引である以上、発言の裏打ちを伴う。今回の日本政府の裏打ちは最も得意な経済分野の制裁、そしてアメリカの軍事力。裏打ちがある以上、中国は真剣に動かざるを得なかった。そして、中国は最悪の状況で失敗しつつある。日本政府は、議長声明以上の決議案であればどのような形であれ成功と考えていたと思う。今回、国連で日本案が決議されれば、後は実行動(経済制裁、軍事行動)せざるを得ない状況になるので、日本は本心では望んでいなかったと思われる。まだ準備不足(国民の合意、軍事準備等)である。アメリカも中東情勢が非常に厳しいので2面行動はとりにくいと思われる。日本は今回の件で一度に経済の実力に見合う行動をとった。次が楽しみである。だが、最悪の事態(軍事行動)だけは避けるように知恵を絞ってもらいたい。相手が金ちゃん、中国だから非常に難しいが。北朝鮮の次のミサイル発射は、恐らく、パンドラの箱を開けるきっかけになるだろう。未知の時代が近づいている。

投稿: city authority | 2006/07/16 16:01

皆さん、こんばんわ。
コメントありがとうございます。
皆さん、よくお解りになられていますね。
さすがです。


武井さん、お久しぶりです。
いつもご拝読いただきありがとうございます。

「核」を持ちたいと思っている国はイランです。
なぜなら、抹殺の対象であるイスラエルが核兵器を持っているのに、「兵器」以前の「核」さえ持っていない。
だから、国際社会と対立してでも「核」を持ちたい。
そしてミサイル技術は北朝鮮から導入する。

もう一国は、パキスタンですね。
核実験は成功しましたが、運搬手段(ミサイル技術)がありません。
宿敵インドが、着々とミサイル技術を進歩させているから焦りがあります。
これも北朝鮮に期待している。

後は、北朝鮮が「核」を持ったら、国際テロ組織と商売するのは目に見えています。

米国が北朝鮮に厳しく対応するのは以上の理由だと思います。


インドの核兵器は認めたのに、イランは認めない。
これは米国のダブルスタンダードですが、米国はインドを一応は民主主義国家と判断している。
一方のイランは、米国が防衛する「義務」があるイスラエルの天敵ですから、絶対に認められません。

>「イランと北朝鮮によるテポドン2と石油のバーター取引」

これは、今回の安保理決議で完全に封じ込められます。
イランが、あんまり突っ張ると、中・露も今回のような(レベル)の対イラン安保理決議に同調する可能性は高いですね。

そういう点でも、今回の対北朝鮮決議の安保理採択は意義があったと思います。

投稿: 坂 眞 | 2006/07/16 19:52

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