二次構造の予測
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詳細は「核酸構造予測(英語版)」を参照 詳細は「RNA構造予測ソフトウェアの一覧(英語版)」を参照 核酸二次構造予測の大部分の手法は最近接塩基対法(nearest-neighbor model/method)に依存している。与えられたヌクレオチド配列に対して最も可能性の高い構造を決定する一般的な手法は、動的計画法のアルゴリズムを利用して自由エネルギーが低い構造を探索することである。動的計画法のアルゴリズムは多くの場合シュードノットや、塩基対が完全に入れ子状になっていない他のケースを許容しないが、それはこのような構造を考慮に入れるとたとえ小さな核酸分子であっても計算コストが非常に高くなるためである。確率文脈自由文法といった他の手法も核酸二次構造予測に利用することができる。 多くのRNA分子にとって二次構造はRNAの正確な機能に極めて重要であり、しばしばそれは実際の配列よりも重要である。この事実は、「RNA遺伝子」とも呼ばれることもあるノンコーディングRNAの分析に役立つ。バイオインフォマティクスのとある利用例では、ゲノム中のノンコーディングであるが機能を持つRNAを探索する際に予測されるRNAの二次構造を利用する。例えば典型的なmiRNAは、小さなインターナルループで隔てられた長いステムループ構造を有する。 特定の種では、RNAスプライシングの際にRNAの二次構造が利用される。ヒトや他の四肢動物では、U2AF2(英語版)タンパク質がなければスプライシングの過程が阻害されることが示されている。しかし、ゼブラフィッシュや他の真骨類では、特定の遺伝子ではU2AF2が不在でもスプライシングが進行し続ける。これはゼブラフィッシュの遺伝子の10%は各イントロンの3'スプライシング部位と5'スプライシング部位がそれぞれ通常とは異なるTGとACの塩基対を形成しており、RNAの二次構造が変化するためである可能性がある。このことはRNAの二次構造がスプライシングに影響を与え、U2AF2のように必要と考えられてきたタンパク質を利用せずにスプライシングが起こる可能性を示唆している。
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二次構造の予測
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「タンパク質構造予測」の記事における「二次構造の予測」の解説
詳細は「:en:List of protein secondary structure prediction programs」を参照 二次構造予測とは、タンパク質のアミノ酸配列の知識のみに基づいて、タンパク質の局所的な二次構造を予測することを目的としたバイオインフォマティクスの一連の技術である。タンパク質の場合、予測は、アミノ酸配列の領域を、適当なαヘリックス、βストランド(しばしば「拡張」コンフォメーションと呼ばれる)、ターンのいずれかに割り当てることで構成される。予測の成功は、タンパク質の結晶構造に適用されたDSSPアルゴリズム(または同様。例:STRIDE)の結果と比較して判断される。タンパク質の膜貫通ヘリックス(英語版)やコイルドコイルなど、明確に定義された特定のパターンを検出するために、特殊なアルゴリズムが開発されている。 タンパク質の二次構造を予測する現代の最良の方法では、機械学習と配列アライメントを使用した後、80%の精度に達すると主張されている。この高い精度により、予測手法は、折りたたみ認識法やde novo(ab initio)タンパク質構造予測、構造モチーフの分類、および配列アライメントの精密化のための改善機能として使用することができる。現在のタンパク質二次構造予測手法の精度は、LiveBench(英語版)やEVA(英語版)などのベンチマークで毎週評価されている。
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