海外の全集
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 08:46 UTC 版)
※主要なものに限って示す。名称はほとんど『モリエール作品集( Les Œuvres de M. de Molière )』と、同じなので省略する。年代は刊行年。 1682年、全8巻、パリでの出版モリエールが全幅の信頼を置いていたラ・グランジュによって刊行された、初のモリエール全集。第1巻から第6巻までは、モリエールの生前に出版された作品が収められており、残りの2巻には生前に刊行されることのなかった作品が収録されている。モリエールの生前に刊行された作品と本全集に採録された作品の間に特に目立った違いはないが、実際の上演においては省略されたことを意味することを示すために、ところどころ文中を()で括ってある。この全集の挿絵は、当時の舞台の様子を知るための資料として貴重でもある。また、本全集に採録されている『ドン・ジュアン』は内容の大幅な削除を当時の政府から命じられたため、モリエールの手による完全なテキストではない。 1684年、全6巻、アムステルダムでの出版この全集に収録されている『ドン・ジュアン』は、他の全集ではカットされている場面や台詞を全て含んでいる。この全集が誰の手も加えられていない、モリエールが書いたままの『ドン・ジュアン』を収録していたおかげで、同作品は散逸の危機を免れた。 1765年、全6巻、アムステルダム、ライプツィヒでの出版ヴォルテールによる『モリエールの生涯』ならびに、彼独自の歴史的、批評的な見解を付した全集。 1819~1825年、全9巻、パリでの出版この全集において、初めて『ドン・ジュアン』の完全なテキストが収録された。アムステルダムで刊行されていた初演の脚本が、偶然発見されたためである。それまでの全集に収められていたのは、1682年版の全集に収録されていたテキストである。このテキストにはかなりの改竄が加えられていた。 1873~1900年、全13巻、パリでの出版、アシェット社フランスの大作家叢書( Les Grands Ecrivains de la France )。最後の2巻は用語集。関連資料が非常に豊富なので、日本におけるモリエール翻訳の多くはこの版を底本としている。 1935~52年、全8巻、パリでの出版、ギヨーム・ビュデ協会(Association Guillaume Budé) 1947年、全11巻、パリでの出版、フランス国立印刷局(Imprimerie Nationale) 1971年、全2巻、パリでの出版、ガリマール出版社テキストに現代フランス語の文法を反映させた全集。個々の作品詳説、注記、作品にまつわる同時代の文献、上演に関する当時の資料を豊富に収録している。
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