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レイヤリング アイキャッチ

登山入門|快適登山は「レイヤリング」が9割!初心者が覚えておきたい考え方の基本を徹底解説

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登山の服装は「レイヤリング(=重ね着)」が基本。「アウターレイヤー」「ミドルレイヤー」「ベースレイヤー」などといった、役割の異なるウェアを状況に応じて組み合わせ、山のさまざまな環境に適応するテクニックです。どんな服を、どうやって、どんな場面で重ね着するのか?レイヤリングの基本的な考え方と注意点、各ウェアの特徴を紹介します。

目次

アイキャッチ画像撮影:筆者

快適な登山に欠かせない「レイヤリング」とは?

レイヤリング 導入

撮影:筆者

山の天気は変わりやすく、標高や天候、気温や体温の変化に合わせたウェアの調節が基本です。この登山の環境に適応したウェアの組み合わせを「レイヤリング」といいます。いわゆる「重ね着」のこと。

レイヤリング リスク

作成:筆者

レイヤリングは体温を低下させないことが最大の目的です。登山中の雨や風、標高が上がることによる気温の低下、運動によって生じた汗の冷えは瞬く間に体の熱を奪い、山中での行動不能・低体温症など遭難の危険性を高めます。

レイヤリングをする登山者

撮影:筆者

こうしたリスクを軽減し快適な登山を楽しむためにも、登山の服装は「レイヤリング」を意識することが大切。

この仕組みが整っていれば「熱くなれば脱いで、寒くなれば着る」というこまめな体温調節が容易になり、山で起こりうるさまざまな環境での対応が可能となります。

基本となるのは機能の異なる“3+1”の層

レイヤリングの種類

撮影・作成:筆者

レイヤリングは「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」の3レイヤーを基本構成とし、近年ではベースレイヤーの下に「ドライインナー」を加えた4レイヤーの考え方が主流となっています。

アウターレイヤー:雨や風など、外気から身を守る層。ミドルレイヤーから移行された汗を「透湿」する役割も備えている

ミドルレイヤー:ベースレイヤーとアウターレイヤーの中間に着る層。レイヤリングの調整役で、保温と汗処理が役割。ミドラーやミッドレイヤーとも呼ばれる

ベースレイヤー:かいた汗を吸い上げて拡散し、肌をドライな状態に保つ。

ドライインナー:汗を素早く肌から離して上層へと移行。汗の不快感や汗冷えを軽減してくれる

レイヤリング 構造

作成:筆者

この4レイヤーが機能することで、肌から出た汗はウェアを通り抜けて外へと拡散。ミドルレイヤーが体を保温し、アウターレイヤーが雨や風から体温低下を防ぐなど、山の変わりゆく天候に適応するためのシステムが生まれます。

レイヤリング 着脱イメージ

作成:筆者

例えば、気温の低い朝などはミドルレイヤー着て出発。気温が上がったらベースレイヤーで行動し、標高が上がり寒くなってきたら再びミドルレイヤーを着用。雨が降ればアウターレイヤーを着るなど、その時々の状況に合わせて着脱をし、体温を適切な状態に調節します。

レイヤリングに「絶対大丈夫」はない。自分に合った組み合わせを

レイヤリング 正解はない

撮影:筆者

とはいえ夏と冬、低山とアルプスでも気温や環境はまったく違います。レイヤリングは「この組み合わせなら絶対に大丈夫」というものはなく、人によっても正解は異なります。

そのため、行く山の時期や標高などによって、それぞれのレイヤーからさらに自分に適したウェアを選ぶ必要があります。ここからはそれぞれのレイヤーの役割、種類や使用されている素材の特徴などをみていきましょう。

①ベースレイヤー|肌に近いレイヤリングの下地

ベースレイヤー 説明

作成:筆者

レイヤリングの下地ともいえる、肌に近い位置に着用するウエア。体温低下を招く大きな要因「汗冷え」を防ぐ役割を担い、汗を吸い上げ素早く乾かす「吸水速乾」が求められます。

3種の形状が基本。シーンに合わせて選択を

ベースレイヤー 形状

撮影:筆者|「半袖」「長袖」「ジップネック」の形状が一般的。

半袖は涼しく動きやすいですが、肌が露出しているので日焼けに注意。長袖は日焼けや虫刺されに有効で、腕まくりをすれば半袖になるため汎用性は高いといえます。ジップネックは胸元まで開放できるファスナーがあり、体温調節に向いています。

ベースレイヤー ピチッと着たい

撮影:筆者

ベースレイヤーは汗を効果的に吸うためにもフィットしたサイズ選びが大切。ゆったり見せたい場合はピタッとしたベースレイヤーの上にTシャツなどを重ね着するとよいです。

好みに応じて素材を選ぼう

撮影:筆者

素材は主に「化繊」「ウール」「ハイブリッド(化繊とウールの混合)」が使用されています。

<化繊>
もっとも広く扱われている素材で、汗を素早く蒸発・拡散しドライ感が保たれやすい。比較的安価で耐久性が高い

<ウール>
濡れても“ひんやり感”が少なく、汗がニオイにくい。天然繊維なので洗濯方法に気をつける必要がある

<ハイブリッド>
化繊の「速乾性」とウールの「保温・濡れの強さ」をいいとこ取りをした素材。バランスがいいで使い勝手が良い

洗濯タグ

撮影:筆者

これはすべてのウェアに共通することですが、綿(コットン)素材は登山に適していません。水分を吸収しやすく乾燥しにくいため、急速に体温が奪われてしまい危険です。

また<ユニクロ>のヒートテックインナーなど、「レーヨン」が含まれたウェアも登山には向いていません。少し値は張っても、アウトドアブランドの製品を選ぶのが安心です。

厚みを選んで必要な温かさをチョイス!

ベースレイヤー 厚さの違い

撮影:筆者|<モンベル>の「厚手(写真上)」と「薄手(写真下)」のベースレイヤー。体感的な温かさも大きく異なる

多くのメーカーではベースレイヤーに「薄手」「中厚手」「厚手」などの“厚さ”が設定されています。夏山であれば「薄手」、春・秋や3,000m級の山であれば「中厚手」がおすすめ。「厚手」は使い道が冬などの時期に限定されてきます。

「ドライインナー」を組み合わせてさらに快適に!

ドライ系アンダーウエアの着用

撮影:筆者|ファイントラックの「ドライレイヤー®︎」は、撥水処理された生地により汗戻りを抑制。汗が残らず不快感・汗冷えを軽減します

今ではレイヤリングの基本にもなっている「ドライインナー」もぜひ揃えておきたいアイテム。ベースレイヤーのさらに下に着るウエアで、肌をよりドライに保ち、ベトつきや汗冷えを限りなく軽減してくれる機能をもっています。

②ミドルレイヤー|レイヤリングのバランスを保つ調整役

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