IBM、光電融合パッケージに日本の材料 量産は自社で
米IBMは光電融合(シリコンフォトニクス)パッケージに向けた光導波路を開発した。生成AI(人工知能)にかかる消費電力の低減に向け、光信号と電気信号を変換する光学エンジンとIC(集積回路)を同じパッケージ内に実装する光電融合技術「CPO(Co-Packaged Optics)」に導入する。従来の電気配線での計算処理と比べると、AIの学習速度を5倍に高め、データ伝送の消費電力を8割減らせるとする。
デロイト、日本に量子の投資誘致 世界で勝てる企業を
デロイトトーマツグループ(東京・千代田)は、量子関連企業との共同研究や投資を呼び込む仕組みづくりに注力する。投資規模で米中に大きく差をつけられた日本の現状を改善する狙いがある。学生時代から量子技術の研究に取り組み、商社勤務などを経て現在はデロイトトーマツの量子技術統括を担う寺部雅能氏に、今後の方針を聞いた。 新たな産業の創出を目指す ――デロイトトーマツで量子コンピューター関連のビジネスを強化す
TOTO、半導体装置向け部材が開花 原点は宇宙にあり
TOTOがトイレ事業で培ったセラミックの知見を生かし、半導体向け事業を拡大している。主力製品の1つがAD(エアロゾルデポジション)部材だ。半導体製造装置のチャンバー(反応容器)などの内壁をセラミック膜で保護し、半導体チップの歩留まり低下や装置の劣化を防ぐ。トイレの技術開発担当から転じ、AD部材の開発を長年主導してきたTOTOフェローの清原正勝氏に聞いた。 ――AD部材はどのような目的に使いますか
インフィニオン、車載マイコンにRISC-V 30年投入予定
ドイツInfineon Technologies(インフィニオンテクノロジーズ)は、2030年を目標に車載マイコンに「RISC-V(リスクファイブ)」を採用する。同社最高経営責任者(CEO)のJochen Hanebeck(ヨッヘン・ハネベック)氏が明かした。同社は車載マイコン大手で、RISC-V陣営にとっては強力な追い風になりそうだ。 RISC-Vはオープンソースの命令セットアーキテクチャー(
インフィニオンCEO「AI向けパワー半導体、2年で4倍へ」
パワー半導体最大手のドイツInfineon Technologies(インフィニオンテクノロジーズ)は、AI(人工知能)の学習・推論に用いるサーバーやデータセンター向けの電力供給用半導体に商機を見いだしている。同社最高経営責任者(CEO)のJochen Hanebeck(ヨッヘン・ハネベック)氏は、関連事業の売上高が今後2年で約4倍になると自信を見せる。シリコン(Si)だけではなく炭化ケイ素(S
デクセリアルズ、成長領域は光電融合 買収で技術補完
ソニーケミカルを前身とするデクセリアルズは、スマートフォン用ディスプレーの駆動ICを実装する接合材料などの素材で強みを持つ。そんな同社が今、新規事業として力を注いでいるのが光電融合などのフォトニクス技術である。技術戦略を決める立場にいるKuo-Hua Sung(クオ・フア・サン)氏に狙いを聞いた。 フォトニクス事業を第3の柱に ――光半導体の京都セミコンダクターを買収し、2022年3月に子会社化
IBM研究トップ「AI半導体、ラピダスで試作・評価」
米IBM上級副社長で研究開発部門を率いるDario Gil(ダリオ・ギル)氏は半導体や量子分野における日米連携のキーパーソンだ。Rapidus(ラピダス、東京・千代田)と2nm(ナノメートル)世代半導体を共同開発し、理化学研究所とは量子コンピューターとスーパーコンピューターの連携に取り組む。半導体や人工知能(AI)、量子技術が切り開くコンピューティングの未来について聞いた。 ――半導体とAI、量
ソニーG、研究体制再編に手応え 革新テーマは本体で
ソニーグループ最高技術責任者(CTO)の北野宏明氏は2022年4月のCTO就任以降、研究開発テーマの再編に力を注いできた。出口が明確な研究テーマや人員は事業会社に移管し、基礎研究やパラダイムシフトにつながりそうな研究をソニーGで担う。AI(人工知能)中心に研究する企業の新設など、体制を柔軟に変えている。 存在意義の決定や組織再編に注力 ――ソニーGのCTOになってから2年半ほどがたちました。これ
ソニーG、研究開発もクリエーター重視 生成AIを安心に
ソニーグループは、コンテンツ制作者(クリエーター)向け技術の研究開発を強化する。生成AI(人工知能)についても、クリエーターが安心して使える技術の確立を目指す。同社執行役副社長最高技術責任者(CTO)の北野宏明氏は、クリエーターの表現手法を支援する技術の創出が狙いだと語る。 世界観の表現を支援 ――コンピューターグラフィックス(CG)やインタラクション分野の国際学会「SIGGRAPH(シーグ
キオクシア、30年代に新型メモリー NAND一辺倒を打破
半導体メモリー大手、キオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)の東京証券取引所への上場が近づいている。メモリー市況が回復し2024年4〜6月期は最高益を更新したが、中長期では米Western Digital(ウエスタンデジタル)と共同で開発・生産するNAND型フラッシュメモリー一辺倒からの脱却が課題となる。キオクシア執行役員技術統括責任者(CTO)の宮島秀史氏に技術開発戦略を聞いた。 ――記憶素