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史上2回目の準優勝を遂げた選手たちの成長と初優勝や野球界発展のために出た課題

2025年8月6日

 8月3日まで台湾・台南市で開催された「ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025」。アメリカが3大会連続6回目の優勝を飾り、スーパーラウンドと決勝戦でともにアメリカに敗れた侍ジャパンU-12代表は2位、韓国が3位となった。初の栄冠には届かなかったが、2019年の第5回大会以来となる史上2回目の準優勝。大久保秀昭監督が「このチームでできる最大限を出すことはできました」と振り返ったように、力を出し切って頂点まで近づいた。

 現役時代はプロ野球の近鉄でプレーし、監督として慶應義塾大でリーグ優勝3回や大学日本一、ENEOSの監督として都市対抗4回優勝(歴代最多)に導いた名将・大久保秀昭監督ではあったが、この世代の指揮は初めて。当初は選手たちの様々な姿を見て「大丈夫かな?という不安がありました」と正直に吐露する。
 それでも、長年の経験に加え1996年のアトランタオリンピックで銀メダルを獲得した経験を踏まえ「日の丸を背負うことの意義や責任」を結団式でのミーティング以降、何度もコーチ陣とともに繰り返し伝えた。
 キーワードは「かっこいい選手になろう」。それは野球の上手い・下手でもなく、試合に出ている・出ていないでもない。全力疾走などの最後まで諦めない姿勢や、自らが何をすべきかを常に追い求める姿勢、周囲への思いやりなど、野球面だけではなく多岐にわたる。その中で周囲から「さすが侍ジャパンの選手だね」と尊敬されるような姿を求めた。
 幼さゆえに生活面や姿勢面で注意されることは日々あったものの、選手たちは指摘に向き合い心技体で成長を続けた。また、試合中も出場している選手は全力で相手に立ち向かい、所属チームでは主力でありながらも今回はベンチを温めた選手たちも常に鼓舞する声を出し、首脳陣からの助言もさらに大きな声で復唱し、指示をグラウンド全体に行き届かせた。

 雨天の影響による延期や6連戦、合流前や大会期間中に故障者や体調不良者が出るなど様々な逆境がありながらも、大久保監督ら首脳陣にも導かれながら選手たちは力を出し尽くし、史上2回目の決勝進出に繋げたのだった。
 一方で、8大会中6大会を優勝しているアメリカの壁は高く、スーパーラウンド最終戦は0対8、決勝戦は1対7で敗れた。大久保監督はその差について、体格やプレーの精度だけでなく「海軍出身の監督のもと、規律を厳しく人間性も重視している印象でした」「精神面や組織力も上に感じました」とチームとしての成熟度も指摘した。
 そうした中で、この世代で初の世界一を目指すためには「いろんな意味で時間と情報がもう少しあるといいのかなと思います」と選考面を含めた課題を挙げ、「それぞれの連盟やチームとも連携や推薦をいただきながらやっていけば、チャンスはあるかなと思います。アメリカにまったく敵わないとは思いませんでした」とも語った。また、「野球界で1つになって、野球の競技人口維持・増加や強化に努めていかなければいけません」と、その連携がU-12W杯優勝を果たすだけではない様々な波及効果を生むと力を込めた。

 今大会を全力で戦い抜いたからこそ見えた課題を、選手たちはもちろん野球界全体で活かしていくことが、今後のさらなる野球界発展のために必要となっていきそうだ。

選手コメント

橋本翔太朗(高崎ボーイズ)

最優秀防御率(2試合12回で防御率0.00)、最高勝率(2勝0敗)、ベストナイン(投手)
「正直選ばれると思ってなかったので嬉しいです。海外の選手はパワーがあるのでストレートだけでなく変化球を混ぜて抑えていきました。すごい選手がたくさんいて、押していくだけでは抑えられないので、緩急やコースをつけることを学びました。U-15、18代表にも選ばれて、プロ野球でも活躍できる選手になりたいです」

佐橋陸公(湘南ボーイズ)

打率.462やドミニカ共和国戦の逆転3ランなどでベストナイン(一塁手)
「今大会でベストナインに選ばれて自信になりました。学んだことは、投手としてはもともとチェンジアップしか投げられませんでしたが、林卓史投手コーチと相談しながらカーブなどを投げるようになりました。野手としては守備位置や周りの野手とのコミュニケーションの取り方ですね。ホームランは大会通じて1本と少なかったので、満足はしていません。今後はホームランをたくさん打って、投手としては橋本のような防御率0.00で抑える投手になりたいです」

ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025

大会概要出場選手

大会期間

2025年7月25日~8月3日

オープニングラウンド(グループA)
7月25日(金)15:30 日本 17 - 0 ドイツ
7月26日(土)15:30 日本 4 - 0 キューバ
7月27日(日)19:30 チャイニーズ・タイペイ 2 - 7 日本
7月28日(月)15:30 メキシコ - 日本 雨天延期
7月29日(火)11:30 日本 15 - 0 オーストラリア
7月30日(水)11:30 メキシコ 7 - 6 日本

スーパーラウンド
7月31日(木)15:30 日本 4 - 0 韓国
8月1日(金)15:30 日本 10 - 6 ドミニカ共和国
8月2日(土)15:30 日本 0 - 8 アメリカ

決勝
8月3日(日)11:00 アメリカ 7 - 1 日本

開催地

台湾(台南)

出場する国と地域

グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、キューバ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、パナマ、ドミニカ共和国、チェコ、南アフリカ

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