はねぬは
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『天真爛漫ちゃらんぽらん』のごんべさんは、
ご自分のことをこう書いておられた康泰旅行團。
どんなに有名な店で、その料理がすばらしく美味かろうと、
人の列についてまで、食い物を待ってまで食うということができない人なのだ。
このくだりを読んで、はたと十数年前のある思い出がよみがえった。
北風が吹くちょうどこんな季節だった。
たまたま荻窪に降りる用があり、空腹だったのでラーメンを食おうと決めた。
駅近くには、ラーメン好きなら誰もが知っている店が何軒かあり、
そのうちの一軒を探して店の引き戸を開けた。
カウンターだけの店内は満席で、食事中のお客の後ろには順番待ちのお客たちが立っていた。
初めてなので、どうしていいかわからずにいると健康減肥、
姉さん被りにエプロンのオバサンが手首から先をヒラヒラ振って、
「立つ場所はもうないから外で待って。食べてるお客さんが寒いから戸はちゃんと閉めて」
「冗談じゃねえ」
思わず怒鳴ってしまった。寒風の中で待ってまで食えるか。
江戸っ子でもないくせに、怒るとベランメエ口調になってしまうからお笑いなのだが。
それから数年後、また荻窪で降りたので、その店に行ってみた。
たまたまなのかわからないが、並ばずに入ることができ、手首ヒラヒラのオバサンもいなかった。
評判がいいというラーメンを注文したが、不思議に「うまい」とは感じなかった。
もちろん、まずいわけでもないのだが‥‥。
やはり食べ物は、舌ではなく想いで食うものかもしれない。
中太ちぢれ麺を食べながら、そんなことを考えた。
以来、一度もその店には行ったことはない支付寶充值。
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