静岡県知事辞任とリニア
静岡県の川勝平太知事が4月1日に新規採用の県職員に対して行った訓示が職業差別発言だとして批判を浴び、翌日辞職の意向を表明しました。確かに不必要な職業比較をした不適切発言で、批判されるのも仕方ないと思います。批判は他の多くの人達がしています。私は敢えて書きません。自民党の裏金議員の方が遥かに批判されるべきでしょう。
この批判に便乗した形で、テレビでも新聞でもネットでも、川勝知事がリニア中央新幹線の静岡工区での着工に反対してきた事まで批判しているものが結構見受けられました。あたかも彼だけが反対してリニア工事の着工を阻止して来たような報道ぶりでした。大井川流域の人たちの暮らしを守り南アルプスの環境を保護するという理由で、住民の意向を受けて反対して来たはずです(私も反対です)。川勝知事の後を引き継ぐ静岡県知事は、是非ともリニア反対も引き継いで欲しいものです。川勝知事のように途中で投げ出さずにもっとしっかりと反対を貫いて欲しいと思います。
「国土交通省のある幹部は『中央と闘う知事』を装うことで、政治的な求心力を保とうとしたのではないか。工事が何年も遅れ、工費が膨れ上がった。それはもう取り戻せない」と恨み節を漏らした。」
と言う記事がありましたが、この国土交通省の幹部は、ただ単に自分に与えられた仕事をこなそうとしているだけではないでしょうか?リニアモーターカーの負の側面に目をつぶって、これから先、リニアが大問題を起こそうとも、後の世代の負の遺産にろうとも、責任を取るどころか責任を感じもしないのではないでしょうか?そう、リニア中央新幹線は、採算も合わず、環境を破壊し、負の遺産になることはほぼ間違いないでしょう。大阪万博と共通です。かつてJR東海社長は「リニアは絶対にペイしない」と断言しました。国交省の職員も「どこまで行っても赤字」と述べています。リニアモーターカーはコンコルド効果の典型例です。【リニアはコンコルド】2020/10/17
リニア新幹線の問題は沢山ありますが、それは過去記事【リニアはコンコルド】2020/10/17に任せます。
ここでは過去記事【リニアは原発稼働を推進する】2020/10/19 に書いた原発との問題だけ強調して繰り返させて頂きます。そう、リニアは、超伝導磁石で車体を浮かせて走行するので莫大な電力を消費します(人数当たり、在来新幹線の数倍)。リニア中央新幹線が運行されれば、リニアの為だけに100万KW級の原発数基分の電力を消費することになるのです。リニアの為に原発が再稼働、若しくは増設されることにもなりかねないのです。リニアと原発はセットになっているのです。将来の世代に大きな負担を残す(日本が滅んでしまう可能性さえ孕む)負の遺産になるのです。
リニア中央新幹線と大阪万博とどっちがより愚かでしょうか?どちらにも共通なのは、将来的に負の遺産になることであり、これらの問題に対処する政治家に必要な資質は「撤退する勇気」でしょう。
「愚かさ」という意味ではどっちが上かは主観の問題ですが、「環境破壊」、「日本破局の危機」という意味ではどうしようもない大阪万博よりもリニア中央新幹線の方が遥かに危険でしょう。
にほんブログ村
- 関連記事
-
- 事故2ヶ月後の吉井議員の会見が凄い 2024/07/23
- 復興と脱原発の李 2024/07/17
- 続「令和のインパール作戦」 2024/05/31
- 埋めっぱなしで必ず漏れる。 2024/05/23
- 原子力は「令和のインパール作戦」か 2024/05/19
- 原子力緊急事態宣言は続いている。 2024/05/13
- 静岡県知事辞任とリニア 2024/04/05
- 原発推進のGX 2024/03/11
- 珠洲原発 2024/03/07
- 巨大地震に耐えられない原発 2024/01/05
- もっとおめでたくない記事への変更 2024/01/02
- 撤回すべきはどっちだ? 2023/10/11
- 日本政府が科学的か? 2023/09/29