田中文雄とは? わかりやすく解説

田中文雄(たなか・ふみお)


田中文雄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/29 23:30 UTC 版)

田中 文雄 たなか ふみお
別名義 滝原満、草薙圭一郎
生年月日 (1941-09-22) 1941年9月22日
没年月日 (2009-04-12) 2009年4月12日(67歳没)
出生地 東京都
国籍 日本
職業 映画プロデューサー小説家
ジャンル 特撮映画ファンタジー
配偶者 田中大輔(長男)
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田中 文雄 たなか ふみお1941年9月22日 - 2009年[1]4月12日)は、日本映画プロデューサー小説家[注釈 1][2]東京府出身。小説の執筆では、(たきはら みつる)、 草薙 圭一郎 くさなぎ けいいちろうという名義も使用した。

略歴

1964年、早稲田大学政治経済学部卒業。在学中は、「ワセダミステリクラブ」に参加していた。在学中の1963年、『宝石』(1963年10号 臨時増刊 38年度新人中篇力作10人集)に短編「白い翼の郷」が掲載された。

大学を卒業し、同年、東宝撮影所に入社[2][3][4]。文芸部に配属され[3][1]、プロデューサー補佐を務めた後、1969年に文芸部が廃止され製作者室に所属[4]。同年に映画『野獣の復活』でプロデューサーとしてデビューし、血を吸うシリーズなど、ホラー・SFを中心に活躍[2][3][4][1]1971年東宝の映画製作部門が東宝映画へ独立したことに伴い、東宝テレビ部に移籍[5]。その後、映像調整部長となった瀬戸勇に誘われ[要出典]映像調整部に移籍[5]

1974年には東宝映像(現・東宝映像美術)に移籍し[5][1]、映画プロデューサーに復帰[5]。その間に「夏の旅人」が『SFマガジン』の「SF三大コンテスト小説部門」(のちのハヤカワ・SFコンテスト)に佳作入選。1975年に田中友幸が社長にスライド就任した東宝映画に移籍、1976年には短編ミステリ「さすらい」(滝原満名義)が第1回幻影城新人賞の佳作となった[注釈 2]

1981年ヒロイック・ファンタジー作品「大魔界」シリーズの第1作『竜神戦士ハンニバル』を刊行し、本格的な作家活動を開始する。「大魔界」シリーズを継続して書きつぐ一方で、並行してホラー小説を多数執筆。1984年に契約者となり、1986年に作家専業となる[6]

晩年は、田中文雄名義で主に「異形コレクション」シリーズにホラー短編を執筆していたほか、「草薙圭一郎」名義で架空戦記や時代小説を多数執筆していた[1]

2008年12月、『幻影城の時代 完全版』(講談社)に短編「走屍の山(カンキシのやま)」を発表。

2009年4月12日、脳出血のために死去(享年67歳)[7]

所属団体

受賞歴

プロデュース作品

著書

田中文雄名義

  • 大魔界シリーズ
    • 竜神戦士ハンニバル (早川書房 1981年6月)
    • 氷神女王アーシュラ (早川書房 1982年1月)
    • 幻神惑星ナーガ (早川書房 1983年9月)
    • 白蓮都市ネフェルタ (早川書房 1984年9月)
    • 死霊塔主ジマ・ディンゴ (早川書房 1986年10月)
    • 漂流戦艦ナビゲイル (早川書房 1989年7月)
    • 幻術師ダンカン (早川書房 1985年7月)(外伝)
  • 夏の旅人 (早川書房 1981年11月)
  • 魔海戦記 ダゴンの復讐 (角川書店 1984年8月)
  • 黄金のUボート (原作 桶谷信雄構成 廣済堂出版 1985年10月)
  • 妖魔列島 (廣済堂出版 1985年12月)
  • 透明戦隊 (廣済堂出版 1986年5月)
  • 警察拳銃 (廣済堂出版 1986年12月)
  • 迷宮の獣王 長篇英雄活劇 (徳間書店 1986年1月)
  • 猫恐 (光風社出版 1987年3月)
  • 埋葬人形ウシャブティ (朝日ソノラマ 1987年3月)
  • 死者の門 (朝日ソノラマ 1987年10月)
  • 蔦に覆われた棺 (集英社 1987年12月)
  • 妖髪 恐怖サスペンス (大陸書房 1987年10月)
  • 学園最終戦争(ハルマゲドン) (光風社出版 1987年10月)
  • 暗黒の火竜 サラマンダーの復讐 (廣済堂出版 1987年12月)
  • 猫路 (集英社 1988年11月)
  • 花神曼陀羅 妖花亭の女たち (廣済堂出版 1988年11月)
  • 魔術師の棺 (勁文社 1988年6月)
  • 死霊警官 サスペンス・ホラー (大陸書房 1988年9月)
  • 猫窓 (集英社 1988年7月)
  • 魔境のツタンカーメン 長篇英雄活劇 (徳間書店 1988年10月)
  • コガネムシの棲む町 (徳間書店 1988年7月)
  • 緋の墓標シリーズ
    • 緋の墓標 (朝日ソノラマ 1988年10月)(文庫版)
    • ハードボイルド・バンパイア 緋の墓標2 (朝日ソノラマ 1990年11月)
    • 美しきローズマリー 緋の墓標3 (朝日ソノラマ 1991年3月)
    • ダーク・シャングリラ 緋の墓標4 (朝日ソノラマ 1991年5月)
    • 黄金鷲の残照 緋の墓標5 (朝日ソノラマ 1992年4月)
  • 妖魔の肖像 (角川書店 1989年1月)
  • 猫橋 (集英社 1989年4月)
  • 冬の旅殺人事件 (廣済堂出版 1989年5月)
  • 地獄で眠れ 感傷戦士 長編ハードアクション (勁文社 1989年7月)
  • 魔聖女マリアン 金狼オーロラに翔ぶ スーパー・ファンタジー (大陸書房 1989年10月)
  • 誘拐 愛のかたみに (集英社 1990年3月)
  • 死の谷の子供たち (徳間書店 1990年8月)
  • 水底の顔 (朝日ソノラマ 1991年7月)
  • アステカの赤い突風 太陽の娘たち (集英社・1991年5月)
  • トロイア戦記1-3 (ベストセラーズ 1991年 - 1992年)
  • プリンス・エドワード島の花嫁 太陽の娘たち2 (集英社 1991年10月)
  • 死者の伝言板 (廣済堂出版 1991年3月)
  • ゴジラvsキングギドラ (朝日ソノラマ 1991年11月)[1]
  • 滝上幻談 ダーク・フィールド (集英社 1992年9月)
  • 孔明の聖像 姜維戦記 (光栄 1993年12月)
  • ザナドゥー 女神の墓標 (角川書店 1993年12月)
  • 神を放った男 映画製作者田中友幸とその時代 (キネマ旬報社 1993年12月)[1]
  • 孔明と卑弥呼 (光栄 1993年3月)
  • 新宿極道者 (廣済堂出版 1993年4月)
  • ガブ 鬼翔ける夜 (角川書店 1993年4月)
  • 邪神たちの2・26 (学習研究社 1994年8月)
  • 髑髏皇帝 (講談社 1995年2月)
  • 戦艦大和 東京篇 (ベストセラーズ 1995年12月)
  • 処刑官 ヴードゥーの祈り (角川書店 1995年1月)
  • 戦艦大和 海魔砲撃篇 (ベストセラーズ 1996年4月)
  • クローン人間 長篇バイオニック・アクション (廣済堂出版 1997年7月)
  • 怪談学園 (飛天出版 1997年8月)
  • 孔明、邪馬壹国侵略ス 長編歴史シミュレーション (飛天出版 1998年7月)
  • 3分間ミステリー あなたの頭脳に挑戦 (ベストセラーズ 2003年7月)
  • 続3分間ミステリー この謎が解けますか? (ベストセラーズ 2004年3月)
  • 鼠舞 (講談社 2008年1月)

アンソロジー

  • 異形コレクション ラヴ・フリーク (廣済堂文庫 1998年1月) 「怪魚が行く」
  • 水の妖怪 (リブリオ出版 2001年4月) 「水中のモーツァルト」

滝原満名義

  • 天界戦士レオン (大陸書房 大陸ノベルス)
    1. 海賊船に赤い薔薇 (1990年3月)
    2. 最果ての女神たち (1990年6月)
    3. クリスタル城の人狼皇帝 (1990年6月)
    4. 妖怪惑星の皇女 (1991年2月)
    5. クラーケンの猛逆襲 (1991年6月)
  • シンデレラ殺人劇場 ―女撮影所長笛吹紀子 (2001年頃、大創産業 ダイソー・ミステリー・シリーズ4)

草薙圭一郎名義

  • サンフランシスコ占領! (コスミックインターナショナル 1996年12月)
  • 成層圏爆撃機「富嶽」 (コスミックインターナショナル 1997年2月)
  • 大和・大西洋に咆哮す! (コスミックインターナショナル 1997年5月)
  • ロンメル軍団を撃破せよ! (コスミックインターナショナル 1997年8月)
  • 帝国艦隊ロシア征服 (コスミックインターナショナル 1997年8月)
  • 北朝鮮侵攻す! 第1-3部 (コスミックインターナショナル 1997年)
  • 戦艦ビスマルクを撃沈せよ! (コスミックインターナショナル 1997年4月)
  • 超巨大空母「三笠」出撃す! (コスミックインターナショナル 1998年2月)
  • 逆転・ノモンハン大戦車戦 (飛天出版 1998年11月)
  • 超巨大空母『三笠』奮戦す! (コスミックインターナショナル 1998年3月)
  • 超巨大空母『三笠』強襲す! (コスミックインターナショナル 1998年6月)
  • 超巨大空母『三笠』突入す! (コスミックインターナショナル 1998年7月)
  • 超弩級(時空)原子力空母『大和』 第1-6部 (コスミックインターナショナル 1998年 - 1999年)
  • 北朝鮮世界征服!! 第1-3部 (コスミックインターナショナル 1999年)
  • 時空戦艦「大和」日本沈没を救え1-11 (コスミックインターナショナル 1999年 - 2000年)
  • 超太平洋戦記 (コスミックインターナショナル 1999年4月)
  • 逆転ガダルカナル争奪戦 (飛天出版 1999年4月)
  • 大撃滅!真珠湾艦隊 (コスミックインターナショナル 1999年4月)
  • 大撃滅!ミッドウェー艦隊 (コスミックインターナショナル 1999年5月)
  • 連合艦隊大爆撃! (コスミックインターナショナル 1999年6月)
  • 大激闘!!『零戦隼』 (コスミックインターナショナル 1999年7月)
  • 逆転・ミッドウェー大海戦 (飛天出版 1999年1月)
  • 超弩級原子力空母「大和」 新沖縄決戦 (コスミックインターナショナル 1999年1月)
  • 時空戦艦「大和」日本沈没を救え3 (コスミックインターナショナル 2000年1月)
  • 超軍神山本五十六 (コスミックインターナショナル 2000年)
  • 極東大戦 (コスミックインターナショナル 2000年6月)
  • 逆転!大東亜戦争 (コスミックインターナショナル 2000年10月)
  • 時空戦艦『大和』超第三帝国を撃滅せよ1-8 (コスミックインターナショナル 2000年 - 2001年)
  • 続・時空戦艦「大和」1-2 (コスミックインターナショナル 2001年)
  • アルカイダ壊滅作戦 (コスミックインターナショナル 2001年11月)
  • 新・時空戦艦「大和」1-6 (コスミックインターナショナル 2001年 - 2002年)
  • 時空潜空母「大和」1-4 (コスミック出版 2002年 - 2003年)
  • 戦艦大和北海怒濤戦 (経済界 2003年1月)
  • 時空大戦1-3 (コスミック出版 2003年)
  • 戦艦大和布哇制覇戦 (経済界 2003年7月)
  • イージス艦「やまと」真珠湾奇襲!! (コスミック出版 2003年11月)
  • イージス艦「やまと」大西洋出撃! (コスミック出版 2003年12月)
  • 神霊の艦隊1-3 (有楽出版社 2003年 - 2004年)
  • イージス艦「やまと」独艦隊撃滅! (コスミック出版 2004年2月)
  • 超時空戦艦『大和』1-3 (コスミック出版 2004年)
  • 時空戦闘艦「やまと」1-3 (コスミック出版 2004年 - 2005年)
  • 超弩級連合艦隊1-3(コスミック出版 2005年)
  • 無風の剣 (コスミック出版 2005年10月)
  • 投げ独楽佐吉捕物帳 (コスミック出版 2006年2月)
  • 皇軍の艦隊1-3(コスミック出版 2006年)
  • 超太平洋戦記 上(太平洋戦線風雲編) (コスミック出版 2006年11月)
  • 超太平洋戦記 下(欧州戦線乱雲編) (コスミック出版 2006年11月)
  • 超時空連合艦隊1-3(コスミック出版 2007年)
  • 機攻戦艦「大和」1-3 (コスミック出版 2007年-2008年)

翻訳

  • 怪物 (カール・ジャコビ、他 朝日ソノラマ 1975年)

脚注

注釈

  1. ^ ファンタジー作家、ホラー作家、ミステリ作家、架空戦記作家。
  2. ^ この回の入選は村岡圭三、もう1人の佳作は泡坂妻夫

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 1984コンプリーション 2019, p. 133, 「東都日報 ゴジラコラム版」
  2. ^ a b c ゴジラ大全集 1994, p. 74, 「ゴジラ復活までの道程 田中文雄」
  3. ^ a b c 平成ゴジラ大全 2003, pp. 32–33, 「序之壱 復活への長い道のり」
  4. ^ a b c 東宝特撮映画大全集 2012, p. 146, 「『呪いの館 血を吸う眼』撮影秘話-特別編-「血を吸うシリーズ」の誕生」
  5. ^ a b c d 東宝特撮映画大全集 2012, p. 174, 「『血を吸う薔薇』撮影秘話-特別編-『血を吸う三部作』完結への軌跡」
  6. ^ 甦る「幻影城」 1』(角川書店、1997年)の著者紹介参照
  7. ^ 読売新聞2009年4月13日夕刊12面

参考文献

関連項目




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