2025-08-09

関税の壁で自ら縮小するアメリカ

トランプ政権関税政策について、気が付いた範囲のことを書いてみようと思う

壁による縮小戦略

関税の上乗せは、経済圏境界線を高くする壁と言える。

この壁は外からの影響から国内を守る一方で、経済的連携役割分担を阻み、結果的に「規模の経済」を失わせる。

それは競争力低下につながる「縮小の道」でもある。

なぜアメリカに壁が必要なのか

中国依存サプライチェーン削減

製造業農業など国内産業の安定化

・高関税を起点に相手から譲歩や投資を引き出すため

協力ではなくディール

米国政府は「協力」ではなく「ディール」という言葉を多用する。

今回の関税政策は、国内外にアメリカの強さを印象付け、同盟から譲歩や投資を引き出すことに成功した。

ただし、ディールは短期的成果は見えやすいが、即時の利益交換に過ぎない。

長期的には信頼の低下・市場縮小・同盟関係の摩耗という代償は避けられず、戦術的には勝利しているが、戦略的には敗北する可能性がある。

民主主義の罠

こうした選択の背景には、即時的な成果によって国内支持を固めようとする意図があったとも考えられる。

民衆にとって分かりやす政策は支持されやすいが、説明が長く複雑になる政策理解されない。

さらに、政権が数年ごとに交代するため、次の選挙までに結果を示さなければならないというアメリカ制度上の制約もある。

その結果、短期的な「見える成果」に偏り、長期的な戦略や協力体制の構築は後回しになりやすい。

先に示すべきだったビジョン

本来は、関税の上乗せより先に同盟国間の連携強化を示すべきだった。

例えば「同盟国と役割分担し、一部低関税活性化させる構想」など姿勢だけでも示し、その後で壁を築けば、混乱を抑えながら「縮小」ではなく「再構築」という見せ方ができた。

しかし、関税の上乗せを先行させたことで、民主主義である同盟国の民衆に疑問を与え、アメリカの影響力の低下を引き起こす結果となっている。

 

  • でもアメリカ以上の投資先って存在しないのよね トランプ政権の任期を考えたら強硬策しかなかったのでは? 安倍ちが亡くなったのが本当に痛いんだろうね

  • 中国の台頭に一丸となって対応が必要な時にアメリカは分裂に向かっている。中国はほくそ笑んでいるだろうよ

記事への反応(ブックマークコメント)

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