巨大地震に耐えられない原発
今回の能登半島での地震直後の林官房長官の緊急記者会見では、志賀をはじめ、震源近くにある柏崎刈羽、高浜、大飯、美浜、敦賀は、運転中の原発も停止中の原発も「現時点では異常ないことを確認」と発表されました。
しかしその後、志賀原発でも柏崎刈羽原発でも異常が確認されています。「現時点では異常ないことを確認」ではなく「現時点ではまだ確認作業が終わっていない」と発表すべきだったでしょう。しかも、今回の事故は直ぐに確認できたのではないでしょうか？電源が壊れたことが素早く確認され無くていい筈がありません。
確認して本部に報告されてから、本部で発表するか隠蔽するか相談しているように思えます。
危険極まりない急を要するかも知れない原発事故は、点検員が異常を発見した段階で、本部の判断を仰がずに、直ぐに発表する体制（法律の制定）にするべきでしょう。少なくとも第三者機関には即報告されて然るべきです。（日本の「第三者機関」では信用できないかも知れませんが・・）
1月1日能登半島で地震発生時の志賀原発
震源にかなり近かった志賀原発は、外部電源を受け取るための変圧器の一部が壊れて油が大量に漏れ出して使えなくなったが、他の系統で電源は確保されているとの発表です。更に、使用済み燃料プールから放射性物質を含む水が床面に溢れ出たとの発表です。
志賀原発は、1999年6月18日に起こした臨界事故を8年間近く隠蔽して非難されました。断層の問題もあって、当然、2011年の福島第一事故以来運転は停止されたままです。突然、今年2023年に、事故を起こした6月18日を事故隠しを忘れない記念日として「安全と公正・誠実を誓う日」に制定しました。岸田政権の原発回帰政策で、再稼働を狙った見え見えの記念日制定に見えます。兎も角、その事もあり、北陸電力は、今回の地震での事故の状況の写真を公開しました。この対応は東電よりはマシかもしれません。
さてその東電の柏崎刈羽原発ですが、今回の地震では、火災報知器が作動し、燃料プールから水が溢れ出たのを確認したけれど問題ないとの発表でした。今回の揺れの程度で深刻な事故になるようでしたら大変です。しかし、隠蔽体質から抜け出していない東電は信用できません。
2007年7月16日の新潟中越沖地震発生時の柏崎刈羽原発
前置きが長くなってしまいました。今回の記事は、巨大地震には原発は耐えられないという話です。
巨大地震とまでは言えないであろう2007年の新潟中越沖地震の時でさえ、東電の柏崎刈羽原発は大きな被害を受けていたのです。この被害を公表してしっかり反省して、脱原発に舵を切っていれば、福島第一原発の過酷事故も防げたでしょう。
中越沖地震で柏崎刈羽原発敷地内の波打つ道路。
当時こんな写真もドイツなどの新聞やテレビで報道された記憶です。
新潟中越沖地震の柏崎刈羽原発の被害は、敷地内で大小3100余りのトラブルや被害が確認されています。
当時、日本よりもヨーロッパのドイツなどで危機感を持って写真と共に大きく報道された記憶です。
中越沖地震で、柏崎刈羽原発の折れた消火栓の配管
配管が折れるってかなりまずいのでは無いでしょうか？
倒れて落下し、蓋まで開いたドラム缶
この中には（低レベル）放射性廃棄物が入っていたのでしょう。
これまたまずいんじゃ無いでしょうか？
中越沖地震の後の柏崎刈羽原発の実情
以上の写真を見れば、中越沖地震で柏崎刈羽原発がかなりの打撃を受けたことは明らかです。そして日本では中越沖地震の桁違い（10倍以上）のエネルギーレベルの地震が過去に何度も起きています（・・関東大震災、十勝沖地震、東日本大震災・・）。これからも起こるでしょう。
（小出裕章さん得意の広島原爆とのエネルギー比較）
小出裕章さんによると電力会社や政府の宣伝とは裏腹に日本の原発技術は世界的にみて高くありません。仮に最高レベルだとしても、巨大地震によるシビアアクシデントは防げないでしょう。
早いところ全ての原発を廃炉にしなければ、また福島第一原発の二の舞です。こんな日本に誰がした？
記事後半の参考文献は小出裕章さんが、講演された 【第105回 原子力安全問題ゼミ ・中越沖地震と原発耐震設計】の資料です。
写真・画像が多く、短時間で見れますので、写真や画像だけでも是非見てみてください。 今回使用した中越沖地震での柏崎刈羽原発の被害写真もここから拝借しております。
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しかしその後、志賀原発でも柏崎刈羽原発でも異常が確認されています。「現時点では異常ないことを確認」ではなく「現時点ではまだ確認作業が終わっていない」と発表すべきだったでしょう。しかも、今回の事故は直ぐに確認できたのではないでしょうか？電源が壊れたことが素早く確認され無くていい筈がありません。
確認して本部に報告されてから、本部で発表するか隠蔽するか相談しているように思えます。
危険極まりない急を要するかも知れない原発事故は、点検員が異常を発見した段階で、本部の判断を仰がずに、直ぐに発表する体制（法律の制定）にするべきでしょう。少なくとも第三者機関には即報告されて然るべきです。（日本の「第三者機関」では信用できないかも知れませんが・・）
1月1日能登半島で地震発生時の志賀原発
震源にかなり近かった志賀原発は、外部電源を受け取るための変圧器の一部が壊れて油が大量に漏れ出して使えなくなったが、他の系統で電源は確保されているとの発表です。更に、使用済み燃料プールから放射性物質を含む水が床面に溢れ出たとの発表です。
志賀原発は、1999年6月18日に起こした臨界事故を8年間近く隠蔽して非難されました。断層の問題もあって、当然、2011年の福島第一事故以来運転は停止されたままです。突然、今年2023年に、事故を起こした6月18日を事故隠しを忘れない記念日として「安全と公正・誠実を誓う日」に制定しました。岸田政権の原発回帰政策で、再稼働を狙った見え見えの記念日制定に見えます。兎も角、その事もあり、北陸電力は、今回の地震での事故の状況の写真を公開しました。この対応は東電よりはマシかもしれません。
さてその東電の柏崎刈羽原発ですが、今回の地震では、火災報知器が作動し、燃料プールから水が溢れ出たのを確認したけれど問題ないとの発表でした。今回の揺れの程度で深刻な事故になるようでしたら大変です。しかし、隠蔽体質から抜け出していない東電は信用できません。
2007年7月16日の新潟中越沖地震発生時の柏崎刈羽原発
前置きが長くなってしまいました。今回の記事は、巨大地震には原発は耐えられないという話です。
巨大地震とまでは言えないであろう2007年の新潟中越沖地震の時でさえ、東電の柏崎刈羽原発は大きな被害を受けていたのです。この被害を公表してしっかり反省して、脱原発に舵を切っていれば、福島第一原発の過酷事故も防げたでしょう。
中越沖地震で柏崎刈羽原発敷地内の波打つ道路。
当時こんな写真もドイツなどの新聞やテレビで報道された記憶です。
新潟中越沖地震の柏崎刈羽原発の被害は、敷地内で大小3100余りのトラブルや被害が確認されています。
当時、日本よりもヨーロッパのドイツなどで危機感を持って写真と共に大きく報道された記憶です。
中越沖地震で、柏崎刈羽原発の折れた消火栓の配管
配管が折れるってかなりまずいのでは無いでしょうか？
倒れて落下し、蓋まで開いたドラム缶
この中には（低レベル）放射性廃棄物が入っていたのでしょう。
これまたまずいんじゃ無いでしょうか？
中越沖地震の後の柏崎刈羽原発の実情
以上の写真を見れば、中越沖地震で柏崎刈羽原発がかなりの打撃を受けたことは明らかです。そして日本では中越沖地震の桁違い（10倍以上）のエネルギーレベルの地震が過去に何度も起きています（・・関東大震災、十勝沖地震、東日本大震災・・）。これからも起こるでしょう。
（小出裕章さん得意の広島原爆とのエネルギー比較）
小出裕章さんによると電力会社や政府の宣伝とは裏腹に日本の原発技術は世界的にみて高くありません。仮に最高レベルだとしても、巨大地震によるシビアアクシデントは防げないでしょう。
早いところ全ての原発を廃炉にしなければ、また福島第一原発の二の舞です。こんな日本に誰がした？
記事後半の参考文献は小出裕章さんが、講演された 【第105回 原子力安全問題ゼミ ・中越沖地震と原発耐震設計】の資料です。
写真・画像が多く、短時間で見れますので、写真や画像だけでも是非見てみてください。 今回使用した中越沖地震での柏崎刈羽原発の被害写真もここから拝借しております。
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