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史上最悪の侵略的外来植物
ここのところ「外来種」をテーマに動画の撮影を続けている関係で、外来種絡みのニュースをつい探してしまうのですが、その流れで先日「ナガエツルノゲイトウ」という植物を知りました。
地球上最悪の“侵略的植物”各地で勢力拡大｜日テレNEWS24
ナガエツルノゲイトウ（長柄蔓野鶏頭）は南米原産の外来雑草で、陸上にも水中にも繁茂することが可能です。それだけでなく、なんとたった2cmの破片からも再生し群落になることができるという驚異の生命力をもち（動画の方で「魔人ブウかよ」ってコメント頂きました）、ちょっとした溜池ぐらいなら一瞬で覆い尽くしてしまうほど。先日は荒川の汽水域でも生息を確認しまして「お前ら塩水も大丈夫なんかい」とガチでビビりました。
今回、霞ヶ浦の発生地をガイドしてくれたイグニさん(@amaze3551)によれば、群落からちぎれたナガエツルノゲイトウの塊が河川をドンブラコと流れ、流れ着いた先でまた群落を形成するのだそうで、もはや人の手とか関係なく勝手に爆発的に増えている状態だそう。
水中に根を縦横無尽に広げる
その恐るべき生態と、水門に詰まったり水田を埋め尽くしたりする、水中の酸素濃度を下げて生物が住めない環境にしてしまうなど直接的な被害を発生させることから「史上最悪の侵略的外来植物」と呼ばれ、特定外来生物に指定されています。駆除も行われていますが、作業に当たり発生した破片がまた拡散に繋がってしまうこともあり、成果は芳しくないようです。
ナガエツルノゲイトウは食べられるのか
そんなわけで野食ハンターとしてはぜひ食べておかねばならぬ、と思ったのですが、果たして食べても大丈夫なのか。
ぐぐってみると「アメリカでは食べられているよ」という文献が見つかりましてとりあえず毒性はなさそうなのですが、しかしメリケン共が食っていたとしてそれが「食べられる味」であるということの担保には全くならないのが辛いところ。あいつら栄養さえあればゴミみてぇな味の野草もお食べになりますからねぇ……
まあでもそもそも、未知の生物が可食かどうかの確証を、他人に委ねるなんてのは野食ハンターの名折れ。たとえ毒でも自分の口で確かめてなんぼってもんですよね。
ナガエさんが含まれるヒユ科にはアマランサスなど有益な食用植物が多く含まれる一方で、毒草は腎毒性があるとされるアオゲイトウくらいのようです。ナガエツルノゲイトウも、試食程度に止めればとりあえずは大丈夫そう。やっていきましょう
ナガエツルノゲイトウを採取して食べてみた
ナガエツルノゲイトウ、探すこと自体は本当に簡単の一言です。
関東の平地であれば、川でも湖でも水っ気のあるところにいけばだいたい見かけるでしょう。
問題は採ったあとの処置。
特定外来生物なので生きたままの輸送ができないわけですが、上記の通り2cmの破片からも生育できるほどの生命力を誇る草。魚や虫のように切断によって締めることは不可能と考えたほうが良さそうです。
ということで今回は鍋を持っていき
その場で茹でてしまいました。これなら生き残るまい。
ついでにそこで味見もしてみましたが
……(´・～・｀)うまくはない……な。
歯ごたえはほうれん草のおひたしみたいな感じだけど、茎が固くて、青臭くて、エグみがそれなりにある。
これは……草……ですね。野食ハンターたるもの、草食って「草デスね」なんて感想残すのはハラキリもんなんだけど、草以外の表現が出てこん。
こりゃあ苦戦するぞ……
持ち帰り、とりあえずごま油と塩コショウであえて
ナムルにしてみました。まずい野草を食べるときの定番テクニックです。
……(´・～・｀)やっぱりビミョー
ごま油が味にコクを与え、青臭さをカバーしてくれるところまでは良かったけど、エグみがやっぱり残っちゃうのよね……
なんていうか、単体で楽しむのは無理だわね、この草。
しょうがないので最終手段。
豚肉とともにバターで炒めて
ポロイチ味噌味にどーん！
トッピング大作戦です。
……(｀・ω・´)うん、これならなんとか。
ごま油でも消せなかったエグみですが、バターでなんとかなりました。よかった！
強火で炒めたから茎のしわさも多少誤魔化せ、味噌ラーメンと合わせることで青臭さもシャットアウト。やったね！！
……いや、これは……やったのかなぁ……
まあ、毒はないっぽいし、これだけ青々としてればビタミン系の栄養はあるはずだから、体にいいもんとして食えばいいでしょ。
みんなで食べて成敗だ！ とくにバサーの皆様、バスボートのスクリューがナガエを拡散してる説があるので頑張って食べてください！
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