水島地域 経済

水島地域

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 08:55 UTC 版)

経済

商業

常盤町商店街

水島の街は1960年代、好景気に沸く工業地帯に支えられ商店街・映画館を含む歓楽街など一時期は倉敷市街をしのぐ活気をみせたが、1970年代に入ると全国の地方都市と同様に衰退。1990年代後半以降、ダイエーサティ等の大型店の閉店が相次ぎ、街全体が求心力を失っていった。現在の商店街に至っては、人影が疎らで閉鎖された店舗も多い。

一方、郊外の幹線道路沿いは近隣商業地と準工業地で占められ地価が比較的安く開発が容易であるため、中型のショッピングモールスーパーマーケットが分散立地し、地元のニシナ百貨店をはじめ県内外のスーパーも加わりオーバーストアになっている。また、2008年に水島駅から西へ徒歩5分の市街地にあったジャパンエナジー社宅跡にイオンタウン水島が開店したが、イオンモール倉敷程の集客力はなく、多くの客が自家用車で来店するため街の活性化に貢献しているとは言いがたい状況にある。

いずれにしても、かつての様な活気のある商業集積地はできにくい状況にある。

水島地域の主な商業施設

水島駅前再開発

1980年代に水島臨海鉄道の高架化工事と並行し、水島駅前再開発が行われた。通称「ノバシティ」は地元商店組合が設立した千鳥町開発と倉敷市が事業主となって、駅前広場を囲むように高層住宅、スーパー、ホテル等の一体的な整備を進めたが、計画性の甘さから入居者が集まらず、1998年には核テナントの「ダイエー」が撤退するなど、入居する店舗は僅かになった。

また1996年には、隣接する市有地に岡山県が福利厚生施設「水島サロン」を整備したが、利用者が少ないなど核施設としての機能を発揮できず、財政再建の煽りも受け、2010年3月末で閉鎖された。その後、倉敷市が同施設を県から譲り受け、「倉敷市環境交流スクエア」として2011年4月17日に再開された[9]

水島駅前はこれらの施設の整備により大きく姿を変えたが、駅前広場はタクシーが数台待機し、路線バスも時折停車するだけでターミナル駅として機能していないなど、閑散としているのが現状である。

工業

亀島山から撮影

岡山県の経済を支えている水島臨海工業地帯玉島地域を含む)、高度成長期に4万人まで膨れ上がった従業者数は不況の度に合理化が進み、近年は2万5千人を切っている。逆に製造品出荷額は、平成不況の際に大型事業所の閉鎖等の機能低下を免れたこともあり、2004年度には3兆円台(岡山県全体 約6.5兆円)まで回復、2006年度には4兆円台を突破し、全盛期に匹敵する勢いである。

水島地域の主な事業所

農業

もともと、農業干拓でつくられた水島の平野は現在でも倉敷市内有数の農産地で水田よりも畑作が盛んである。中でも連島地区はゴボウレンコンの名産地であり倉敷市が薦めている倉敷ブランドに指定されている。

その他ではダイコン、福田地区のショウガなど、連島・大平山山腹ではミカンの生産もされている。


  1. ^ 倉敷市は2011年3月に策定した「都市計画マスタープラン」[1] の「地域別まちづくりの方針<地域別構想>」[2] において、水島支所管轄エリアを水島地域と設定している。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l みずしま財団
  3. ^ a b c 岡山県大百科事典編集委員会編集『岡山県大百科事典』(1979年)山陽新聞社
  4. ^ a b c d e 岡山県編集発行『水島のあゆみ』(1971年)
  5. ^ a b c d e f 巌津政右衛門 『岡山地名事典』(1974年)日本文教出版社
  6. ^ a b c d e f g 下中直也 『日本歴史地名体系三四巻 岡山県の地名』(1981年)平凡社
  7. ^ a b 渡辺光・中野尊正・山口恵一郎・式正英『日本地名大辞典2 中国・四国』(1968年)朝倉書店
  8. ^ 当時の水島は、柏島もしくは乙島、あるいは両島周辺を指した。
  9. ^ 倉敷市ホームページ





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