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【カブール=吉形祐司】アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバン暫定政権が3日、例外的に許可していた看護師や助産師を育成するための女子教育を禁止したことが、複数の学校関係者や学生らの証言でわかった。厳しいイスラム法の適用で、男性医師は女性の診察ができないため、現状が固定化すれば、女性の受診機会に深刻な影響が出るのは必至だ。
禁止は3日朝、各医学校で個別に通告された。女子学生は帰宅を命じられ、「追って通知があるまで」自宅待機となった。全国一斉の措置とみられ、本紙の取材に各地の複数の医学校関係者が同様の対応がとられたと証言した。タリバン暫定政権は公式に発表しておらず、理由は不明だ。
タリバン暫定政権は2021年の実権掌握後、中学以上の女子教育を禁止した。男性医師による女性の診察ができないことから、看護、助産、歯科の3分野に限って女子教育を認めてきた。
しかし、中学以上の女子教育を禁じたことで、医学校への進学に必要な高校卒業の資格が取得できず、将来は女性の医療・保健従事者が不足することが懸念されていた。医学校での女子教育禁止で、女性の教育機会は一層、限定されることになる。
首都カブールの私立医学校で看護を学ぶ女性(20)は「いつまで待てばいいのか。クラスの皆が泣いていた」と語った。
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