アイキャッチ画像出典:PIXTA

登山を始めたばかり…服装はどうすればいい?

登山を始める時に最初にぶつかる壁、それは「服装」がわからない…ということ。登山用の服装がいいのはわかってるけど、一気に全部は揃えられない…。そんな時はどうすればいいのでしょう?
観光で行ける山は、ルートによっては普段着でもOK

高尾山や六甲山など、ケーブルカーやリフトがあり、道が舗装されているルートであれば普段着でも登ることもできます。ただし、ヒールやサンダル、スカート等は避けましょう。歩きなれたスニーカー、動きやすい服装、天気が変わった時のための防寒着や雨具などは忘れずに持って行きましょう。
▼「登山用」の道具じゃないと登山って楽しんだらダメなの?
登山を続けよう!と思っている人は、徐々に揃えて

上にあげた高尾山などの山以外であれば、きちんとした登山用の服装で登りましょう。登山メーカーから販売されているウェアは、山で快適に過ごすための工夫が細かいところまでなされています。少しずつでもいいので、揃えていくことをお勧めします。
登山の服装選びは「素材」と「重ね着」が重要ポイント

登山用の服装といっても、どんなものを選べばいいのでしょうか。山では、汗や雨などで濡れてしまうと体が冷えてしまい、低体温症や事故の原因になってしまうことがあります。そのため、この「濡れ」を防ぐために、服装選びで抑えるべきポイントが2つあるのです。
- 吸水速乾性に優れたウェアを選ぶ
- 登山の服装の基本である「重ね着」をマスター
それではそれぞれ詳しくみていきましょう。
《1》吸水速乾性に優れたウェアを選ぶ

先述の通り、山登りによってかいた汗を服が吸収したまま乾かないと、体が冷えてしまい低体温症の危険が。そのため、汗を吸収し拡散させてくれる素材「吸水速乾性」に優れた、化学繊維(ポリエステルなど)のものがおすすめです。
絶対に避けたいのは、乾きにくい「綿」。洗濯表示タグを見て、素材を確認しましょう。
▼綿素材がNGな理由をもっとよく知りたい人はこちらをチェック
《2》登山の服装の基本である「重ね着」をマスター
季節によって服を変えるというより、重ね着をして体温の調節を行えるようにするのが基本。この重ね着のことを登山では「レイヤリング」といいます。
標高が高くなるほど気温は下がり、高さ100mで0.5度~0.6度も低温になるので、夏の暑い季節でも必ずレイヤリングを取り入れましょう。
登山のレイヤリングでは主に3枚のウェアを重ねるのが基本です。

直接肌に着用する①ベースレイヤー、体温を調整する役割をする②ミドルレイヤー、風や雨、雪から身を守るための③アウターレイヤーとそれぞれ役割が異なります。

吸湿速乾性に優れたこれら3つのウェアを用意するのがおすすめ。腕の日焼けを防ぐために夏でもベースレイヤーに長袖シャツを着る場合や、低山であれば冬でもアウターレイヤーはレインウェアで十分な場合などもあるので、自分の行く山やシーンでチョイスしましょう。
▼レイヤリングについてもっと詳しく知りたい人はこちらをチェック
では実際に、季節ごとにおすすめのウェア《ベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターレイヤー》を紹介していきます。
夏の登山の服装

夏はかいた汗を素早く外に逃がしてくれる、速乾性が特に大事です。重ね着すると暑そう!と思うかもしれませんが、夏でもレイヤリングすることによって汗冷えを防ぐことができます。
夏のベースレイヤー
汗を多くかく夏は、化繊素材の半袖のものをおすすめします。登山・スポーツメーカーから出ている肌着がおすすめです。
夏のミドルレイヤー
チェックシャツなど、吸収性が高いポリエステル素材のものを着て紫外線防止にもつなげましょう。
コロンビア シルバーリッジユーティリティライトプレイドロングスリーブ
素材 | リサイクルポリエステル100% |
---|---|
カラー | Dark Stone Dispearsed Plaid Night Wave Dispearsed Plaid City Grey Dispearsed Plaid |
UVA,UVBの両方の紫外線をブロック、山の強い紫外線から肌を守ってくれるトレッキングシャツ。
吸湿速乾機能をもつ素材を使い、背面にはスリットを設けて衣服内に熱がこもりにくいよう工夫されています。
口コミ・レビュー
・生地がサラっとしており、肌触りが良い。
・袖をたくし上げてベルトで固定可能。
・上から2つがスナップ式のボタン。
・背中にベンチレーション。
暑かったり肌寒かったり、春先から夏に最適です。
身長173cm、体重73Kgの私で「Mサイズ」でした。
出典: コロンビア公式サイト
夏のアウターレイヤー
着用していく必要はありませんが、予備としてフリースや雨具は必ず持って行きましょう。山の天気は変わりやすいため、油断は禁物です。
モンベル ストームクルーザー ジャケット Men's
素材 | ゴアテックス ファブリクス3レイヤー[表:20デニール・バリスティック®ナイロン・リップストップ] |
---|---|
耐水圧 | 50,000mm以上 |
透湿性 | 35,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法) ※参考値 |
重量 | 254g |
カラー | ブラック(BK)、カーキ(BNKH)、ダークグリーン(DKFO)、ブルーグリーン(DKTL)、イエロー(MST)、ブルー(PB/SO)、レッド(RD) |
世界的に有名な防水透湿素材ゴアテックを使ったアウターレイヤーです。レインウェア、ウインドブレーカー、防寒着として活躍。
春・秋の登山の服装

春や秋でも、標高の高い山の上では気温がかなり低いことも。街中が暖かくても油断せず、保温性能のある服装を選ぶことが重要です。
春・秋のベースレイヤー
春や秋の山は気温が低いことも多いです。長袖のウール入りのものや、中厚ぐらいの暑さの肌着を選びましょう。
春・秋のミドルレイヤー
春や秋の山の寒さをしのぐために、フリースなどを着て保温力を保つことが大切です。
春・秋のアウターレイヤー
ソフトシェルのアウターか、化繊インサレーション形のミッドウェアを用意しておくのをおすすめします。
ノースフェイス スワローテイル フーディー レディース
冬の登山の服装

冬の服装に保温性が必要なのはもちろんですが、吸湿速乾性も大事。動いている間に汗をかくので、速乾性がないとその汗が体を冷やし、低体温症の要因にもなってしまいます。保温と速乾の2つを兼ね備えた服装を選びましょう。
冬のベースレイヤー
肌着を2枚重ねにして着用したり、ウールのものを選ぶことをおすすめします。
アイスブレイカー 200 オアシス ロングスリーブ クルー メンズ
素材 | 200g/m2 Jersey(ウール100%(メリノウール)) |
---|---|
カラー | グリッドストーンヘザー、ミッドナイトネイビー、ブラック、ローデン、アンダイド |
汎用性の高い中厚手のベースレイヤー。メリノウール100%で、肌に直接触れてもチクチクしにくい優しい肌触りが特徴です。
冬のミドルレイヤー
ダウン系のミドルレイヤーは小さくコンパクトになり軽量です。暖かいので厳しい冬の登山におすすめです。
冬のアウターレイヤー
ゴアテックス素材のウェアは、雨や風を防いでくれる優れものです。厳しい冬山には、高額でも機能性を重視してハードシェルを購入しましょう。
マムート Nordwand Pro HS Hooded Jacket Men
素材 | • ライニング 1 (B2B): gore-tex(R) pocket liner 3-layer • Denier (main material): 80Dx80D • Main Fabric 2 (B2B): gore-tex(R) 3-layer with c-knitTM technology stretch • Main Fabric 1 (B2B): gore-tex(R) pro 3-layer with solution-dyed backer • GORE-TEX(R) Pro Sustainability • bluesign(R) PRODUCT • リサイクル • Fair Wear |
---|---|
カラー | arumita-azurit、tarn-azurit、night |
スイスの山岳ガイドの意見を取り入れた、極限のアルパイン遠征に最適なハードシェルジャケット。
登山靴やリュック(ザック)の選び方

服装と同様に大切な登山靴とリュックの選び方。デザインだけで決めるのではなく、自分に合ったものを購入するための選び方を知っておきましょう。
登山靴の選び方

登山用の靴を選ぶ際には、必ず試着をしてからにしましょう。各メーカーによって靴の形が違います。人の足の形は千差万別ですので、自分の足に合うものを見つけないと長時間の山登りはただの苦行に…。また、スニーカーは滑りやすく危険なので避けてください。
キャラバン トレッキング シューズ ユニセックス
▼登山靴って高い…。スニーカーじゃなぜダメ?
▼登山靴はサイズ選びが重要!

リュックの選び方

リュックは、必ず背面長を調節して自分にフィットするかを確認します。さらに荷物の重さを分散させてくれるヒップベルトは短すぎないか、長すぎて緩くならないかをチェック。背中と肩部分もフィットしているか確認しないと、登山中に摩擦で擦れたりして痛い思いをします。
アウトドアショップで試着してからの購入がおすすめです。
ミレー サースフェー NX 30+5
素材 | コーデュラ®オックス 210D ナイロン100% / 耐水1,500 |
---|---|
容量 | 30+5L |
重量 | 1500g |
サイズ | W29_H65_D16cm |
ハイキングから本格縦走まで対応するミレーのロングセラーモデル。
ヒップベルトのポケット、ザックを背負ったまま水筒を取り出せるサイドポケット、ショルダーハーネスにもペットボトルなどを収納できるポケットが付き、行動中の物の出し入れもスムーズに。
口コミ・レビュー
背面のメッシュと凹凸形状のおかげで、汗や熱がこもるのを気にせずに背負えるのが本当に便利。
ただしその形状のせいでバランスが悪くてザックが自立しないので、内部の物を出し入れする時にザックが倒れないように気を付ける必要がある。
他に、ウェストや肩のベルトに付いてる収納は便利だがザックの内部にはポケットが無いので、小物の収納は100均の小分け袋などが必須になると思う。
出典: Yahoo!
グレゴリー ズール30(メンズ)
容量 | SM/MD 28L MD/LG 30L |
---|---|
重量 | SM/MD 1.38kg MD/LG 1.42kg |
長時間の日帰りハイク、山小屋1泊におすすめのザック。ショルダーハーネスとヒップベルトで荷重を分散し、快適な歩行をサポートします。
▼なぜ”登山用”じゃないとダメか知ってる?
▼リュックの選び方はプロに聞いてみよう!
▼おすすめのリュックをもっと見たい人はこちら
GPSアプリやココヘリも忘れずに!
登山に行くときは、服装だけでなく遭難対策も忘れずにしましょう。特に、山岳遭難は毎年3000件ほど起きており、4割が道迷い遭難です。登山時には必ずGPSアプリなど地図の準備はしておきましょう。
また、もしもの遭難時に、登山者を早く見つけ出すことに特化したサービス「ココヘリ」も登山の新常識となりつつありますよ。
お気に入りのウェアやギアで登山を楽しもう!

ベースレイヤー1枚でも間違った素材を着用してしまえば、命の危険にかかわります。素材選びには細心の注意を払いましょう。
お気に入りの服装で山へ出かけて、思い切り登山を楽しみましょう。