半導体大手が、パワー半導体の性能向上とコスト削減を進めている。炭化ケイ素(SiC)で大きなシェアを握るスイスSTMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、低損失な新構造のSiCパワー素子の開発に取り組む。パワー半導体最大手のドイツInfineon Technologies(インフィニオンテクノロジーズ)は窒化ガリウム(GaN)のコスト削減に本腰を入れる。車載パワー半導体...
三菱電機、パワー半導体で新技術攻勢 SiCの課題克服
三菱電機がパワー半導体の技術開発を加速させている。自動車や鉄道向けに炭化ケイ素(SiC)を利用した新しいモジュール製品を、産業向けに新しい世代のシリコン(Si)IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を開発した。パワー半導体の基盤技術として高精度な寿命予測技術の研究にも取り組む。新技術を次々と投入することでパワー半導体事業の強化を図る。 2024年6月にドイツ・ニュルンベルクで開催した「P
ルネサス、AI市場攻略へGaN高耐圧品 26年までに開発
ルネサスエレクトロニクスは、窒化ガリウム(GaN)パワー半導体の開発を強化する。高耐圧品の技術開発を2026年に終え、製品化を狙う。アナログ半導体やマイコンなど周辺部品も一緒に提供することで、今後成長が期待されるAI(人工知能)サーバーの電源や、電気自動車(EV)といった電動車両の車載充電器での採用拡大を目指す。 ルネサスの小西勝也氏(パワープロダクトグループディスクリート&ワイドバンドギャップ
デンソー、SiC搭載の高出力インバーター EV向け需要増
デンソーが、電気自動車(EV)などの電動車両に向けたインバーターの技術開発を強化している。次世代パワー半導体の炭化ケイ素(SiC)や新しい冷却構造などで出力密度を従来比で1.6倍超に高めた。新技術の投入でインバーター事業の成長に弾みをつける。 直近の事業説明会や展示会で、電動化事業の方針や技術開発状況などを説明してきた。電動化事業の中核にあるのは、「世界トップシェア」(同社)を誇るインバーターで