説教と神学
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「ヘルマン・フリードリッヒ・コールブルッヘ」の記事における「説教と神学」の解説
コールブルッヘはオランダ国内で神学を研究するうちに1人のルター派神学者と対立するようになったので、オランダ改革派教会(Nederlandse Hervormde Kerk)への接近を試みる。しかし、オランダ改革派教会は彼の教師任職を許可しなかった。そのため、イサーク・ダ・コスタらの信仰復興運動グループ「レベイユ」(Réveil)と連携することにした。 コールブルッヘの有名な説教は、ローマの信徒への手紙7・14(「わたしたちは律法が霊的なものであると知っています。しかし、わたしは肉の人であり、罪に売り渡されています」)について語られたものである。 この説教を準備しているときに彼自身が出会った真理は、この御言葉においては霊的な律法と肉的な信者との対立関係が強調されているが、その対立関係は霊的な律法を成就なさったイエス・キリストの恩恵によって克服されている、ということである。 この説教の中でコールブルッヘが強調しているもう1つの点は、信徒自身は何ら聖なる者ではないし、そのままの状態であり続けるが、同時に彼らはキリストにあって(in Christus)聖化されている、ということである。 このような彼の徹底した福音主義は、19世紀の主流派の神学者の間では評価されなかった。しかし、オランダ改革派教会の保守的な信徒たちの中にコールブルッヘを支持する人々が現れた。 コールブルッヘの神学は、マルティン・ルターから非常に強く影響を受けている。エルバーフェルトでの説教の中で「自分の聖化を求めて努力する人たちの姿にこそ、人間の罪の根深さが露呈されています。その人達は、神を邪悪で不浄な存在にしています」と述べている。 また彼の説教は、1866年、1870年、1871年と、戦争の度に拡大していくプロイセン王国を「不信仰者を擁護する者」として告発するものでもあった。 コールブルッヘの徹底的恩恵論は、彼の書物を通して改革派神学の発展に非常に大きな影響を及ぼした。「カール・バルトとコールブルッヘの恩恵論はルターとカルヴァンの恩恵論の同一線上にある」という評価もある。オランダでは今でも「コールブルッヘ友の会」(vereniging van vrienden van Kohlbrugge)の集会が定期的に開かれている。
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