底冷えする日没後の体育館、古いものから食べる「ローリングストック」…厳寒の避難所生活を体験
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2011年3月の東日本大震災や24年1月の能登半島地震の被災地では寒さ対策が課題となった。北海道では、冬季に最大クラスの日本海溝・千島海溝地震が起きた場合、発生直後の釧路市の避難者総数は人口の約8割の12万2000人と想定される。避難所生活の体験会が同市で開かれ、主催した実行委員会は「改めて備えを見直し、防災力を高めてほしい」と呼びかける。

釧路市の平均気温は12月~3月は氷点下となり、厳寒での避難生活が予想される。釧路短大で行われた体験会には市民ら約50人が参加。電気やガス、水道が使えない想定の体育館では、薄暗い中で簡易ベッドを組み立て、食事を取りながら一夜を明かした。

参加した同短大1年の学生(19)は「昼間は暖かい日でも日没後の体育館内は底冷えがする。いざという時のために自宅でも非常食などを備えたい」と話した。
社会福祉協議会で長く勤務した釧路市防災士ネットワークの小野信一代表(68)は、冬季は低体温症への注意を指摘する。首回りや足元を温める服装が必要で、「避難中にぬれたり走って汗をかいたりした時のための着替えが欠かせない」と強調した。
家庭では、普段から食品を多めに買い置きし、古いものから食べていく「ローリングストック」を勧める。平時と非常時のフェーズ(場面)を切り分けず、非常時にも役立つ日常使いの品をそろえる「フェーズフリー」の考え方にもつながり、食べ慣れた食材や使い慣れた道具は災害時の安心につながるという。
小野さんは「役所の職員らがすぐに避難所に駆けつけられないことが想定される。自分たちで運営する場面も多く、普段から意識を高めてほしい」と呼びかけた。




























