庭の南天や、万両、千両の実の赤が、濃くなってきました。
今日は二十四節気の『大雪(タイセツ)』です。歴書によれば、❝旧暦十一月子(ネ)の月の正節で、新暦十二月七日頃にあたります。もう山の峰々は積雪に覆われ、平地も北風が吹きすさんで、いよいよ冬将軍の到来が感じられます❞とあります。しかしここ数日の関東地方の天気は晴れの処が多く、特に後半からは最高気温が20℃に近くになり、小春日和りの暖かです。先月22日の「小雪」の時も ❝今日なぞポカポカ陽気の小春日和じゃないですか❞と書いた記憶があり、さらに遡って先月8日の「立冬」の時も非常に暖かで ❝今日の最高気温は関東地方で20℃〜22℃、・・・とても暖かだったですね。昨日など都心で100年振りに11月の最高気温を更新、27.5℃まで上がりました。・・・「小夏日和り」でした云々❞ と記しました。
小春日和りらしい暖かな初冬の日、中国唐時代の詩人白居易(=白楽天 772-848)は、次の様に読んでいます。
十月江南天氣好 可憐冬景似春華(白居易)
江南の十月は良い天気です。冬の陽光が春に似て、明るい華やかさが何とも良い。
陰暦十月は冬の初め。現行の和新暦に重ねると、十一月初旬からひと月に当たり、十二月初旬も場合によっては、入るでしょう。この詩が日本の和漢朗詠集に入りそれ以降、日本でも「小春日和」の語が定着したとされます。
この季節外れの暖かすぎる陽気は、矢張り地球温暖化の影響なのでしょうか。寒い時期に暖かであれば、日常市民生活は助かりますが、困る分野もあるでしょう。特に商業、製造分野などで寒さが必要な場合とか、「大雪」と言っても降雪が少ないとスキー場は稼働出来ないでしょうし、田に積雪が無いと病原虫の生き残る確率が上がる、とは良く言われることです。要するに暑くなる時期に普通に暑くなり、寒い時期は普通に寒くならないと人間社会はうまく回らないのです。勿論自然現象に毎年同じ変化・循環を求めることは無理ですが、その標準値というか平均値からの偏差が出来るだけ小さくなるように、人間の行動や生活を見直す動きが、ここ十年来大きくなりつつある感じです。こうした動きの流れに逆行しない様に、若しくは棹差さないことのない様に気を付けたいものです。