カキタレとは？ わかりやすく解説

「カキタレ」とは、性行為を行うためだけの女性のことを意味する表現である。

「カキタレ」とは・「カキタレ」の意味

「カキタレ」とは、夫婦や恋人などの定義に当てはまらない、性行為を行うことのみを目的とした女性を意味する言葉である。隠語であり、特に芸能の世界において用いられてきたとされる。「カキ」は「性行為（セックス）」を意味し、「タレ」は「女性」を意味している。対義語として、「性行為のみを目的とするわけではない、真剣な交際相手」のことを「マジタレ（本気の女）」と呼ぶこともある。類語として、「セックスフレンド（セフレ）」という言葉もあるが、こちらは「男性が女性に対して」だけでなく、「女性が男性に対して」でも用いることができるという違いがある。

「タレ」という言葉は「女性」を示しているが、これは少なくとも江戸時代末期には見られる表現である。江戸時代の後期（文化文政）頃、浄瑠璃の一種である「義太夫節（ぎだゆうぶし）」を女性が行う場合、「女義太夫（おんなぎだゆう）」と呼ばれ人気を呼んでいた。ところが、天保の改革における女芸人の禁止によって廃れ、軽んじられるようになった結果、「女義太（たれぎだ）」と呼ばれるようになったとされる。つまり「女」と書いて「たれ」と呼ぶ風習はこの時代には確立していたと考えられること、および対象となる女性を軽視するニュアンスも含まれていると推測される。

落語の符丁（合言葉）においても、「タレ」という表現が古くより用いられているとされる。三遊亭金馬著作の「符牒の語源」において、「女のこと、あるいは女性器のことをタレと言う」と記している。また、年齢や身分に応じて呼び名が変化し、例えば若い女性は「シンダレ」、中年の女性は「マダレ」、高齢者は「バアダレ」、芸者は「シャタレ」と呼ぶとされる。

「カキ」という言葉は「性行為・セックスを行うこと」を意味し、漢字にすると「掻き」であると考えられるが、言葉の由来や時期などについては不明である。「（主に男性が）自慰行為を行うこと」を隠語で「せんずりを掻く」「マスを掻く」と表現し、ここでも「掻く」という言葉が用いられているが、関連性は不明である。なお、「タレカキ」と前後を入れ替えた表現もあるが、この場合は「女性と性行為がしたい」という意志を示すようになり、「タレ（女性）＋カキ（性行為）＋したい」という語順から「タレカキたい」と表現されることが多い。

「カキタレ」という表現は隠語であるため、芸能人のゴシップニュースなどで用いられることも多いが、そういったジャンルに疎い人などには伝わらない可能性が高い。例えば、古文における「カキタレ」という言葉は「掻き垂る」の連用形である。女性や性行為といった意味はなく、「髪をくしですいて垂らす」や「（雨・雪などが）激しく降る」という意味を持つため、俗語を知らない人はそのような意味を想起する可能性がある。その一方、元々が芸事の世界で使われてきた言葉であるため、現代においても芸能人・芸人の間で使われることが多い。そのような限られた範囲で使われてきた表現であるせいか、「カキタレ」そのものが「芸能人の姓処理を行う女性」といったニュアンスで用いられることがある。ただし、言葉の定義上はそのような制限は存在しない。

また、女性軽視に繋がる非常に品のない言葉であるため、迂闊に使うと、相手の強い反感を買う恐れが高い。プロゲーミングストリーマーグループ「父ノ背中（ちちのせなか）」に所属する男性メンバー・Kakki（カッキー）は、かつて「mk2かきたれ」という名前を使用していたことがあるが、大会などで活躍して知名度が上がったため、名前が不適切であるということから改名したという経緯がある。第三者に対して使う場合は、相手を罵倒するようなものであり侮辱罪に当たる可能性があるため、例え冗談であっても使うべきではない。

体目的の彼女、遊び目的の彼女を意味する隠語。「カキ」はセックスを意味し、「タレ」は女性を意味する。カキタレに対して、本命の彼女のことを「マジタレ」という。