共用プールとは? わかりやすく解説

共用プール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 07:42 UTC 版)

福島第一原子力発電所における放射性廃棄物の処理と管理」の記事における「共用プール」の解説

1993年4月13日東京電力福島県知事佐藤栄佐久のもとに共用プールの事前了解求めてきた。この際佐藤保管燃料搬出時期について確認を取るため、通産省照会した県庁来庁した通産省担当課長2010年明言した。しかし、1994年策定され政府原子力長期計画には「2010年ころに、再処理に関する方針決定する」と趣旨変えられていた。通産省再度趣旨を糾したところ、説明した担当課長異動していた。佐藤栄佐久はこの件で、ローテーション人事に乗っかった官僚無責任さ痛感し原子力政策対す不信原点になった旨を回顧している。 共用プールは1993年計画1997年10月1日完成し総工費は約450億円であった。ただし、核燃料サイクルへの疑問から福島県神経とがらせ始めていた保管燃料六ヶ所村再処理施設への搬出は六ヶ所での反対運動影響で遅れをみせており、保管され燃料先行き佐藤栄佐久1994年懸念した以上に不透明な中での運用開始であった。 本発電所日本でも初期建設されたため、各号建屋使用済燃料貯蔵プール容量が約250%(燃料集合体8310体)しかなく、後発プラント半分容量であった。これを補うためには別に貯蔵場所を確保する必要があった。共用プールは技術的法規的には既存燃料プール延長にあるもので、各号機の貯蔵プール同様にステンレス鋼内張りしたコンクリート製である。臨界防止するため使用済み燃料貯蔵ラック収納される。燃料本数は1~6号機燃料装荷量の200%に相当する容量であるが、1~6号機から1年発生する使用済み燃料700体のため、約10年分の貯蔵量である。集合体ごとに分割され使用済み燃料とは言え崩壊熱発生しているため、プール水冷却浄化系が設けられている。冷却のために、大気媒体としたファン式空気式冷却塔設置している。これはファンにより冷却媒体空気伝熱管束に導く熱交換器一種だが、『原子力eye1998年4月号での報告記事によれば設置場所、共用プールの冷却法に制限があったため設置場所選ばない冷却方式求めた結果であるという。 主要寸法:横約12m、縦約29m 燃料集合体長さ:約4.5m プール水冷却浄化系:2系統 燃料取扱装置:1基 キャスク搬送台:1基 天井クレーン:2基 貯蔵容量:6840体

※この「共用プール」の解説は、「福島第一原子力発電所における放射性廃棄物の処理と管理」の解説の一部です。
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