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はのねののはそ

< 2014年06>
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てぃーだイチオシ
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siekrito

観光客が記念撮


網走原生花園に着きました。
原生花園駅は無人で、観光客が記念撮影をしたり、線路に寝転んだりしています。
もちろん、私達も線路に横たわりました。
真夏の日差しの中、陰になっていたレールの冷ややかさはとても心地いいものでした。

満開の季節にやや遅れた私達は、ハマナスの咲き誇る姿を見ることは出来ませんでしたが、あちらこちらに咲いているいろいろな花を見れて満足はしました。

「知床の岬に行くのなら、乗せて行ってやる。」とここまで乗せてくれた車の家族が言ってくれたのです。

知床の岬まであと僅かとというところで、<霧の為、此れより先通行止め>の看板が立っていました。
森繁久弥の知床旅情に出てくるハマナスや岬も観ることを諦めることになります。

この後、留辺蘂から来て刑務所で私達を乗せてくれたその家族は、屈斜路湖と摩周湖を観て家に帰ると言うので同行させてもらいました。

日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖は、流石としか言い得ぬほどの存在感があります。
ただ、外観的にはクッシーの屈斜路湖より、トッシーの洞爺湖の方が美しく見えました。
世界最大のカルデラ湖はインドネシアのトバ湖ですが、実際は桜島を中島とする錦江湾が世界最大といわれたこともあります。ただ、水が海水で海との境が大きすぎる為、認められなかったと聞いたことがあります。

摩周湖に到着です。
ここは前日まで雨で、七日ぶりの晴天だったそうです。
なんとタイミングがいいのでしょう。
私達は、雨にも降られずにきた為気付かなかったのですが、知床も雨上がりで霧がたちこめていたのでした。
摩周湖も、まだ水面には霧が残っています。
霧の合い間からの覗く水面は、とても青々して今にも吸い込まれてしまいそうな気がしました。

親切な家族と別れるときが来ました。
私は、その家族の子供(私にとっては異性の同級生)と住所の交換をし、一年程文通をすることになります。
厚くお礼を言い、私達は別れました。

はねぬは

言葉はよく覚え


いまでは、いちばん古い記憶かもしれない。
祖父に力づくで押さえつけられて、灸をすえられたことがあった。
だからずっと、祖父のことを恐い人だと思っていた。
その後は離れて暮らしていたので、長いあいだ祖父には会うことがなかった。

高校生になり一人で旅行ができるようになって、10年ぶりに祖父と会ってみると、おしゃべりな祖母のかげでただ黙っている、そんなおとなしい人だった。
夏休みの短い期間だったが、無口な祖父と無口な高校生では会話も少なかった。だが気がつくと、祖父はぼくのそばに居ることが多かった。なにか用があるのかと思うとそうでもない、ただ黙って居た。
そんな祖父だったから、その口から出た少ない言葉はよく覚えている。
それは、ぼくの父のことだった。父はよく障子や襖にいたずら書きをする子どもだったという。叱るまえに見入ってしまうような絵だったので、叱ろうとするときにはすでに逃げ出していたという。
息子のいたずらには、灸をすえることも出来なかったようだ。
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