故障率とは? わかりやすく解説

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こしょう‐りつ〔コシヤウ‐〕【故障率】

読み方:こしょうりつ

機器信頼性尺度で、単位時間当たりの平均故障回数平均故障間隔MTBF)の逆数単位として、10億時間11万年以上)あたりの回数を表すFIT(フィット)が用いられるが、大量生産した製品合計稼働時間から計算する


故障率

読み方コショウリツ
【英】:failure rate

関連するカテゴリ
一般リレー

個別規定する試験の種類および負荷リレー連続開閉し時の単位時間動作回数)内に故障をおこす割合


こしょうりつ 故障率 failure rate

システム系統や機器または部品が、ある時間故障なく作動したのち、 引き続く単位時間内に故障起こす割合である。 故障とは、規定機能を果たす能力停止したことを指す。 なお、その期間中の総故障数/総動作時間

故障率

読み方こしょうりつ
【英】:failure rate

寿命時間連続型確率変数のときに, その故障率 \lambda (t) \, (t \geq 0) \,確率密度関数f(t) \,, 信頼度R(t) \, とすると, \lambda (t) = {f(t) }/{R(t) } \,定義される. 時刻 t \, ( \geq 0) \,システム故障していない (動作している)ということわかっているとき, 引き続く微小時間間隔 (t \,, t + \triangle] \,内でシステム故障する確率は, 近似的に \lambda (t) \triangle \, となる. 一般に故障率 \lambda (t) \, (t \geq 0) \,浴槽型の曲線 (バスタブ曲線) になり,初期故障期間, 偶発故障期間, 摩耗故障期間の3つの区分分類できる.


故障率

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/10 14:21 UTC 版)

故障率(こしょうりつ、: failure rate)とは、システムや部品が故障する頻度で、単位時間当たりの故障数で表される。通常、ギリシア文字λ(ラムダ)で表され、信頼性工学でよく用いられる。

故障率は通常、時間に依存している。例えば、自動車の5年目の故障率は1年目のそれの何倍にもなる可能性がある。

保険、金融、商業においても安全なシステムを設計するための基本的なパラメータである。

1年間の使用でシステムや部品が故障する確率を特に「年間故障率」と表現することがある。

平均故障間隔

故障率の代わりに平均故障間隔(MTBF、1/λ)が報告されることがよくある。MTBFは、故障率が一定の場合に有効であり、複雑なシステムや電子機器によく用いられる。一部の信頼性基準(軍事および航空宇宙)では一般的となっている。故障率が一定ということは、バスタブ曲線の平坦な領域、つまり摩耗型の故障が起こる前の時間領域での寿命を示す。このため、MTBFから耐用年数を推定することは正しくない。バスタブ曲線の「寿命末期の磨耗型」の故障率ははるかに高いため、一般的に耐用年数はMTBFよりもはるかに短寿命になるためである。

MTBFが故障率より好まれる理由は、大きな正の数値(2000時間など)の方が、非常に小さな数値(1時間あたり0.0005など)よりも直感的で覚えやすいためである。

MTBFは故障率を管理する必要があるシステム、特に安全系において重要なパラメータである。設計要件に頻繁に登場し、必要なシステムの保守・点検の頻度を定めるのに役立つ。故障からの回復時間が無視でき、かつ故障率が時間に対して一定である場合、MTBFは故障率の逆数(1/λ)になる。

運輸業界、特に鉄道トラック輸送で使われている類似の指標に「平均故障距離間隔」(mean distance between failures、MDBF)がある。

故障率の推定

故障率はいくつかの方法で推定できる。故障時間の母集団を正しく推定できれば良い。一般的な手段は次のとおりである。

寿命試験

最も正確な方法は寿命試験(life testing)であり、機器やシステムのサンプルをテストして実際の故障データを得る。故障時間が全くばらつかない場合、1サンプルのみを試験すれば良いが、現実には個体毎にばらつく場合が多い。このばらつきを把握する(故障時間の母集団を推定する)ため、サンプル規模は大きくながちで非常に費用がかかる。また、故障時間が非常に長い場合、現実的な時間で試験を終了させることも困難になる。

市場実績

市場で実際に発生した故障データから、統計分析で故障率を推定することができる。正確な故障率を得るためには、分析者は機器の動作、データ収集の手順、故障率に影響を与える主要な環境変数、システムレベルでの機器、部品の使用方法などを十分に理解している必要がある。

生産履歴

多くの組織では、製造している機器やシステムの故障情報を内部データベースとして保持しており、故障率を算出するために使用することができる。新しい機器やシステムでデータが少ない場合には、過去のデータが有用な事前情報として役立つ。

政府および商用の故障率データ

さまざまな部品の故障率のハンドブックが政府や民間から入手できる。「電子機器の信頼度予測(Reliability Prediction of Electronic Equipment)」(MIL-HDBK-217F)は、多くの軍用電子部品の故障率データを提供する軍用規格である。また、非電子部品を含む商用部品に焦点を当てたいくつかの故障率データソースが市販されている。

予測法

故障率推定の重大な欠点の1つに時間がかかることがある。故障率データが集まる頃には、対象となる機器が旧式になっていることがよくある。これを克服するために以下のサイクル試験などが故障率予測法として開発されている。

サイクル試験

機械的な動作は機器の摩耗を引き起こし、主な故障メカニズムとなる。この消耗故障点は、サイクル試験(cycle testing)により、機器が故障するまでに実行されたサイクル数で定量化される。サイクル試験は機器が故障するまで可能な限り迅速に繰り返される。複数のサンプルを試験し、例えばその内の10%の個体が故障するまで試験が行われる。

離散的な故障率

故障率は次のように定義される:

規定の条件下における特定の測定間隔の間に、あるアイテムの母集団内で起こった故障総数を、その集団が費やした合計時間で割ったもの。(MacDiarmid, et al.)

故障率

ハザード関数
指数型の故障密度関数。これらはそれぞれ(異なる)一定型のハザード関数を持っている(本文参照)。

故障分布のモデル化においては、多くの確率分布を用いることができる(確率分布のリスト英語版を参照)。

一般的なモデルは、指数密度関数に基づく指数故障分布

ポータル 数学

脚注

  1. ^ Finkelstein, Maxim (2008). “Introduction”. Failure Rate Modelling for Reliability and Risk. Springer Series in Reliability Engineering. pp. 1–84. doi:10.1007/978-1-84800-986-8_1. ISBN 978-1-84800-985-1 
  2. ^ a b Brown, M. (1980). “Bounds, Inequalities, and Monotonicity Properties for Some Specialized Renewal Processes”. The Annals of Probability 8 (2): 227–240. doi:10.1214/aop/1176994773. JSTOR 2243267. 
  3. ^ a b Shanthikumar, J. G. (1988). “DFR Property of First-Passage Times and its Preservation Under Geometric Compounding”. The Annals of Probability 16 (1): 397–406. doi:10.1214/aop/1176991910. JSTOR 2243910. 
  4. ^ Brown, M. (1981). “Further Monotonicity Properties for Specialized Renewal Processes”. The Annals of Probability 9 (5): 891–895. doi:10.1214/aop/1176994317. JSTOR 2243747. 
  5. ^ Yu, Y. (2011). “Concave renewal functions do not imply DFR interrenewal times”. Journal of Applied Probability 48 (2): 583–588. arXiv:1009.2463. doi:10.1239/jap/1308662647. 
  6. ^ a b Proschan, F. (1963). “Theoretical Explanation of Observed Decreasing Failure Rate”. Technometrics 5 (3): 375–383. doi:10.1080/00401706.1963.10490105. JSTOR 1266340. 
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  8. ^ Saleh, Joseph Homer; Castet, Jean-François (2011). “On Time, Reliability, and Spacecraft”. Spacecraft Reliability and Multi-State Failures. pp. 1. doi:10.1002/9781119994077.ch1. ISBN 9781119994077 
  9. ^ Wierman, A.; Bansal, N.; Harchol-Balter, M. (2004). “A note on comparing response times in the M/GI/1/FB and M/GI/1/PS queues”. Operations Research Letters 32: 73–76. doi:10.1016/S0167-6377(03)00061-0. http://users.cms.caltech.edu/~adamw/papers/fbnote.pdf. 
  10. ^ Gautam, Natarajan (2012). Analysis of Queues: Methods and Applications. CRC Press. p. 703. ISBN 978-1439806586 
  11. ^ Xin Li; Michael C. Huang; Kai Shen; Lingkun Chu. "A Realistic Evaluation of Memory Hardware Errors and Software System Susceptibility". 2010. p. 6.
  12. ^ "Reliability Basics". 2010.
  13. ^ Vita Faraci. "Calculating Failure Rates of Series/Parallel Networks". 2006.
  14. ^ "Mission Reliability and Logistics Reliability: A Design Paradox".

推薦文献

  • Goble, William M. (2018), Safety Instrumented System Design: Techniques and Design Verification, Research Triangle Park, NC 27709: International Society of Automation 
  • Blanchard, Benjamin S. (1992). Logistics Engineering and Management (Fourth ed.). Englewood Cliffs, New Jersey: Prentice-Hall. pp. 26–32. ISBN 0135241170 
  • Ebeling, Charles E. (1997). An Introduction to Reliability and Maintainability Engineering. Boston: McGraw-Hill. pp. 23–32. ISBN 0070188521 
  • Federal Standard 1037C
  • Kapur, K. C.; Lamberson, L. R. (1977). Reliability in Engineering Design. New York: John Wiley & Sons. pp. 8–30. ISBN 0471511919 
  • Knowles, D. I. (1995). “Should We Move Away From 'Acceptable Failure Rate'?”. Communications in Reliability Maintainability and Supportability (International RMS Committee, USA) 2 (1): 23. 
  • MacDiarmid, Preston; Morris, Seymour (n.d.). Reliability Toolkit (Commercial Practices ed.). Rome, New York: Reliability Analysis Center and Rome Laboratory. pp. 35–39 
  • Modarres, M.; Kaminskiy, M.; Krivtsov, V. (2010). Reliability Engineering and Risk Analysis: A Practical Guide (2nd ed.). CRC Press. ISBN 9780849392474 
  • Mondro, Mitchell J. (June 2002). “Approximation of Mean Time Between Failure When a System has Periodic Maintenance”. IEEE Transactions on Reliability 51 (2): 166–167. doi:10.1109/TR.2002.1011521. http://www.mitre.org/work/best_papers/02/mondro_approx/mondro_approx.pdf. 
  • Rausand, M.; Hoyland, A. (2004). System Reliability Theory; Models, Statistical methods, and Applications. New York: John Wiley & Sons. ISBN 047147133X 
  • Turner, T.; Hockley, C.; Burdaky, R. (1997). The Customer Needs A Maintenance-Free Operating Period. Leatherhead, Surrey, UK: ERA Technology Ltd. 
  • U.S. Department of Defense, (1991) Military Handbook, “Reliability Prediction of Electronic Equipment, MIL-HDBK-217F, 2

外部リンク


故障率

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 09:09 UTC 版)

Amazon Elastic Block Store」の記事における「故障率」の解説

EBSボリューム複製されたバックエンドストレージ上に構築されているため、単一コンポーネント障害によってデータ失われることはないが、複数アベイラビリティーゾーン分散されているわけでもなく、高度なデータ保護提供する意図もなく、年間0.1%~0.2%の年間故障率(データ消失)が生じる。つまり、1000あたり年1~2個のボリュームデータ消失し全て1GBなら、1TBのデータあたり年間1~2GBのデータ消失するNetwork File System接続する方のAmazon Elastic File System複数アベイラビリティーゾーン分散しており、より可用性耐障害性高めている。またAmazon Simple Storage Serviceデータ消失は1TBあたり年10バイトでありEBSよりも圧倒的にデータ消失少ない。Amazon AuroraAmazon DocumentDBは3つのアベイラビリティーゾーンに6重に重複して記録しているため、こちらもよりハードウェア障害によるデータ消失の量が少ない。

※この「故障率」の解説は、「Amazon Elastic Block Store」の解説の一部です。
「故障率」を含む「Amazon Elastic Block Store」の記事については、「Amazon Elastic Block Store」の概要を参照ください。

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