会所開き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 18:15 UTC 版)
役七夕の行事は、七夕灯籠の運行に先立つ8月1日の会所開きから始まる。祭りに参加する各町の会所に祭壇が設けられると、各町2名ずつの代表者が、能代鎮守である日吉神社に向かう。この時の格好は七夕正装と呼ばれる、浴衣に白手拭、白足袋に白鼻緒の草履を履いたものであり、ブラ提灯という丸型の提灯を持参する。役職者は更に絽の羽織を着用する。日吉神社で行事の安全について祈祷を受けると、御幣が授与されてそれを各会所に持ち帰ることになる。この御幣は各町の会所の祭壇に安置されると、後に七夕灯籠の鯱飾りの中心に取り付けられて御神体とされる。なお、大町組のみ日吉神社に出向くのでなく、同神社の神職が大町の会所に出向く習わしとなっている。 御幣が安置された後は、挨拶回りが始まる。前節冒頭で述べたように、大丁を務める町から使者が出向き、同じ町組の各町に正式に加勢要請を行う。この際挨拶に回る町の順番もあらかじめ取り決められており、また挨拶の所作や口上も儀式化されたものとなっている。この挨拶回りが終わると今度は加勢丁から加勢受諾の使者が送られ、同様に返礼の挨拶が行われる。この後正式な会所開きが行われ、役七夕を行うことを内外に正式に宣言する儀式が行われるとともに、全ての参加者の役職名簿が公表されることになる。会所は役七夕催行にあたっての事務局であり、その設置を意味する会所灯籠に明かりが灯されてはじめて寄附を募ることが可能になるのであり、あわせて会所開き式では太鼓の打ち初めと音頭上げも行われる。
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