国民健康運動「健康日本21」 第三次の新しい視点をチェック

健やかで心豊かに生活できるウェルビーイングな社会を実現し、かつ社会保障制度を持続可能にするために必要なのが、健康寿命の延伸。それを目指す国民健康運動「健康日本21」は、2024年4月に第三次が始まる。その目標と指標は、今後のヘルステック・ビジネスのヒントになる。

 

2000年に第一次が始まった国民健康づくり運動「健康日本21」。12年を1つの期間とし、「自らの健康観に基づく一人ひとりの取り組みを社会の様々な健康関連グループが支援し、健康を実現すること」を理念としている。他の施策に比べ、期間が比較的長いのは、様々な取組の健康増進への効果を短い期間で測定するのが困難なためだ。2024年4月は、第三次が始まる節目となっている。

数値目標で健康増進
第二次期間中に悪化した4項目とは

健康日本21の特徴は、改善すべき項目について計画を策定し、目標を管理・評価している点だ。科学的なエビデンスを基盤に、継続性や事後の実態把握などを加味し、原則的に公的統計をデータソースとして利用する。目標値は、直近のトレンドや最新の科学的なエビデンスなどを加味して定める。

表1 健康寿命の延伸と健康格差の縮小に関する目標

健康日本21(第二次)の達成状況評価では、男性・女性共に健康寿命の延伸が確認された。男性では2001年に69.4歳だった健康寿命が、2019年には72.68歳になった。女性も、同72.65歳だったのが75.38歳に延伸した。第二次における53の目標中、目標値に達した項目は8、改善傾向にあるものは20と、約半分の項目で向上が見られた。一方で、状態が変わらなかった項目は14。悪化した項目も4つあった。その4つとは、(1)メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少、(2)適正体重の子どもの増加、(3)睡眠による休養を十分に取れていない者の割合の減少、(4)生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少、だ。

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