下山ではいつも「足がガクガク」になる……
「下山時は必ずといっていいほど足がガクガクになる」 「休憩しようと立ち止まった瞬間に、足が勝手に震える」そんな経験はありませんか?
足への負担が大きい下りでは、 膝が笑ってしまう人も多いよう。足がガクガにならないように下るには、どうしたらよいのでしょうか。今回は、そんな悩みを解決するため、原因と改善方法を探ってみたいと思います。
登山の下りで「足がガクガク」するのはどうして?
まず知っておきたいのが、下山時に活動する筋肉のこと。
登山では荷物を背負った状態で坂道や不整地を歩き、長時間に渡って体を動かし続けることになります。そのため全身の筋力を使いますが、とくに重要だと言われているのが「体幹」と「下腿の筋力」です。
登山では筋力の活動量が倍に!
登山時の筋力を平地でのウォーキングと比べてみると、登りではお尻(大臀筋)が、下りではお腹(腹直筋)や太ももの前面(大腿四頭筋)の活動量が約1.5〜2倍に!
大腿四頭筋は、名前の通り4つの筋肉「中間広筋」 「内側広筋」 「外側広筋」 「大腿直筋」で構成され、膝を滑らかに動かす役割を果たしています。
なかでも太もも前面の内側にある「内側広筋」は、膝を伸ばすときに働き、登山の下りで適度にブレーキをかけながら降りる動作で重要な筋肉。日常では、階段の上り下りやランニングで使われていますが、運動不足の人はこの筋力が衰えていることも。筋力不足の状態で、登山の下りのような運動を長時間続けると、「内側広筋」に疲労が蓄積。脚がガクガクしたり、膝痛や筋肉痛が起こったりするのです。
つまりは筋力不足……でも筋トレは嫌い!
足がガクガクする原因はまさに筋力不足。そう分かってはいても、トレーニングはなかなか継続できなかったりしますよね。下りの歩き方などで予防できる方法はないのでしょうか。
日々山に登っている人なら何か秘策を知っているかも!?ということで、山岳ガイドさんに聞いてみました。
山岳ガイドに聞いた! 足がガクガクにならない下り方のコツ
編集部員
ないですね~!根本的には筋力です。
編集部員
サポートタイツを穿いて、筋肉のブレを抑えてあげるといいですよ。あと、同じ筋肉を使わないように横向きに行ったり、小さく左右にジグザグで歩くのも◎。
編集部員
気持ち前の方がいいですね。重心を後ろにすると、斜度が急な場合、かかとから滑ってしまう可能性があります。やや前気味に重心を置いて、小さく小さく小股で歩くのがポイントです。
編集部員
ただし、どれか1つだけやっても意味はないと思いますよ。サポートタイツを穿いて、歩き方も意識して。総合的に取り入れた方がいいですね。とはいっても、これは即時的なことだから、結局は筋力をつけなきゃダメなんです。
編集部員
【教えてくれた人】
熊田 光治(社団法人日本山岳ガイド協会認定国際ガイド/フランス国家認定アルパインガイド)
大腿四頭筋の負担軽減に必要なことは2つ!
経験豊富な山岳ガイドをもってしても、歩き方だけでは足のガクガクは避けられません。登山をより快適に行うためには、以下の両方を意識することが大切です。
【1】大腿四頭筋のトレーニングで筋力アップ
【2】大腿四頭筋に頼りすぎない歩き方をすること
ここからは、それぞれを詳しく見ていきましょう!