ターフの上のシーグラス 感想
- 2023/07/23
- 20:30
>「ある馬が記憶に残る瞬間」。マイナー血統・見た目に目立つところのない鹿毛の馬体、一頭の地味な牝馬ナギノシーグラスの競走馬生を、競馬を観戦する一般人視点で新馬戦から描いていく連作短編。どこにでもいる人々が、ナギノシーグラスという競走馬を応援したり応援しなかったり、馬券の買い目に入れたり自分と重ねたりする。
華やかな血統とか名伯楽の目に留まったとか、そういう劇的な出自はなく見た目も特徴のない牝馬に心惹かれた人達の物語。
架空馬作品でファン視点が描かれるのは珍しくないが本作は全編に渡ってファン目線の群像劇。年齢や性別、職業などまったく異なる人々のオムニバス。
好きになるきっかけも千差万別。登場人物全員にそれぞれの人生があり読み応え抜群。望さんを最初男だと思ってて申し訳ない。
エリ女の時の奈津さんの語りが胸に響く。
自分はこれを読んでウイポを再開した(隙自語)
善戦馬は自分も好きだけどリアルだとほら、あれじゃん。藤野兄が言ってたみたいな事がざらにあるし。
その点、創作だとそう酷い事にならないだろうという安心感があるので素直に応援出来る。
未勝利で10戦も燻ってた牝馬が京都大賞典で4着……エエヤン(シルステ産駒)
そして翌年には勝利するんだから堪らない。
>この展開を設定することができたのは、7歳で2017年京都大賞典を勝利したスマートレイアー姐さんがいたからです。感謝。ちなみに現地で見てました。かっこよかった…
レッツゴードンキ&モズカッチャン「流石はお姉様」
架空馬物はラストランを勝って有終の美を飾るパターンが多いが、シーグラスは見せ場は作るけど世代のトップには及ばないというポジションの方が「らしい」
愛知杯の時、未勝利の頃から追ってたフユイさんを祝福してたネットの住人は新馬戦の頃からのファンの存在を目の当たりにするんだよな。妙な盛り上がり方してそう。
俺があの世界にいたらウイポでヤマオロシとシーグラスの産駒を作ってたかも。そして水野騎手を主戦にする。
描写は少ないけどアカシやサンドリヨンなども印象に残っている。ポセイドンも娘の活躍で多少なりとも種付け数が増えてるといいな。