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政府は、大量のプラスチックを使用する製造業に対し、再生材の使用量の目標設定や使用実績の報告を義務化する方針を固めた。国内で回収される使用済みプラスチックは大半が焼却処分されており、規制強化で脱炭素化を後押しする。早ければ来年の通常国会で資源有効利用促進法の改正を目指す。
現在は数値目標のない努力義務にとどまっており、経済産業省の有識者会議は月内にも、目標量の設定や定期的な報告を求める内容を盛り込んだ中間取りまとめを決定する方針だ。
規制強化の対象となるのは、自社製品の製造過程で一定量のプラスチックを使用している業種だ。経産省などによると、包装・容器や電気・電子機器、自動車、建材などで消費量が多く、これらの業種が対象として指定される可能性がある。
改正法は、業種ごとに再生材の使用拡大に向けた工程表の策定を求め、各社の目標設定の目安とする方向だ。使用実績の報告を義務づけ、取り組みが不十分な場合は改善を勧告・命令する。命令に従わない場合は罰則の適用も検討する。法改正後、一定の周知期間を経て数年以内に実施する。
プラスチックは回収が進む一方、その多くが発電などの燃料として活用されているのが実情だ。一部は輸出されており、国内で別の製品に再利用されるのは1割未満にとどまっている。焼却で大量の二酸化炭素(CO2)を排出するため問題視されていた。
欧州連合(EU)は、2030年頃までに新車生産に使うプラスチックの25%以上を再生材とすることを義務づけるなど規制を強化している。対策が遅れれば、日本製品が海外市場から締め出される懸念がある。
プラスチックや金属などを再利用する動きは「サーキュラーエコノミー(循環経済)」と呼ばれ、各国が取り組みを進めている。