節目の年、ヘルステックの可能性 報酬改定に次期国民健康運動

AIほかのデジタル技術を使い、健康増進や美容ケア、病気の予防につなげるヘルステックによる事業開発は活発化している。健康意識の高まりと、スマホアプリやセンサーを活用した新しい健康管理法の実用化により、より満たされた暮らし、ウェルビーイングの実現にテクノロジーを活用できるようになってきた。

報酬改定の大枠は、武見敬三厚生労働大臣(左)と鈴木俊一財務大臣の大臣折衝で決まった

健康、保険サービス報酬などで
2024年は節目の年

2024年は、日本のヘルスケアにとって節目の年になっている。まず、社会保険制度の下で運営されている医療、介護、障害福祉サービスの報酬の「トリプル改定」が実施される。改定の内容としてまず大きいのが、報酬アップだ。診療報酬全体の改定率は、2023年12月20日に厚生労働大臣と財務大臣が合意しており、診療報酬本体がプラス0.88%となっている。インフレと人手不足が進む中で、医療サービスを持続可能にするためには、医療従事者の待遇改善が必須となる。診療報酬の増え分の一部が、40歳未満の勤務医師、勤務歯科医師、薬局の勤務薬剤師、事務職員などの賃上に充てられる。

診療報酬改定のさらなる詳細は現在、中央社会保険医療協議会(中医協)で議論が進んでいる。「医療DXやイノベーションの推進による質の高い医療の実現」は診療報酬改定の基本方針の1つであり、これを反映した改定がなされる見込みだ。2024年4月に導入される医師に対する時間外労働の上限規制もあり、専門職が事務手続きなどになるべく煩わされないよう、DXを早急に進める必要がある。同時に、このような医療情報の有効活用や遠隔治療など、ヘルステックが貢献できる分野を発展させるためには、取組に対しての相応の対価が支払われることが重要だ。

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