平年値とは? わかりやすく解説

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へいねん‐ち【平年値】

読み方:へいねんち

気温降水量などの、過去30年間の平均値10年ごとに更新される


平年(値)

分野
年の用語
意味:
平均的な気候状態を表すときの用語で、気象庁では30年間の平均値用い西暦年の1位の数字が1になる10年ごとに 更新している。

平年値

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/30 02:12 UTC 版)

東京の平年値を示した雨温図

平年値(へいねんち)とは、気温降水量などの気象要素気候要素)の長期平均の値のことで、ふつう30年間の平均。気候値とも言う[1][2][3]

概要

その場所の気候を表す値として、またその時々の気象や天候(冷夏暖冬、少雨・多雨など)を評価する値として[4]気象学気候学で用いられる。

欧米諸国や日本など多くの国では、西暦の末尾が1となる年(10年ごと)にその直前30年間の値に更新している。例えば、2001年から2010年までの10年間においては、1971年から2000年までの30年間の平均値が用いられる。これが2011年に更新され、2011年から2020年までは、1981年から2010年までの平均値が用いられる[1][3][4]。なお各平均値は、例えば1971年から2000年までの平均値は「2000年統計」と呼ばれることがある。

統計期間を30年とする規定は、1935年に国際気象機関の会議で勧告として発表され、その後世界気象機関(WMO)の技術規則[4]に引き継がれている。日本の気象庁は、1921 - 1950年の期間以降これに倣っている。

なおWMOは、"Climatological Standard Normal"(気候学的標準平年値)は更新も30年毎、つまり、1961 - 1990年平均値を1991 - 2020年まで使用し2021年に更新するという方式を標準としていた。前記のように10年毎更新とするのは任意であった。しかし2015年に規則を改正、次回更新(2021年)からは10年毎の更新を加盟国全てに求める(長期比較のため、30年毎更新の値と併用)[2][5][6]

平年値として集計される要素には、気温降水量風速積雪量などの観測値や、初雪・終雪、初霜・終霜、の開花日・満開日、紅葉日、梅雨入り・梅雨明け、台風の発生数・上陸数・接近数、流氷接岸初日、流氷初日、初冠雪などの季節変動やそれに伴う生物の活動など、多くの種類がある。

計算方法は通常は値の総和を資料数で除した平均値を用いるが、日別平年値については、9日間の移動平均を3回繰り返して平滑平年値を求める。更に2月29日は除外して平滑平年値を求め、2月29日の平滑平年値は、2月28日と3月1日の平滑平年値を算術平均した値としている。

階級表現

気象庁では30年間の観測値を並べ、値が小さい方から3分の1ずつに分け、小さい順にそれぞれ「(平年より)低い・少ない」、「平年並」、「(平年より)高い・多い」とし、実際に観測された値が当てはまる階級を用いて表現する。例えば、ある年の冬の平均気温がこの区分に照らし合せて「高い」に該当した場合、暖冬と表現することにしている[7]。なお、階級表現の区分も平年値の更新とともに10年ごとに更新される。

平年値の変動

10年ごとに更新される平年値は、更新のたびに変化する。例えば、日本の気象庁によると1981 - 2010年平均は1971 - 2000年平均より気温が0.2 - 0.4°Cほど高く、日本海側の多くの地点の降雪量が10%以上減少している。その要因は、数十年周期の自然変動、温室効果ガス増加による地球温暖化のほか、一部では都市化の影響(ヒートアイランド現象)があると推定されている[8]

2020年の更新では、気温の平均値が0.2度から0.5度上昇した[9]

脚注

  1. ^ a b 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』(コトバンク収録)、「平年値」
  2. ^ a b 『世界大百科事典』第二版(コトバンク収録)、「平年値」
  3. ^ a b 『大辞林』第三版(コトバンク収録)、「平年値」
  4. ^ a b c よくある質問集 気象観測・統計データについて 平年値の統計期間は30年間なのはなぜですか。なぜ10年ごとに更新されるのですか。」、気象庁、2018年2月25日閲覧。
  5. ^ 世界気象機関、気候の基準値を、10年ごとに更新する平年値と長期比較用基準の二本立てとすることを決定」、環境展望台(国立環境研究所)、2015年6月1日、2018年2月25日閲覧。
  6. ^ "Guide to Climatological Practices" Updates : WMO Climatological Standard Normals, chapter 4, item 4.8, updated 19.01.2016 English (PDF) (英語), World Meteorological Organization, 2018年2月25日閲覧
  7. ^ 表現に関する用語」および「気温、湿度」、気象庁、2018年2月25日閲覧。
  8. ^ 「資料 平年値の更新について」、気象庁、2011年3月30日、2018年2月25日閲覧。
  9. ^ 新平年値の特徴について”. 2021年5月8日閲覧。

参考文献

  • 平年値」、加藤周一編『世界大百科事典』第二版(コトバンク収録)、平凡社。
  • 平年値」、松村明編『大辞林』第三版(コトバンク収録)、三省堂。
  • 平年値」、『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』(コトバンク収録)、朝倉書店。

関連項目

  • 極値 (気象学)

外部リンク


平年値

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 05:36 UTC 版)

結氷」の記事における「平年値」の解説

日本国内観測地点における初氷および終氷の平年値(1991 - 2020年気象庁都市初氷初氷から終氷までの期間 ▷10/1 5/31◁ 終氷備考帯広 10月13日 210日 5月10日 統計のある気象官署測候所では最も初霜早く終霜が遅い。 稚内 11月5日 1724月25日 旭川 10月18日 200日 55日 網走 10月30日 188日 55日 釧路 10月22日 193日 52日 帯広 10月15日 206日 58日 札幌 10月28日 1794月24日 室蘭 11月13日 1534月14日 函館 11月2日 1734月23日 青森 11月10日 1634月21日 盛岡 10月31日 1774月25日 秋田 11月19日 1414月8日 山形 11月7日 1634月18日 仙台 11月23日 1324月3日 福島 11月17日 1384月3日 水戸 11月16日 1434月7日 宇都宮 11月14日 1454月7日 前橋 11月22日 1293月30日 熊谷 11月24日 1223月25日 銚子 12月23日 753月7日 東京 12月24日 723月5日 横浜 12月14日 893月12日 甲府 11月13日 1484月9日 長野 11月7日 1614月16日 新潟 12月3日 1153月27日 富山 12月2日 1193月30日 金沢 12月13日 99日 3月21日 福井 12月3日 1173月29日 静岡 12月7日 1023月18日 名古屋 12月6日 1083月23日 岐阜 12月2日 1133月24日12月15日 863月10日 彦根 12月6日 1113月26日 京都 12月2日 1143月25日 奈良 11月24日 1294月1日 大阪 12月17日 833月9日 神戸 12月26日 713月6日 和歌山 12月20日 773月6日 岡山 12月17日 803月6日 広島 12月16日 843月9日 鳥取 12月13日 1043月26日 松江 12月4日 1224月4日 高松 12月6日 1063月21日 徳島 12月20日 763月5日 松山 12月7日 1033月19日 高知 12月10日 843月3日 下関 1月13日 332月14日 福岡 12月17日 732月27日 佐賀 12月6日 983月13日 長崎 12月20日 722月28日 大分 12月15日 833月6日 熊本 12月2日 1083月18日 宮崎 12月6日 943月8日 鹿児島 12月15日 722月24日 那覇 なし 0日 なし 結氷観測されていない

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「平年値」を含む「結氷」の記事については、「結氷」の概要を参照ください。

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